【企業法務の基礎知識21】 若葉マークの入門「商標」について④ 商標登録申請の流れを見てみよう(費用・審査・査定など)

お疲れ様です。いのりんです♪

仕事帰りに通りかかったお弁当屋さんから、
から揚げのいい香りがして、
気づけば揚げたてから揚げをゲットしていました。

唐揚げって、なんでこうも魅力的なんでしょう。

冷凍食品のニチレイフーズさんが、
2019年10月に調査した「から揚げ調査2019」によると、
1か月にから揚げを食べる個数が、最も多い都道府県は、
1位「愛媛県」2位「東京都」3位「大分県」とのこと。

人口比率から考えると、
「愛媛県」と「大分県」のから揚げ愛を、
ひしひしと感じますね。

 

さあ、お腹も満たされたところで、
今回も法務のお勉強とまいりましょう♪

まずは「商標」についておさらいです!

 

【商標3つのポイント】
ポイント①商標と認められるには?
(1)事業者が使用するマークであること
(2)自己の商品・サービスと他人の商品・サービスを区別するために使用すること

ポイント②商標はマークだけを登録しているわけではない
「商標権」とは「マーク(商標)」+「使用する商品・サービス(役務)」のセットで登録される

ポイント③商標権を得ることによるメリット
(1)商標権を取得すると自分の商標として使用できる
(2)自分が登録した商標には指定標品・指定役務について独占することができるため、商標を無断使用された場合、もしくは類似した商標について使用の禁止を求められる

 

今回は、いよいよ「商標登録申請」について、
解説いたします!

 

商標登録申請の流れ

【1】商標登録願の作成
商標登録願の作成方法には、
「書類」で提出する方法とインターネットを用いた「電子出願」方法があります。

●書類で出願する方法
(1)特許庁ホームページにある「登録出願願の様式」をダウンロードする
(2)J-Platpatなどを使用して出願できる商標か確認できたら、商標登録願を作成する

※様式を用紙に印刷する場合は、
 インキがにじまず文字が透き通らないA4版用紙が推奨されています

●インターネットを用いた出願方法(電子出願)
インターネットを用いた電子出願を行うためには、
まず「電子証明書」を入手する必要があります。

特許庁のホームページから、
「インターネットを用いた出願方法」の外部リンクへアクセスし、
電子証明書入手の手続きをしてから申請となります。

(1)電子証明書の購入
所定の認証局が発行する「電子証明書」を購入します。
手数料は、電子証明書の証明期間に応じて、
3か月→2,500円、6か月4,300円と3か月ごとにアップし、
最大27か月→16,900円までとなっています。

(2)インターネット環境整える
電子出願するための、パソコンやインターネット環境を準備します

(3)電子出願ソフトの入手
電子出願は、専用のソフトを使用しないと出願できません。
専用のソフトをダウンロードと、
インストールをして使用できるようにします。

(4)「申請人利用登録」をする
電子出願専用のソフトを利用して、
特許庁へ「申請人識別番号」と「電子証明書」の組み合わせを登録します

(5)申請書類の作成
出願等申請書類を作成します。
ソフト内で、入力チェックをした後に、
特許庁提出のフォーマットに変換します

(6)出願
電子出願では、インターネットで24時間出願を受けて付けています。
記入が完了したら、インターネットで出願して完了です。

 

【2】商標登録申請願へ特許印紙を貼り付ける
・郵送で提出する場合は、集配郵便局等で「特許印紙」を購入して、指定の箇所へ貼り付けます。
・特許庁へ直接提出される場合は、特許庁内で販売されている「特許印紙」を、貼付してください。
・収入印紙では手続きできません

 

【3】商標登録申請願を提出
(1)特許庁へ提出する
特許庁へ提出する場合は、特許庁1階にある「出願受付窓口」へ提出します。
受付時間は平日の9時~5時まで。土日祝日年末年始は受け付けしていません。

(2)郵送する場合
〒100-8915 東京都千代田区霞が関3丁目4番3号 特許庁長官宛 へ郵送します。
宛名面には余白に、「商標登録願 在中」と記載し、書留、簡易書留郵便、特定記録郵便で提出します。

 

【4】電子化手数料を納付する
書面で提出した場合、出願日から数週間後に、「払込用紙」が送られてきます。
その場合「電子化使用料」として、1,200円+(700円×書面のページ数)分の料金を納付します

 

登録商標申請でかかる費用は?

個人で商標登録する場合にかる費用は、
区分×8,600円+3,400円です。

1区分12,000円、2区分20,600円となります。

登録が認められた場合は、
登録費用を特許庁に納めます。

登録費用は、
10年一括で区分数×28,200円、5年分割納付だと区分数×16,400円です。

期間内に支払わない場合は、出願却下処分となり、
その後は、権利化することができなくなってしまうので注意が必要です。

 

審査結果はいつ分かる?

無事に登録商標申請を終えると、
あとは結果を待つばかりとなりますが、
登録までには思った以上に時間がかかります。

審査機関の目安は13か月程度と言われ、
場合によってはもっと係る場合もあります。

それもそのはず。

申請側が事前に被りがないか、
申請するのにふさわしい商標かを見定めて申請を出しても、
特許庁には年間10万件以上の出願が提出されています。

それを一つ一つ審査し、
判断するために時間がかかってしまうとのことなのです。

審査を待つ判断材料の一つとして、
「商標審査着手状況(審査未着手案件)」があります。

●「商標審査着手状況(審査未着手案件)」とは?
特許庁では登録申請された商標の「審査未着手」の案件について、
着手見通し時期を「商標審査着手状況(審査未着手案件)」を公表しています。

『あくまでも着手時期の目安を示すものであって、着手時期を保証するものではありません』
と断った上で、2~3か月で更新しています。

実際に審査が行われている「審査室」ごとに、
「出願された時期」と「審査着手時期」が分かるようになっています。

例えば、化学室で審査されている区分については、
「平成30年12月~平成31年1月」の間に提出したものが、
「令和2年1月」から着手されることが読み取れます。

7つの審査室では、以下のそれぞれの区分を受け持っているので、
自分の提出した区分が、どこの審査室で審査されているかを把握する必要があります。

<審査室と担当区分(類)>
化学→1,2,3,4,5
食品→29,30,31,32,33
機械→6,7,8,7,8,9,10,11,12,13,19
雑貨繊維→14,15,16,17,18,20,21,22,23,24,25,26,27,28,34
産業役務→35,36,37,38,39,40
一般役務→41,42,43,44,45
国際商標登録出願→国際商標登録出願を担当

 

いかがでしょう?

出願準備から出願、審査の待ち時間までを、
ご紹介させていただきました。

次回は、「登録査定」と「拒絶査定」への対応などを、見て参りましょう。
引き続きよろしくお願いします。

いのりんでした♪

 

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【参照情報】
ビジドラ
>>>商標登録の出願方法とは? 登録の流れについて解説

Cotobox
>>>商標登録出願の流れ9ステップ

海特許事務所
>>>特許庁に行かなくても商標登録ができる!電子出願のメリットと手続きの手順

特許庁
>>>初めてだったら個々を読む~商標出願のいろは~