【企業法務の基礎知識20】 若葉マークの入門編「商標」について③ いざ商標登録!…その前に「商標調査」をお忘れなく

お疲れ様です!いのりんです♪

先日Webミーティングでうっかり背景設定をしたら、
なぜか他の人も背景を変えてきて、
15人中7人がハワイ、6人がゴールデンブリッジ、
1人が宇宙、もう1人がオフィスという、
とてもワールドワイドなミーティングとなりました。

ちなみに、私はゴールデンブリッジ組だったのですが、
次回の背景は「宇宙」で行きます。

 

さあ、みなさん、企業法務のお時間ですよ~!
今回も引き続き「商標」についてのお勉強です。

まずは、「商標」を軽くおさらいしましょう!

 

【商標3つのポイント】
ポイント①商標と認められるには?
(1)事業者が使用するマークであること
(2)自己の商品・サービスと他人の商品・サービスを区別するために使用すること

ポイント②商標はマークだけを登録しているわけではない
「商標権」とは「マーク(商標)」+「使用する商品・サービス(役務)」のセットで登録される

ポイント③商標権を得ることによるメリット
(1)商標権を取得すると自分の商標として使用できる
(2)自分が登録した商標には指定標品・指定役務について独占することができるため、商標を無断使用された場合、もしくは類似した商標について使用の禁止を求められる

 

商標を「商標権」とするためには、
特許庁への登録申請が必要となります。

手続きというものは、何かと手間がかかるものですが、
「商標」の申請は、特に手間と時間がかかるもので、
申請する前には、それなりの準備を要します。

今回はまず、
「商標登録をするための準備に必要なもの」を見て参りましょう!

 

登録申請する「商標」を特定する

商標登録を申請するには、まず前提として、
自分の「商標」を持っていることです。

商標権を取得するためには、
「商品やサービスで使用する形で申請すること」
が原則となっています。

例えば、
申請した商標が「文字」であった場合は、
特許庁長官があらかじめ指定して、
公表した書体を使った「標準文字」であるか、
それ以外の書体を使用した「特定のロゴ」かの、
どちらかで申請しなければなりません。

ただし、先に標準文字で登録し、
後から特定のロゴに変更することも可能です。

また、色についても、
「白黒」か「カラー」かも決める必要があります。

この場合、商標全体のロゴの色を、
たまに単色の赤や青に変えるぐらいであれば、
白黒で登録しても問題はないとされています。

しかし、ロゴの一部の色を変える場合は、
ユーザーのロゴに対する印象が変わるため、
それぞれ使用する形態で商標登録を申請します。

その他に、一般的に生じないアルファベットの組合せは、
発音を保護するために、
アルファベット商標と発音したカタカナの商標、
両方を申請するケースもあります。

このように、自分の手持ちの商標を登録申請するためには、
様々な角度から、「商標」を「特定」する必要があるのです。

 

「商標」を使用する指定商品や指定役務(サービス)を特定する

「商標」は、商品やサービス(役務)とセットでの登録となります。

この場合の商品は、
「かつお節削り器」や、「ビール」「釣り具」「洗濯用でんぷんのり」などを表し、
役務は「宿泊施設の提供」や「塗装サービス」「輸送サービス」などを指します。

これらを「区分」と呼び、
区分には「商品」が34種類、役務が11種類の計45種類が存在します。

自分の商標が、これらの区分のどの類に該当するのかを考えるのですが、
「区分」を決めるのも一筋縄ではいかないのが商標の落とし穴。

例えば、「ビール」は第33類の「酒類」かと思われますが、
実は第32類の「飲料・ビール」が正解であったり、
織物の壁掛けは第27類の「床敷物、壁掛け」ではなく、
第24類の「織物製商品」に該当するなど、
区分を良く読み込まないと、正解にたどり着けません。

区分が違っても認められるケースや、
区分が一致しないと認められない場合もあるので、
判断に迷った時は専門家の意見を聞くのも一つの手段です。

 

「商標調査」で出願前の商標をチェックする

区分の特定と前後する場合もありますが、
商標登録で一番大切なのは「他の商標と被っていないこと」です。

登録申請をする前に、商標をチェックする必要があります。

●商標調査とは?
日本の商標法は、商標の誕生の前後関係なしに、
「先に出願した人の商標登録が受け付けられる」という、
「先願主義」の考えがまかり通ります。

昔から使っている商標でも、先に他人が登録した場合は、
使用できなくなってしまいます。

善意悪意関係なしに、類似した商標が存在する可能性はあるので、
出願前に似た商品がないかを調査する「商標調査」が重要となってくるのです。

「商標調査」は、
特許庁のホームページ内にある「J-Platpat」という
検索ツールを使用して行うことができます。

●商標調査のポイント
特許庁のホームページに、
商標検索のプラットフォーム「J-Platpat」を使って、
商標調査をするポイントは以下の2点です。

(1)「商標検索」で称呼(読み方)が類似する商標を探す
「J-Platpat」内にある「商標検索」のページで、
「呼称(類似検索)」の項目を使用すると、
商標の「読み方」が似ている他の商標が表示されます。

(2)同じ文字を含む商標を探す
「J-Platpat」内にある「商標検索」のページで、
「商標(検索用)」の検索項目を使うと、
入力された「文字」を含む商標が検索できます。

商標検索では、基本的に、
「ひらがな」「カタカナ」「アルファベット」
それぞれに入力しないとヒットしないので、
それぞれの読み方で、検索をかける必要があります。

また、文字列の前後に「?」を付けて検索すると、
検索範囲が拡大し、類似商標を見つけやすくなります。

また、検索は、
複数項目を組み合わせての検索も可能です。

既に区分を決めている場合は、
商標+類似群コードという合わせ技を利用できるので、
より正確に類似商品の見極めがしやすくなります。

類似群コードは、「J-Platpat」内の商品・役務名検索に、
商品や役務名を入力すると、類似群コードが表示されます。

今後の登録審査のカギとなりますので、
あらゆるパターンを想定した「J-Platpat」を活用しての
商標調査をすることをおすすめします。

 

商標登録や特許、知的財産権についての詳細はセミナーで!

商標登録までの道のりは、想定以上に遠いものです。
しかしそれは、いずれ大切な「財産」とするためのステップです。

商標登録や、それに関連する特許権、知的財産権などについて知りたい場合は、
セミナーがお薦めです。
専門家の話を聞いて、商標登録へ生かしましょう。

 

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といったところで、今回はここまで。
次回も商標登録についてお付き合いください。

いのりんでした♪

 

【参照情報】
特許庁
>>>初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~

Cotobox
>>>商標登録出願の流れ9ステップ

商標登録応援サイト
>>>商標登録を自分でする方法