【企業法務の基礎知識8】 若葉マークの入門編 「会社法を紐解こう!⑤」~株主は何をする人ぞ?株主の権利について~

お疲れさまです!いのりんです♪

ちょっと法務のお勉強を集中したくて、
お休みの日に近所の図書館へ行ったんです。

一歩踏み込んだら、最新雑誌がズラっと並び、
音楽聞き放題、DVD見放題。

なんですかこれ、天国ですか?とあれこれ試していたら、
瞬く間に時間が過ぎていました…。゚(つД`)゚。

◇図書館の誘惑に負けないこと
◇ちゃんと法律の蔵書にたどり着くこと

この二つの誓いを胸に秘め、次回にリベンジです!

では、今回も引き続き「会社法」について、見て参りましょう!

 

【会社法を紐解こう!】

「株式」を持つ「株主」さんには、どんな権利や役割があるのでしょうか?
そこのとこ、気になったので調べてみました!

まずは「会社法」のおさらいから!

◎「会社法」はこんな法律◎
法令番号:平成17年7月26日法律第86号
最終更新:令和元年5月17日公布(令和元年法律第2号)改正
種類:商法
所管:法務省

会社法の全文はこちらで確認できます!

■電子政府の総合窓口「e-Gov(イーガブ)
>>>「会社法」

 

株主とは?

まずは、基本中の基本「株主」について、解説します。

「株主」とは、「株式」の持ち主、
株式会社にとっては「出資者」に該当します。

株主には、特別な資格や制限などはなく、
一人会社などでは株主が一人、ということもあり得ます。

「株主」については、
「会社法」で以下のように記しています。

●会社法121条
株式会社は株主名簿を作成し、
これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、
又は記録しなければならない。

一 株主の氏名又は名称及び住所
二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
三 第一号の株主が株式を取得した日
四 株式会社が株券発行会社である場合には第二号の株式(株券が発行されているものに限る)に係る株券の番号

株主には、
“それぞれが有する株式数に応じて平等に取り扱われる原則”として、
「株主平等の原則」が、会社法109条によって定められています。

以前も解説していますが、
10株保有する株主は、1株保有する株主の10倍配当をもらえるなど、
「保有する株式数が同じであれば、株主としての権利も同じ」ということですね。

ただし、権利内容が異なる「種類株主」が発行されている場合や、
株主ごとに異なる配当などを行う定款である場合、
非公開会社などでは、株主平等の原則の例外が認められています。

 

「株主」の権利について

株主には、様々な権利を持つことができますが、
主に「自益権」と「共益権」に分けられます。

●自益権
「自益権」は、
株主自身が直接的な経済的利益を享受することができる権利です。

代表的なものとしては、
株式会社が営利法人としての活動で得た利益を株主に、
「剰余金」として分配する「剰余金配当請求権」で、
会社法105条1項1号、会社法453条にて定められています。

この他にも、利益配当請求権、残余財産分配請求などがあります。

●共益権
「共益権」は、
株主が会社経営に参画することを目的とした権利です。

以下にその一部をまとめました。

・議案権(会社法303条)
・株主総会招集権(会社法297条)
・代表訴訟提起権(会社法847条)
・役員等の解任請求権(会社法854条)
・決議の取消しを訴える権利(会社法831)

「自益権」「共益権」の権利の中身を見てわかるように、
株主は「会社の所有者」としての立場で、
多くの権利を持っている、ということになります。

 

「単独株主権」と「少数株主権」について

株主の権利の中には、一人で行使することができる権利「単独株主主権」と、
一定数・一定割合以上を有する株主が行使することができる権利「少数株主権」があります。

単独株主権
自分が持っている株、”保有持株”の数に関係なく、
「株主」であれば、一人でも行使ができる権利を「単独株主権」と言います。

基本的に自益権は単独株主権となりますが、
共益権の中にも単独株主権の特性をもつ権利があります。

(1)株主総会における議決権(会社法308条1項)
(2)取締役会非設置会社での株主総会「議題」提案権(会社法303条)
(3)取締役会の非設置会社での「議案容量通知請求」権(会社法305条)
(4)株主総会の議案提出権(会社法304条)
(5)取締役の違法行為差止め請求権(会社法360条)
(6)責任追及の訴えの提起権(会社法847条)

ちなみに、公開会社の場合(5)と(6)の項目は、
「6か月前から引き続いて株式を保有する株主」であることが条件となっています。

ただし、定款で6カ月以下に短縮することも可能です。

●少数株主権
「少数株主権」とは、
「総株主の議決権の一定割合」または「発行済み株式総数の一定数」以上を
保有する株主が行使できる権利のことです。

会社法303条2項の株主提案権や、
会社法条の株主少数請求権などに記載されています。

・株主総会招集請求権…総株主の議決権の3/100以上
・株主総会「議題」提案権…総株主の議決権の1/100以上または300個以上
・株主総会「議案要領通知」請求権…総株主の議決権の1/100以上または300個以上
・役員解任請求権…総株主の議決権の3/100以上または発行済株式の3/100以上

単独株主権と同様に、公開会社の場合は、
「6か月前から引き続いて株式を保有する株主」であることが条件となっています。

 

株主の「責任」はドコまで?

株式会社から配当金をもらい、経営にも参加できる「株主」の権利。

もしも、株式を持つ会社に万が一のことがあったら、
一蓮托生で株主も何か責任を負うことになるのでしょうか?

…大丈夫。ご安心下さい。

もしものことがあっても、会社法では以下のように記されています。

「株主の責任はその有する株式の引取り価額を限度とする」(会社法104条)

株主には「所有と経営の分離の原則」があり、
「株主」という存在は、経営の概念から分離されている、
という考えとなっています。

この原則により、
株式を購入するために出資した金額を超えた責任は問われません。

ちなみにもう一つ原則があり、
株式の払込みについては「現金」一択とのことです。

代物での弁済は認められてなく、
会社に対する債権と株式払込を相殺することも認められない、
と会社法208条にあります。

 

「株主」の権利をセミナーで学ぼう!

「株主」さんは、ただ株を持って配当を受けるだけではなかったんですね。
いろいろ勉強になります。

この他にも株主さんには、
まだまだ紹介しきれない権利がたくさんあります。

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株主の権利を学ぶことは、企業法務だけでなく、
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いのりんでした!

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【参考サイト】
会社法の条文と解説Web
>>>株主の権利

ウィキペディア
>>>株主

CPA会計ブログ
>>>株主総会って何?基礎から徹底解説!