<令和の部下育成は1on1!人材育成の鍵となる1on1ミーティングとは?【2】> 1on1ミーティング導入のポイントと効果的な実践方法
令和に入るや否や、劇的な変化をせざるを得なかった日本のビジネスシーンにおいて、テレワークや電子化は進んだが、上司と部下の関係性が平成昭和のままである、という企業が少なくありません。今や部下育成も、時代にあった変革を求められています。1on1ミーティングは、上司と部下が「対話」をすることで、チームの作業効率の向上や、部下に対してのきめ細やかな業務サポート、そして、信頼関係構築などに有効とされており、近年導入する企業が増えています。しかし、いざ導入しようとしても、前時代の「個人面談」のように人事評価をしてしまい効果が得られないというのもありがちなケースです。1on1ミーティングの導入を成功させるためにはどうしたら良いでしょうか?導入のポイントと、効果的な実践方法についてまとめました。
1on1ミーティングを導入するためには?
まずは今実施している従来型の「個人面談」と「1on1ミーティング」の違いを理解する必要があります。
以下にポイントをまとめました。
●1on1ミーティングを理解する
個人面談は、昇給や昇格、ボーナスの査定などを人事評価を上司から部下へ一方的に伝えるものですが、1on1ミーティングは、プロジェクトの進捗状況などを確認し、作業効率を上げることにあるため、そもそもその目的が違います。1on1ミーティングの場合は人事評価のように結果を伝えるだけでなく「業務のサポート」や「キャリアの自立」「メンバーの成長の促進」などを意識しながら、部下の日々の悩みや課題を解決し、信頼関係を構築していく必要があります。この点を理解していないと、システム上で1on1ミーティングを導入しても中身が伴わらないものとなってしまします。
●必要な3つのスキルを習得する
1on1ミーティングでは「上司」という立場だけでは効果は得られません。上司には以下の3つのスキルが必要です。
(1)傾聴力(コーチング)
1on1ミーティングでは、文字通り部下と1対1で対話をします。その時に必要なのは「真摯な姿勢で聴く力」すなわち「傾聴力」です。ただ話を聞くだけの姿勢と、話を受け止めてくれる姿勢とでは、話す側の心象が全く変わります。コミュニケーションがうまくいかない部下に対してほど、傾聴力を発揮し、寄り添う気持ちで根気よく話を聞くことがポイントです。
(2)承認力(フィードバック)
フィードバックとくと「悪いところの共有」というイメージもありますが、この場合は「部下のありのままの姿を認めること」を指します。悪いところ、気になったところばかりでなく、業務の結果や日々の業務に対して、部下をほめて認めてあげることにより、部下には自己肯定感が芽生え、いかなる状況下でも結果を出すために適切な行動をとれるようになります。また、部下が振り返りしやすいように、部下の行動と結果を明確にしたうえで改善点を伝えるなど、伝え方の工夫も必要です。
(3)課題解決(ティーチングスキル)
部下の話を傾聴し、成果を承認したあとに必要なスキルは課題解決です。上司が一方的に課題解決を指示するのでは単なる「指導」になってしまいます。1on1ミーティングでの課題解決は、必要な情報や知識を伝え、部下を解決へと導きます。部下がどのくらい状況を把握しているのか、どの課程にいるのか、その座標を正しく見極めて、自分で答えを見つけられるように促せることが、上司に求められるティーチングスキルとなります。
1on1ミーティングの失敗例
1on1ミーティングがうまくいかない例とはどのようなケースなのでしょうか?
ここでは1on1ミーティング導入時にありがちな失敗例をご紹介いたします。
●上司ばかりが一方的に話してしまう
よくある失敗例の一つとして「上司ばかりが一方的に話してしまう」というケースがあります。これは上司が1on1ミーティングの趣旨を理解できず、個人面談の感覚でミーティングに臨み、結果的に人事評価で終わってしまうという流れです。一方的な1on1ミーティングは「関係性を構築する」という目的からも大きく逸れてしまうので、1on1ミーティングに臨む上司はまず1on1ミーティングの趣旨を理解しましょう。
●雑談で終わる
こちらも良くある失敗例の一つで、雑談で終わってしまうというものです。1on1ミーティングを「腹を割ってフランク話す場」としてだけで捉えていると起こりがちな失敗です。雑談をするなということではなく、コミュニケーションのために必要な雑談を適度に織り交ぜつつ、仕事の進捗状況にかかわる部下の話を傾聴して、一緒に課題解決するという姿勢を持つことが大きな鍵となります。
●業務に生かされない
せっかく1on1ミーティングを実施していても、業務に生かされない、という失敗例もあります。部下一人ひとりに対して1on1ミーティングを実施しても、課題をミーティング内のみで完結し、普段の業務に反映されず、問題意識の全体共有がされないまま課題が何一つ解決していない、という状況になってしまうと、せっかくの1on1ミーティングもムダに終わってしまいます。1on1ミーティングを業務に生かすためにも、部下一人一人と正しくコミュニケーションを図り、課題解決に向けて同じ方向を向かせるという努力が必要となります。
1on1ミーティングの実践方法
1on1ミーティングを実践するためにいくつかのポイントをまとめました。
●1on1ミーティングの目的や趣旨を部下と共有する
自分だけ1on1ミーティングの目的や趣旨を理解していても、部下に伝わっていなければ意味はありません。なぜ1on1ミーティングを実施するのか、1on1ミーティングとはどのようなものなのかを、部下にもきちんと理解してもらい、1on1ミーティングの時にどのような話をすればよいのか、忌憚ない意見を言ってもいいのか、部下側にも「何のために実施するのか」を伝えることで、相互理解が深まりやすくなります。
●スケジュールを立てる
1on1ミーティングは個人面談と違い、週1回、もしくは1か月に1回実施することがベストです。週1のスパンが短ければ月1だけでも実施しましょう。実施ペースを定着させるためにも、思い付きではなく1on1ミーティングのスケジュールを組むことが重要です。人事なども巻き込んで、実施状況を把握するなど業務の一環としてシステム化するのも理想のスタイルです。また、継続していくことも重要です。
●安心して対話する環境づくりを
上司が思っているよりも部下は上司にどこまで何を話していいのか不安に思っています。1on1ミーティングを実施する際は「心理的安全性の担保」が必要です。上司に安心して何でも話せる環境ができていると、部下は高いパフォーマンスを発揮することができます。もし、自分の部下が意見を言わないタイプだったら、それは職場の心理的安全性が担保されていない可能性があります。明るく開放的な場所で実施する、ちょっとしたお茶を用意する、など、部下が話しやすい環境づくりをすることで、1on1ミーティングが成功する可能性が高まります。
セミナーで1on1ミーティングについて学ぼう!
1on1ミーティングは導入する側もまだよくわかっていない、というケースがあります。その場合は、まずセミナーなどで1on1ミーティングを学ぶことをお勧めします。Deliveruでは1on1ミーティングや人材育成に関するセミナーを多数ご用意しています。あなたにピッタリなセミナーを探して学んでみましょう。
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【参照情報】
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