【企業法務の基礎知識22】 若葉マークの入門編「商標」について⑤ 審査の結果はいかに?「商標登録査定」後の手続きと「拒絶理由通知書」の対応について

お疲れ様です。いのりんです♪

いやあ。びっくりです。

先ほど、よその会社へお使いに行ったのですが、
エントランスにドローンが飛んでいて、思わず二度見しました。

何かの実証実験だったようですが、
実は生れて初めて見たドローンだったので、
近未来が急に身近に感じたというかなんというか。

あんなのがあちこちに普通に飛んでる日が、
いつか来るのかもしれませんね。

 

さあ、テクノロジーは十分堪能したので、
ここからは法務のお勉強です!

まずは「商標」のおさらいから。

 

【商標3つのポイント】
ポイント①商標と認められるには?
(1)事業者が使用するマークであること
(2)自己の商品・サービスと他人の商品・サービスを区別するために使用すること

ポイント②商標はマークだけを登録しているわけではない
「商標権」とは「マーク(商標)」+「使用する商品・サービス(役務)」のセットで登録される

ポイント③商標権を得ることによるメリット
(1)商標権を取得すると自分の商標として使用できる
(2)自分が登録した商標には指定標品・指定役務について独占することができるため、商標を無断使用された場合、もしくは類似した商標について使用の禁止を求められる

 

今回は、「商標」の審査結果である「商標登録査定」と、
「拒絶理由通知書」について見て参りましょう!

 

商標登録申請の合格通知「登録査定」について

「登録査定」とは、商標登録審査をパスしたというお知らせ、
いわゆる商標登録の合格通知といったところでしょうか。

長い審査機関を経て、審査官が、
「商標登録出願を審査した結果、審査に合格させる」と判断された時に、
「行政処分」として「登録査定」が送られてきます。

●「登録査定」を受取った後の手続き方法
「登録査定」は、受取っただけで終わりとはなりません。

登録査定の内容を確認し、
登録査定を受取った30日以内に、
「登録料」を納付する必要があります。

登録料は、区分×8,600円+3,400円です。
1区分12,000円、2区分20,600円となります。

登録料納付は、以下の流れで行います。

(1)納付方法を検討する
登録料は、以下の6種類いずれかの方法によって、納付します。

1.特許印紙
窓口、郵送のみで提出可能。
「商標登録料納付書」に「特許印紙」をはり、特許庁に提出する。

2.予納
窓口、郵送。オンラインで提出可能。
特許庁に「予納台帳」を開設して、
「予納台帳番号」と「納付金額」を記載した
「商標登録料納付書」を特許庁に提出する。

3.現金納付
窓口、郵送で提出可能。
特許庁専用の振込用紙を使って銀行から料金を納付し、
振込番号を記載した「商標登録料納付書」を特許庁に提出する。

4.電子現金
窓口、郵送、オンラインで提出可能。

電子出願ソフトで「納付番号」を取得して、
インターネットバンキング、またはATMから料金を納付し、
納付番号を記載した「商標登録料納付書」を特許庁に提出する。

5.口座振替
オンラインのみ提出可能。
銀行口座を特許庁に登録し、
その際に付与される「振替番号」と納付金額を記載した
「商標登録納付書」を特許庁に提出する。

6.クレジットカード
オンラインのみ提出可能。

電子出願ソフトを使い、
クレジット会社による「指定立替納付」であることと、
納付金額を記載した「商標登録料納付書」を特許庁へ提出する。

(2)納付書を作成する
納付方法が決まり、登録料を納付する場合は、
「商標登録納付書」を作成し、
特許庁の特許庁長官あてに提出します。

納付書のサンプルやひな形は、
特許庁のホームページに記載があります。

●登録料を納付してから、どれくらいで登録となるのか?
書面で作成して、窓口や郵送で提出した場合は、
納付書の電子化を行うために、
約3週間の「電子化期間」が設けられます。

書類に不備がなければ、
その後10日以内に登録されます。

登録証は、
登録日から約2週間後に発送され、手元に届きます。

 

「拒絶」でも不合格ではない?「拒絶理由通知書」の対処法

一方で、登録審査を通過しなかった商標には、
「拒絶理由通知書」が送付されます。

●「拒絶理由」の種類について
審査を通過しなかった「理由」の種類の代表例を、ご紹介します。

【登録要件を満たさないもの】
(商標法第3号第1項より)
・第1号 単なる普通名称
・第2号 慣用表現
・第3号 品質を表現した語句
・第4号 ありふれた姓/商号
・第5号 簡単でありふれたもの
・第6号 特別顕著でないもの

