【企業法務の基礎知識30 若葉マークの入門編】 労働組合と労働組合法について② 「労働組合」のための法律「労働組合法」について

お疲れ様です!いのりんです♪

秋も深まり、
モンブランや焼き芋がおいしい季節になりましたね~。

コロナ禍では、焼き芋屋さんは来てくれるのでしょうか?

有能な焼き芋マシンのおかげで、
スーパーでも焼きたての美味しい焼き芋が食べられますが、
軽トラックのおじさんの焼き芋も捨てがたいんですよね~。

 

おっと!
焼き芋談義となってしまう前に法務のお勉強へ参りましょう。

今回も「労働組合法」についてです!

>>>労働組合法

 

「労働基準法」と「労働組合法」の違い

「労働組合法」とは、
「労働基準法」「労働関係調整法」と並ぶ、
労働に関係する重要な法律である「労働三法」の一つです。

「労働基準法」は、
労働者の最低基準を提示することで、労働者の福利を守ります。

しかし、労働基準法では、
あくまでも「最低基準を守る」ことを目的としているため、
労働者の待遇を良くする、賃金を上げる、などのアクションまでは保障しません。

労働基準法の最低水準を上回るためのアクションをするには、
労働者が団結して、上層部へ交渉できる組織力が必要となります。

もともと労働者が団結することは、

「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利はこれを保障する」

と憲法第28条によって定められていたので、
この憲法28条を根拠に「労働組合法」が生まれました。

労働基準法も労働組合法も、
「労働者を守る」ことには変わりませんが、
それぞれ目的が違う、ということが分かります。

 

労働組合法の目的と定義

労働組合法の目的と定義は、
どのように書かれているのでしょうか?

労働組合法の内容をご紹介します。

●労働組合法の目的[第1条]
労働組合法の第1条には、次のような内容が記されています。

・労働者が使用者との交渉において、対等の立場にたつことを促進することにより、
 労働者の地位を向上させること

・労働者の労働条件について交渉するため、自ら代表者を選出すること

・その他の団体行動を行うために、自主的に労働組合を組織し団結することと用語すること、
 及びその手続きを助成すること

労働組合法の目的は、
これらの「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」の
「労働三権」の保障を目的とした法律となります。

●労働組合の定義[第2条/第3条]
労働組合法第2条と第3条では、
「労働組合の定義」と「労働組合員の定義」がそれぞれ記されています。

・労働組合法第2条
労働者が主体となり、自主的に労働条件の維持改善、
その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体

・労働組合法第3条
職業を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活するもの

 

労働組合法のポイントとなる箇所を解説!

労働組合法の中から特に、労働組合員に影響のあるもの、
従業員の待遇などに影響を及ぼすものをピックアップしてまとめました。

●不当労働行為[第7条]
労働組合法では、労働組合が経営陣から、
組織の弱体化や労働者の権利保護に監視をして、
一方的に不利となるような行為をされないように、
「不当労働行為」を定めています。

「不当労働行為」とは、以下のような行為を指します。

・労働組合の組合員であること、労働組合に加入しようとしたことを理由に、労働者を解雇すること
・労働者が労働組合に加入しないことを条件に雇用すること(黄犬契約)
・経営陣が正当な理由なく、労働者の代表者との団体交渉を拒否すること
・労働組合を結成や運用することに支配介入すること、
 または、労働組合運営費の支払いに経理上の援助を与えること

●労働組合の解散[第10条/第13条]
労働組合を解散する場合は、以下のような取決めが必要です。

[第10条]労働組合を解散させる理由について
・規約で書かれた解散事項を起こした場合
・労働組合の構成割合のうち4分の3以上の多数による総会決議で解散を決められた場合

[第13条]労働組合解散時の清算について
・法人となった場合の労働組合が解散した際、
 その解散がまだ清算中である場合は、
 清算が終わるまではその労働組合は存続するとみなす

・その際は基本的に代用者が清算人となるが、
 総会で他の人を清算人と決定した場合はそれでもよい

・清算人がいない場合は裁判所から選任される場合もあり

●労働協約[第14条~16条]
「労働協約」は、労働組合員以外の労働者にも関係する項目です。

労働組合が「団体交渉権」を行使して有益な労働条件を勝ち取った場合、
それを会社と「協約」として締結します。それが「労働協約」です。

労働組合法第14条~16条に記されているは、
労働協約について紹介します。

[第14条]労働協約について
労働組合側と企業側で労働協約を締結する場合は、
労働協約の内容を書面で作成し、
双方が署名、又は記名押印することで効力を発揮します。

[第15条]労働協約の有効期限
労働協約の有効は3年です。

協約が3年を超えるものであった場合は、
有効期限を3年であるとみなして結ばれます。

たとえ書面上で有効期限が3年を超えていても、
有効期限は3年です。

有効期限が記されていない場合は、
当事者が一方に署名、又は記名押印をして、
相手に解約を予告することにより解約が可能となります。

その場合は、90日前に予告をしなければなりません。

[第16条]労働協約の無効について
労働協約は、
労働組合だけでなく「全ての労働者」に適用されるものです。

労働協約に記されている労働条件が、
労働組合員に入っていない労働者に対して待遇が異なる場合、
もしくは、待遇の基準に違反がある場合、
その労働協約は無効となります。

●労働委員会[第19条~27条]
労働組合が企業側と団体交渉をする場合、
なかなか折り合いがつかないことも想定されます。

そんな時に、労働組合と企業側の間に立って紛争の図るための機関として、
「労働委員会」が存在します。

労働委員会には、「各都道府県労働委員会」と、
それを総括する「中央労働委員会」が存在します。

労働委員会の構成は、まず、
企業側である「使用者」を代表する「使用者委員」、
労働者を代表する「労働者委員」
公益を代表する「公益委員」
の3つの勢力が、それぞれ同数で組織されています。

労働委員会の機能は、以下の通りです。

・不当労働行為の行政救済
・労働争議の調整

労働委員会は、
紛争や紛争に至るまでもない問題が生じた場合に、
公正な立場で労使関係の安定を図ります。

労働委員会が必要と認められた場合は、
関係事業場に臨検し、業務の状況や帳簿書類、
その他の物件を検査することができます。

 

セミナーで労働組合法について勉強しよう!

労働組合の活動をするにも、
労働組合と交渉しなくてはならないときも、
労働組合法を知っていることはとても重要です。

セミナーを受講して労働組合法を熟知し、
いざというときに備えましょう!

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次回は「労働三権」にフォーカスします!
引き続き、よろしくお願いします。

いのりんでした♪

 

【参照情報】
早稲田労務経営
>>>労働組合法について

Hupro Magazine
>>>労働組合法とは?5つのステップでわかりやすく解説します!

転職Hacks
>>>わかりやすく簡単に紹介 労働組合とは?