【企業法務の基礎知識32 若葉マークの入門編】 労働組合と労働組合法について④ 労働三権と労働関係調整法労働三権とかかわりが深い「労働関係調整法」のポイントを解説

お疲れ様です!いのりんです♪

大きな駅に設置されている自動販売機は、
かなりハイテクな機能を搭載しているので、
コンビニより高いとおもいつつも、
ついつい利用してしまいます。

その中でもお気に入りが、
「顔認証でその人に合ったおすすめドリンクを表示してくれる自販機」
です♪

顔を近づけると、自販機の真ん中にあるパネルで、
「あなたのオススメはコレです!」
とお薦めドリンクを教えてくれるので、
今日のおすすめは何かなー?とワクワクして近づきます。

で、先日お薦めされたドリンクが「しじみの味噌汁」、
その前におすすめされたのが「麻辣スープ」でした。あれれ?

…えと、あの、私一応、女子なんですケド(汗)

その隣の「香ばしキャラメルのおいしいラテ」と間違えてませんか??

今年のホットシーズンに差し掛かってから、
女子らしいものをお薦めされていません。

なんでだろ?

 

そんな疑問はさておき、
今日も法務のお勉強です!

前回まで「労働組合法」について見て参りましたが、
今回は、労働三法の最後の砦、
「労働関係調整法」についてです。

労働関係調整法には、
どんな役割があるのでしょうか?

ポイントを解説いたします。

>>>労働組合法

 

「労働関係調整法」とは?

労働関係調整法第1条によると、労働関係調整法は、

「労働組合法と相俟って、労働関係の公正な調整を図り、労働争議を予防し、
 又は解決して産業の平和を維持し、もつて、
 経済の興隆に寄与することを目的とした法律」

と記されています。

労働基準法、労働組合法に並ぶ「労働三法」の一つですが、
条文の中でも「労働組合法と相俟って」とあるように、
どちらかというと「労働組合法寄りの法律」と言えます。

労働者には、雇い主と対等に交渉の場に就けるよう
「団結権」「団体交渉権」「団体行動権(争議権)」
から成る「労働三権」が与えられています。

労働三権の最終手段である「団体行動権」は、
出来ることなら労使のどちらも避けたい事態であり、
社会的にも悪影響を及ぼしかねません。

労働関係調整法は、
労働争議へと至る前に労働委員会によって、
調整を図る為の法律となります。

 

労働関係調整法の「労働争議」「争議行為」とは?

労働関係調整法にある「労働争議」と「争議行為」とは、
どのような意味を持つのでしょうか?

以下にまとめました。

●労働争議
「労働争議」とは、

「労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないで、
 そのために争議行為が発生している状態、又は発生するおそれがある状態をいう」

と労働関係調整法第6条に記されています。

この中の「争議行為が発生するおそれ」とは、
「集団的労使関係の当事者間での意見が対立している状態」で、
争議行為が発生するおそれがあるとみなされます。

●争議行為
「争議行為」とは、

「同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、
 その主張を貫徹することを目的として行う行為及びこれに対抗する行為であって、
 業務の正常な運営を阻害するものをいう」

と労働関係調整法第7条に記されています。

同盟罷業とはストライキのこと、怠業はサボタージュのこと、
作業所閉鎖はロックアウトを指します。

これら争議行為をされてしまうと、
「会社の正常な運営」ができない状態となります。

よって、争議行為が発生した場合、
労働関係調整法第9条により、当事者はただちにその旨を、
労働委員会または、都道府県知事に届け出る必要があります。

 

「労働委員会による調整とは?(斡旋/調停/仲裁)

労働委員会による争議調整の基本原則は、
「労使自治」にあります。

どんなに対立しても、自分たちでなんとかしなさい、
ということが前提にあります。

つまり、建前上は、
「労働委員会は解決の強制はしない」姿勢を取っています。

労働関係調整法では、
「労働委員会による調整」が必要かどうかは、
当事者たちの任意とされ、
また、労働委員会から解決案を提示されても、
受け入れるかどうかも任意となります。

労働争議の調整には、以下の方法が挙げられます。

●斡旋(労働関係調整法第10条~16条)
労働委員会の会長が指名する「斡旋員」が、
関係当事者の中間に立って、双方の主張の要点を確認し、
争議行動が解決するように努めます。

関係当事者の双方若しくは、
一方の新生又は職権に基いて行われます。

斡旋員が斡旋案を提示するかどうかは任意であり、
提示しても拘束力はありません。

調整方法の中でも、手続きが簡易なために、
争議調整の大部分は斡旋が採用されるとのことです。

●調停(労働関係調整法第17条~第28条)
「調停」は公労使の三者で構成される「調停委員会」が、
関係当事者から意見を聴取した上で調停案を作成し、
関係当事者に示して受託を勧告します。

関係当事者の双方、もしくは、
一方の申請(一方からの真正の場合は労働協約の定めに基くことが必要)に基いて行われ、
公益事業に関する事件の調停については、
関係当事者の一方の申請または職権に基いて行われます。

斡旋員同様、調停委員も調停案を作成して提示しますが、
拘束力はありません。

●仲裁(労働関係調整法第29条~第35条)
「仲裁」とは、
公益委員で構成された仲裁委員会が、
労働争議の実状を調査した上で裁定を下すことです。

関係当事者の双方、もしくは、
一方の申請(一方からの申請の場合は労働協約の定めに基くことが必要)に基いて行われます。
仲裁裁定は書面にて作成され、
その書面は労働協約と同一の効力を有することとなります。

【特別調整委員について】
労働関係調整法第8条の2第1項によると、

「中央労働委員会及び、都道府県労働委員会に、
 労働争議の調停又は仲裁に参与させるため、
 中央労働委員会にあっては厚生労働大臣が、
 都道府県労働委員会では都道府県知事が、
 それぞれ特別調整委員を置くことができる」

とされています。

また、労働関係調整法第8条の2第3項「三者構成の原則」では、

「特別調整員は、使用者を代表する者、労働者を代表する者、
 及び公益を代表とするものとする」

と定められています。

中央委員会に特別調整委員を置くかどうかは、
厚生労働大臣が中央労働委員会の意見を聴いて定めるもので、
中央労働委員会に置かれる特別調整委員の人数
「使用者を代表する者、労働者を代表する者及び公益を代表する者各5人を超えない範囲内」で、
「厚生労働大臣が中央労働委員会の同意を得て定める」
と施行令第1条2項に記されています。

尚、施行令第1条の4によれば、
中央労働委員会の特別調整委員は、
中央労働委員会の同意を得て、
中央委員会の会議において、
意見を述べることもできます。

 

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労働三法、労働三権に関しては、以上となります。
また次の法務ネタで、お会いしましょう!

いのりんでした♪

 

【参照情報】
ウィキペディア
>>>労働関係調整法

Geekly
>>>「労働法」を徹底解説!その概要・種類・知っておきたポイントまでわかりやすく解説します

コトバンク
>>>労働関係調整法

リラックス法学部
>>>労働関係調整法(労働争議・争議行為)とは?わかりやすく解説