【企業法務の基礎知識7】 若葉マークの入門編 「会社法を紐解こう!④」~資金調達に欠かせない「募集株式等の発行」を解説!~
お疲れ様です!いのりんです♪
お茶がおいしい今日このごろ。
若いころ紅茶にハマり、ハーブティーに手を伸ばし、
カモミール、ローズヒップ、ルイボスティーと渡り歩き、
着いた先が日本人の魂、緑茶。
ちょうど実家から「いいとこのお茶」をもらったので、
消費目的で特に期待せず飲みだしたら、
緑茶の良さに覚醒しました!
やっぱ日本人は緑茶ですね~♪
頭スッキリ!
気分もリフレッシュしたところで、「会社法」についてお勉強しましょう!!
【会社法を紐解こう!】
これまで「株式の種類」や「株式」について見てまいりましたが、
今回は「募集株式の発行」について紐解きます!
まずは「会社法」のおさらいから!
◎「会社法」はこんな法律◎
法令番号:平成17年7月26日法律第86号
最終更新:令和元年5月17日公布(令和元年法律第2号)改正
種類:商法
所管:法務省
会社法の全文はこちらで確認できます!
■電子政府の総合窓口「e-Gov(イーガブ)
>>>「会社法」
「募集株式等の発行」とは?
「会社法」に記されている内容は、
会社内で一般職に就いているとあまり耳にしない言葉が多いのですが、
今回のテーマである「募集株式」もそんな言葉の一つです。
この「募集株式」は、株式会社を運営するにあたり、とても重要な言葉となります。
会社法における「募集株式の発行」とは、どのようなものなのでしょうか?
●「募集株式等の発行」は会社の「資金調達」
会社を運営するには、「資本金」が必要となります。
株式会社の場合は、「株式」を使って「資金調達」を行います。
会社法199条1項によると、
「募集株式とは、株式会社がその設立後に応じて、
株式の引受の申込をした者に対して割り当てる株式のことである」
と定義されています。
募集株式には、株式を新しく発行する「株式の新規発行」と、
株式会社が保有する自社の株式を売却する「自己株式処分」があり、
会社法199条~213条では、これらの新株発行や
自己処分のことを「募集株式の発行等」と称しています。
なるほど。
「資本金」など、諸々のまとまったお金が必要な時に「株式」の出番となるわけですね。
●「株式事項の決定」=「株式を引き受ける者」の募集
会社が「募集株式の発行等」を決めた場合、
「募集株式」の名の通り、「株式を引き受ける者」を募集しなければなりません。
会社法199条1項2項によると、
株を引き受けてくれる人を募集するためには、
以下の5点を決定する必要があります。
【会社法第199条(募集事項の決定)】
株式会社は、その発行する株式、
又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、
その都度、募集株式(当該募集)に応じて、
これらの株式の引受の申し込みをしたものに対して割り当てる株式をいう。
以下この節において同じ)について、次に掲げる事項を定めなければならない。
一. 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。)
二. 募集株式の払込金額(募集株式一株と引き換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。
以下この節において同じ)またはその算定方法
三. 金銭以外の財産の出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
四. 募集株式と引き換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間
五. 株式を発行するときは増加する資本及び資本準備金に関する事項
…要するに、募集株式の数や金額、
現金以外で払い込む場合の内容と価格、払込するまでの期間、
株式発行で資本金が増えた時に関すること、等々、
株式を募集する前に、株式についてのルールを取り決めるということになります。
「募集株式発行等」3つの割当て方法
「募集株式発行等の割当て」と言われると、
やや難しい言い回しに感じますが、
「資金調達の株式をどんな方法で誰に発行するか」
という意味合いでとらえると分かりやすいと思います。
この株式発行等の割当てには3つの方法があります。
●株主割当て
「株主割当て」とは、
「既存株主全員に対しい保有株式数に応じて割当てを実施する」方法と、
会社法202条で記されています。
既存株主というのは、
これまでも株を持っていた方々、つまりお得意様ですね。
この方法のメリットは、株主間の持ち株比率に変動がなく、
議決権、配当において株主間の公平性が保たれるという面にあります。
株主割当てを実施する場合は、
株主割当てを行う旨と募集株式の引受申し込み期日を定める必要があります。
●第三者割当て
「第三者割当て」とは、
特定の第三者に対して株式を割当てる方法です。
会社法202条では第三者増資とも言います。
第三者割当てを採用すると、株主間での持ち株比率が変わるため、
既存株主会社に対しての発言力に影響を及ぼします。
●公募
「公募」とは、不特定多数の相手へ募集株式を発行する方法です。
会社法202条では公募増資とも言います。
新規発行株式によく見られ、株式を一度証券会社が引き受けた上で、
一般投資家へ勧誘するというものです。
既存株主だよりではなく、株主層を拡大し、
株の流通性に期待できると言われています。
「公開会社」と「非公開会社」での募集事項決定の違い
募集事項決定は、各割当て方法と、
「公開会社」と「非公開会社」で違いがあります。
●「公募」「第三者割当て」の決定方法
会社法200条1項によると、原則として以下のように取り決められます。
「非公開会社」→株主総会特別決議
「公開会社」→取締役会決議
ただし、株主総会の決議によっては、
取締役、もしくは取締役会に委任することが可能です。
●「株主割当て」の決定方法
「株主割当て」の場合「公募」や「第三者割当て」同様、
会社法200条1項により原則は同じですが、会社法202条4項によると、
「申込期日の二週間前までに、募集株式の引受申し込み期日を株主へ通知」
しければなりません。
ただし、公募や第三者割当てと違い、株式の希薄化や、
株主間での不平等の問題が生じないため、特に有利な発行について、
説明も義務も適用されないとされています。
(会社法202条5項により199条3項不適用)
「株式」のイロハはセミナーで!
今回では会社法による「株式」の使い方について触れたわけですが、
会社から見た「株式」の在り方に加え、
金融市場での「株取引」などの世界もちょっと垣間見た気がします。
私のように、企業法務の立場から会社法の目線で、
「株式」に関わる以外にも、
商売として「株式」に関わる人も多いはず。
そんな方には「株式」にまつわるセミナーがお薦めです!
Webや座学で、株式のイロハから覗いてみませんか?
では、またお会いしましょう!いのりんでした♪
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【参照情報】
やさしい会社法
>>>募集株式の発行
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>>>募集株式
占部行政書士事務所 会社法の条文と解説WEB
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