<職場と家庭の両立を促進する「2022年度両立支援助成金」の変更点【3】> 働く女性に注目される「不妊治療両立支援コース」とは?
2022年4月に施行される「2022年度両立支援等助成金」の中で、目玉のひとつとされているコースが「不妊治療両立支援コース」です。これまで保険外だった不妊治療が保険適用となり、不妊治療のための休暇制度や両立支援制度を用意する中小企業には、助成金が支給されるというシステムです。不妊治療両立支援コースが、働く女性から支持されるその背景や、コースの内容、導入のために企業がやるべきことなどをまとめました
不妊治療に「両立支援」が必要な背景
現在の日本において、不妊治療の検査や治療を受けたことがある夫婦は5.5組に1組と増加傾向にあります。厚生労働省が2017年に男女2060人に対して調査した結果、不妊治療をしたことがあるとの回答は265人で、そのうちの42人が「不妊治療と仕事の両立ができずに退職した」と回答しています。両立ができない理由としては以下の理由が挙げられます。
・通院回数の多さ
・精神面への負担
・通院と仕事の日程調整ができない
・職場の人に知られたくない
・会社が不妊治療について理解がない
このような背景を踏まえ、厚生労働省では、2022年度の両立支援等助成金の中に「不妊治療両立支援コース」を設けたのです。
「不妊治療両立支援コース」の内容とは?
では、不妊治療両立支援コースはどのような内容なのでしょうか。下記にまとめました。
【目的】
不妊治療と仕事の両立に資する職場環境に取組み、不妊治療のために利用可能な休暇制度や、両立支援制度を用意し、労働者に利用させた中所企業事業主を支援すること
【対象となる事業主】
不妊治療両立支援コースの対象となる事業主は、次のいずれか、または複数の制度を導入し、労働者に利用させた「中小企業主」が助成金の支給対象となります。労働者は性別や雇用形態を問わず、不妊治療を受ける場合に、不妊治療両立支援コースの対象となります。
<対象となる取組み>
・不妊治療のための休暇制度(多目的・特定目的も可)
・所定外労働制限制度
・時間差出勤制度
・短時間勤務制度
・フレックスタイム制
・テレワーク
<助成額>
受取れる助成金は以下の通りです
ステップ①環境整備・休暇の取得等
最初の労働者が休暇制度・両立支援制度を合計5(日)回利用した場合に28.5万円(生産性要件を満たした場合は36万円)を受け取ることができます。
ステップ②長期休暇の加算
上記28.5万円を受給し、さらに労働者が不妊治療休暇を20以上連続して取得した場合、さらに28.5万円(生産性要件を満たした場合は36万円)を受給できます
<助成金の申請手順>
両立支援等助成金不妊治療両立支援コースの助成金を受け取る場合は、まず制度をっ創り、労働者が制度を利用してから受け取る、という手順となります。
手順①企業トップによる方針の周知
手順②社内ニーズ調査の実施
手順③就業規則等への規定
手順④修行規則等の周知
手順⑤両立支援担当者の選任
手順⑥不妊治両立支援プランの策定
労働者が仕事と不妊治療を両立させるためのポイント
不妊治療両立支援コースで職場環境を整え、労働者が仕事と不妊治療が両立できるようになる事が目的ですが、仕事と不妊治療をスムーズに両立させるためには、どのような取組みが有効なのっでしょうか。労働者が仕事と不妊治療を両立させるためのポイントをまとめました。
●企業側の理解
まずは何よりも企業側が「不妊治療」の実態を把握しておかなければなりません。不妊治療の現状を知り、なぜ企業の協力が必要なのか、を経営陣が理解し、企業の方針を全従業員で共有することで、合理的な配慮をしやすくなり、より良い職場環境を醸成することが可能となります。
●就業規則変更前に社内ニーズの確認
ニーズに合っていない休暇制度や支援制度を導入しても、利用する労働者がいなければ意味がありません。不妊治療と仕事の両立に関して労働者求めている制度や支援策についてアンケート調査などを行い、情報収集をして、ニーズに応えましょう。
不妊治療両立支援コースを知るならセミナーで
不妊治療を受ける人は、様々な複雑な思いを抱え、仕事と天秤にかけながら、身を削って治療をしています。不妊治療両立支援コースは、日本の少子化を防ぐためにも非常に重要な支援です。理解のある企業となれば、ポジティブなイメージが広がるばかりでなく、求人にも良い影響を及ぼすでしょう。まずは、WEBセミナーで両立支援等助成金や不妊治療両立支援コースを学んでみませんか?下記セミナーサイトなら、両立支援等助成金にまつわるセミナーをご用意しています。下記URLからどうぞ。
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【参照情報】
ツギノジダイ
>>>不妊治療休暇、導入した事業主に厚労省の助成金 仕事との両立支援
厚生労働省
>>>不妊治療と仕事の両立を支援する助成金のご案内
筒井社労士事務所
>>>不妊治療と仕事との両立支援