<いよいよ解禁!「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定に企業はどう対応するか?【2】> 「副業・兼業」の解禁による企業側と労働者側のメリットとデメリット

2020年9月、厚生労働省により「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定され、労働者の「副業・兼業」が解禁となりました。国から「副業・兼業」が認められているとはいえ、企業の方では、労働者が副業をすることに対して、どのようなメリットやデメリットがあるか分かりません。それは労働者側としても同じことで、副業に手を出すことに対するメリット、デメリットを知っておく必要があります。副業・兼業の解禁によって、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?企業側と労働者側、それぞれの立場から見てみましょう。

 

「副業・兼業をする理由」「副業・兼業解禁への懸念」それぞれの事情

労働者に「副業・兼業をする理由」があるように、企業側にも「副業・兼業解禁への懸念」があります。

●労働者が「副業・兼業をする理由」
労働者が副業・兼業をする理由としては、自分の抱いていた夢を副業で叶えるためのものや、自身のスキルアップ、収入アップなどが挙げられていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大による、コロナ禍不況やリモートワークにより、空いた通勤時間や、アフター5で使っていた時間を、副業によって有効活用するという意識を持つ人も増えてきました。また「収入アップ」の面では、カットされた残業代の補填や、不況によって本業で減った仕事を、副業で補うなど切実な事情を持つ人も多いようです。

●企業には「副業・兼業解禁への懸念」がある
他方、企業側には「副業・兼業」を解禁することへの懸念があります。例えば、労働者が企業間を行き来することでの「情報漏洩リスク」に対する懸念、労働者が自社の業務をおろそかにしてしまう懸念、働きすぎによる労働者の健康リスクに対する懸念、労働者の副業が、競業や利益相反になることへの懸念などです。国を挙げて「解禁」となると、企業としても副業・兼業に制限をかけることはできず、これらの懸念を一つ一つ払拭していく必要があります。

 

副業・兼業のメリット

では「副業・兼業」に対するメリットには、どのようなものが挙げられるでしょうか?労働者側、企業側でそれぞれまとめました。

[労働者側のメリット]
副業・兼業による労働者のメリットは、以下の通りです。

・本業を離職しなくても副業で自分がやりたかったことができる
・副業でスキルアップが狙える
・本業では活かせない資格を副業で活用できる
・本業とプラスしての新たな収入源の確保

[企業側のメリット]
副業・兼業による企業側のメリットは、以下のようになります。

・優秀な人材の流出を防止することができ、外から優秀な人材を獲得しやすくなる
・企業内では得られない知識やスキルを労働者が外で獲得してくることができる
・労働者の自律性や自主性を促すことができる
・労働者が社外で新たな人脈を気づき事業機会の拡大が期待できる
・副業・兼業を認める企業としてイメージが上昇する

このように、副業・兼業のメリットは、労働者と企業、双方にとって「これまでのビジネス」では得られない効果を秘めている可能性が見受けられます。

 

副業・兼業のデメリット

副業・兼業による労働者側と企業側のデメリットも見てみましょう。

[労働者側のデメリット]
副業・兼業による労働者のデメリットは、以下の通りです。

・本業と副業の両立によってワークバランスが取れなくなり、心身に支障を来す事態となる
・副業がメインとなってしまい、本業中も副業に関する業務をしてしまう
・ワークバランスの乱れが本業や副業の他の労働者に影響し、周囲にストレスを与えてしまう。

[企業側のデメリット]
副業・兼業による企業側のデメリットは、以下のようになります。

・十分な休息がとれずに本業の業務に支障を来す
・労働時間管理の負担が増える
・副業先へ転職されてしまう可能性がある
・情報漏洩のリスクがある

副業・兼業のデメリットは「働きすぎ」や「副業へのめりこみすぎ」などのある意味オーバーワークが原因となっています。デメリットを減らすためには、適切な労働時間管理や健康管理が必要となります。

 

副業・兼業が禁止になるケース

国が推進しているとはいえ、何でもかんでも解禁となる場合ではありません。例外的に副業の禁止や制限が認められるケースもあり、以下の4点にまとめられます。

(1)労務を提供する上で支障がある場合
(2)業務上の秘密漏えいがある場合
(3)競業によって自社の利益が害される場合
(4)自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

副業・兼業を解禁し、社内の就業規則などを整える場合は、これらの内容も踏まえて検討する必要があります。

 

セミナーを受講して副業・兼業の知見を増やそう

副業・兼業の導入は、企業にとってメリットにもデメリットにもなります。デメリットを減らし、メリットを増やすためにも、セミナーを受講して、副業・兼業に対する知見を得ておくことがポイントです。下記のURLより副業・兼業に関するセミナーを探すことができます!

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【参考サイト】
HRメディア サプラボ
>>>副業・兼業に関する企業側・労働者側のメリット・留意点とは?裁判例も簡単解説|副業・兼業の促進に関するガイドライン

VERYBEST
>>>副業を解禁する場合に検討すべき点や会社側のメリット・デメリットとは?

JTB Benefit
>>>副業皆勤でも企業にとってのメリット・デメリットは?導入の注意点も解説