<令和の部下育成は1on1!人材育成の鍵となる1on1ミーティングとは?【1】> 1on1ミーティングが注目される理由とそのメリットについて

上司と部下のミーティングと言えば、年に1回程度、業績の進捗確認や評価のために実施されるいわゆる「面談」スタイルが主流でしたが、近年では、週1回の頻度のサイクルで部下とコミュニケーションを取る「1on1ミーティング」が注目されています。アメリカのシリコンバレーの企業で実施され、人材育成に高い効果を発揮している1on1ミーティングは、日本でも大手企業が続々導入を始めています。日本式企業の古式ゆかしい「面談」とは違う1on1ミーティングとはどのような手法なのでしょうか?1on1ミーティングが注目される理由や、導入のメリットなどについてまとめました。

 

1on1ミーティングとは?

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で実施するミーティングを指します。1on1ミーティングという呼び名のほか「1on1」と略される場合もあります。1on1ミーティング発祥の地はアメリカのシリコンバレーで、日本においては、早いところで2012年に大手IT企業が導入を始めており、働き方改革や、週1回から月1回程度のペースで30分~60分ぐらいの時間で実施されることが一般的となっています。

●1on1ミーティングの目的
1on1ミーティングは、部下の成長を促進するために実施するいわゆる「人材育成」を目的としたものです。部下の成長を促し、企業の組織力を強化することを常に意識して実施する必要があります。1on1ミーティングの場において、上司は部下の悩みを聞き出し、共に課題解決策を講じ、成長のための気づきを与える場となることが理想です。定期的に1on1ミーティングを実施することができれば、上司と部下の間に信頼関係が生まれ、職場内でのやりとりがスムーズとなり、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。

●「人事評価面談」との違い
1on1ミーティングは前述したとおり、部下の成長を促進するためのものであり「人事評価」をする場でありません。日本企業の多くは古くからの慣習で、1対1で業績などについて部下が一方的に評価をする人事評価面談が主流ですが、1on1ミーティングに求められているのは双方向のコミュニケーションです。上司は部下の作業進捗を把握し、目指すキャリアや悩みなどを聞き出すためのコミュニケーション能力が必要となります。1on1ミーティングの目的がわからないままに実施すると、単なる仕事の打ち合わせや、お小言レベルで終わってしまい、部下にとって逆効果となる場合があるので注意が必要です。

 

1on1ミーティングが注目される理由

1on1ミーティングが注目される理由には「VUCA時代」であることが影響しています。コロナ禍以降、日本のビジネスシーンでは「Volatility(変動・不安定さ)」「Uncertainty(不確実さ)」「Complexity(複雑さ)」「Ambiguity(曖昧さ)」の頭文字をとった「VUCA時代」に突入しています。社会全体が不安定要素に包まれ、いつ何時、何が起こるかわからない時代では、これまでのような日本式ビジネスが通用しなくなってきているのも現状です。時代の流れに押しつぶされないためには、個々の社員の主体性や創造性を高めて、臨機応変に対応できる人材を育成することが重要です。部下の自主性や成長を促す効果が期待できる1on1ミーティングはVUCA時代にぴったりの手法となります。

 

1on1ミーティング3つのメリット

1on1ミーティングには「部下の自発的な成長が促される」、「強い組織づくり」、「離職率の低下」など3つのメリットが挙げられます。

(1)部下の自発的な成長が促される
1on1ミーティングは半年に一度や年に一度という頻度ではなく、多くて週1回、少なくても月1回の頻度で実施されます。時間も30分から60分と短くはない時間なので、上司と部下の間でいろいろな会話が交わされます。部下は普段言いにくいことを1on1ミーティングの場で発言することが可能となり、上司は部下がどんな仕事に挑み、何を成し遂げたかを把握しやすくなります。自分の仕事のことを上司が把握してくれることにより、部下は一人で抱え込むことなく安心して仕事に打ち込み、問題解決にも積極的に動きやすくなり、ステップアップしやすい環境が整うことでモチベーションアップにもつながります。このように1on1ミーティングを重ねると、部下の自発的な成長が促されやすくなるというメリットがあります。

(2)強い組織づくり
1on1ミーティングで話題にすることは、仕事の話ばかりではありません。むしろ、プライベートな話題を積極的に実施することが推奨されています。その理由は「人を知ることが重要」だからです。若い人は会社関係の飲みにケーションには消極的で、飲みの席で「腹を割って話す」という機会は激減しました。1on1ミーティングでは仕事以外の話から、上司なり部下なりの人となりを知ることができ、得手不得手を理解することでマネジメントをスムーズにする効果があるとされています。部下の強みを生かすことができれば、強い組織づくりも可能となります。

(3)離職率の低下
今、日本企業が危惧しているのは「離職率の高さ」です。苦労して就職しても若い人が短いサイクルでどんどん職場を離れて行ってしまいます。職場を離れるのは、企業から心が離れるからです。つまり会社に愛想を尽かすことと同義です。信頼関係が希薄な企業はどんどん人が離れて行ってしまいます。1on1ミーティングで対話を重ねることで、上司と部下の信頼関係が築かれるため、離職率のリスクを低下させるというメリットがあります。社員のエンゲージメントを高めたい場合、1on1ミーティングはおすすめです。

 

1on1ミーティングを知るならセミナーで!

1on1ミーティングを実施しようとしても、なかなか「面談」から抜け出せない、という声が多く上がっています。まずは1on1ミーティングとは何かを知ることが重要です。下記サイトでは1on1ミーティングをテーマにした人材育成セミナーを多数お取り扱いしています。あなたにピッタリなセミナーを探して学んでみましょう。

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【参照情報】
PERSOL
>>>1on1とは?目的や進め方、効果的に運用するためのポイントを解説

KOKUYO
>>>1on1ミーティングとは?メリット・デメリットや実施方法など基礎知識を解説

ManpowerGroup
>>>1on1ミーティングとは│注意点と効果を高める3つのポイント