【登録できないもの】
(商標法第4条第1項より)
・第8号 承諾を得ていない他人の氏名、他社の名称など
・第11号 他人の先願/登録商標と類似
・第16号 品質誤認のおそれ
・第19号 不正目的

●「拒絶理由通知書」とは?
「拒絶」という言葉は、商標として認められなかった
最終通告みたいなイメージがありますが、そうではありません。

拒絶理由通知とは、
「商標登録を認められないとする理由」を指摘した通知書で、
拒絶を決定した通知とは違います。

どちらかというと、
「ここに問題点があるので修正してください」
ということをピンポイントで教えてくれているもので、
拒絶理由通知は、
「審査を通すための修正の機会」を与えられている状態となるのです。

●「拒絶理由通知書」が届いたら、どう対処したら良いか
拒絶理由通知書が届いたら、2つの対処方法があります。

①補正書を提出する
審査官が指摘した修正ポイントを、
その通りに修正するケースの場合は「補正書」を提出します。

注意点は、「修正できる範囲」というのは、
「指摘されたもの」だけであり、
それ以外の修正はできません。

ただし、指摘の中には、
商標の形や名前の変更などを余儀なくされるパターンもあります。

②商品・役務を説明する
拒絶理由通知には、
「商品の適切な区分と類似範囲を判断するための検討材料」として、
登録申請した商標について詳しい説明が求められます。

その場合は、商標に関する写真やイラスト、
役務で使用しているパンフレットやチラシなどを用いて対応します。

例えば、商品の商標の場合は、
大きさ、形、原料、使用方法、用途・効能、流通経路など、
役務の場合は、
対象の需要者や利用者、提供場所、提供方法、提供に利用する物や目的など、
を開示すると、分かりやすいとされています。

③意見書を提出する
拒絶理由通知の中で、審査官が指摘した内容に納得できない場合は、
「意見書」を提出することが可能です。

その場合は、審査官の指摘についての趣旨を理解して、
あらゆる説得材料を模索して審査官に訴えます。

拒絶理由通知に対する返答の期限は、3か月です。

訂正や反論するための期限としては、
十分な猶予を与えられているので、
時間をかけて対策を講じることも可能です。

たとえ期限が過ぎても、
手数料2,100円を支払えば1か月、
4,200円払えばさらに1か月延長もできるのも、
拒絶理由通知の特徴です。

弁理士や専門家の知識を借りて、
時間いっぱい反論材料を集めていることもできます。

 

「拒絶査定」とは?

商標登録審査の最終通告の場合は、
「拒絶査定」が届きます。

拒絶査定とは、
「商標登録願を特許庁の審査官が審査した結果、商標登録を認められない」
と審査官から判断された場合に、送付されます。

 

「拒絶査定」になっても「拒絶査定不服審判」がある

「拒絶査定」が来ても、まだ反論の方法はあります。
それが、「拒絶査定不服審判」です。

拒絶査定不服審判は、
拒絶査定を受け取ってから、
3か月以内に不服審判の申し立てが可能です。

拒絶査定不服審判は、
法令の解釈と適用、事実の認定を見直します。

基本的には書面審理となりますが、
裁判長が必要と認める場合は、
口頭審理となることもあります。

その場合は、関係者を招致しての尋問が、
実施されることもあります。

特許庁の判断を覆すことは相当な壁に感じますが、
その勝率は7割とも言われているので、
あきらめずに挑む価値はあります。

 

「商標」はセミナーで学ぼう!

商標登録の審査は、すんなり通るものではありませんが、
審査が通らなくても反論の機会があるのですね。

せっかく申請した商標登録の拒絶理由通知を受取っても、
対策次第ではひっくり返ることもあります。

そのためにもセミナーで商標について、
知っておくこと心強いですよ!

下記サイトから「商標」などで検索して、
ピッタリのセミナーを探してみてください。

 

次回も商標をお勉強します!

いのりんでした♪

 

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【参照情報】
特許庁
>>>商標の登録査定を受け取った方へ

>>>商標の拒絶理由通知書を受け取った方へ

アイリンク国際特許商標事務所
>>>商標登録の審査過程で送られてくる拒絶理由通知とな何か

オンダ国際特許事務所
>>>拒絶理由通知への対応