<会社を悩ます「問題社員・モンスター社員」にはどう対処する?【1】> 問題社員・モンスター社員の種類と特徴まとめ 接し方のポイントなどを紹介
企業活動は多くの社員によって成り立つものですが、一部の社員の問題行動により、企業活動が脅かされることもあります。企業の人事部や労務管理担当では、そんな問題行動を起こしてしまう「問題社員・モンスター社員」に頭を悩まされることも多く、対処を誤り訴訟問題となるケースや、会社へ金銭的な損害をもたらすケースも少なくありません。問題社員・モンスター社員にはどのような種類が存在するのでしょうか? 手遅れとなる前に、問題社員・モンスター社員の種類や接し方のポイントなどをご紹介します。
問題社員・モンスター社員とはどのような社員を指すのか
問題社員・モンスター社員とは、どのような社員を指すのでしょうか?問題社員・モンスター社員の定義や生まれてしまう背景などをまとめました。
●問題社員・モンスター社員とは?
「問題社員・モンスター社員」とは、「仕事に対する姿勢や、職場に関わる人への言動や態度が極端に常軌を逸している社員」を指します。平気で遅刻や無断欠勤を繰り返す、他人を激しく非難する、顧客や上司にも食って掛かる、あり得ない主張を繰り返すなど、周囲の人間に迷惑をかけるなどの「問題行動」を起す社員が該当します。問題社員・モンスター社員による問題行動は、スムーズな業務を妨げるばかりか、辞めた後に会社を訴えるなどの行動に出ることもあるため、慎重な対応を要します。
●問題社員・モンスター社員が生まれる背景
「問題社員」という言葉自体は昔から存在していますし、実際に「困った社員」というのはどの職場にもいました。しかし、核家族化や少子高齢化、人付き合いの稀薄化などの社会的影響による社会的なコミュニケーション不足の影響により2000年代以降に「人の話を聞かない人間」「自分の行動が正しいと思い込む人間」「過剰なまでに自己防衛をする人間」が増加し、社会活動の常識が通用しない「モンスター化」した人が増えたのではないか、言われています。事実、大手リサーチ会社が調査したところ、全体の約4割が「自分の会社にモンスター社員がいる」と回答しているとの報告もあり「問題社員・モンスター社員」の多さを物語っています。
問題社員・モンスター社員を見分けるには?
問題社員・モンスター社員は増加していますが、中には、問題社員・モンスター社員と誤解を受けている人、もしくは、周囲からの無理解や上司からの一方的なレッテルにより問題社員・モンスター社員と思われている事もあり、見極めをするには周囲の状況や本人の特性なども含めて判断する必要があります。
●問題社員・モンスター社員と誤解されているケース
例えば、仕事に取り組む姿勢があるのに、能力不足のため処理が遅れがちとなり、結果として周囲に迷惑をかけてしまっているケースがあります。この場合、経験不足やスキル不足に原因があるため、同僚のヘルプによるフォローや、教育指導などを行う事により「問題行動」と思われる部分は解消されます。また、残業が多い、効率が悪いなどの部署内の問題を上司に進言した場合に、上司より「協調性がない」などのレッテルを貼られ「問題社員」として扱われてしまうこともあります。この場合は会社のシステムや上司に問題があるため、進言した本人が問題行動を起こしたわけではありません。
●問題社員・モンスター社員と判断できるケース
仕事の遅れを他人のせいにする、月に何度も遅刻する、または無断欠勤する、仕事に意欲がなく注意しても改善されない、など「仕事への取り組み方に問題がある」と認められる場合、そして教育指導をしても全く改善がみられない、または悪化する、などと言った場合は、問題社員・モンスター社員として判断ができます。問題社員・モンスター社員一人のおかげで、仕事がうまく回らず、会社に損失をあたえるような状況になる場合は、会社としても何らかの手を打たなくてはなりません。
問題社員・モンスター社員を6タイプに分類
問題社員・モンスター社員には、どのようなタイプが存在するのでしょうか?6つのタイプに分類しました。
(1)パワハラ型
自分の意見を押し通してしまう自己中心的な人物に多い傾向です。立場の弱い人間を執拗に攻撃します。パワハラ型の人間が一人いると、職場の空気が悪くなり士気が下がる恐れもあります。また、パワハラのターゲットとなった人の心身に深刻なダメージを与えることもあり、離職の原因を作ることにもなります。部署内である程度責任のある立場の人間や、成績優秀なタイプの人間、キャリアのある古参社員によくみられるタイプです。
(2)自信過剰型
自分が周囲の人間より優れていると思い込む人物に見られる傾向です。自分の主張は正しいと押し通し、意見が通らないと感情のままに人を攻撃します。周囲を顧みない頑固な性格の人間であることが多く、自分以外の人間が重宝されると、上司や会社に対して攻撃的になるケースもあります。
(3)不安定型
感情の上下幅が激しく極端に不安定である、自分の感情をコントロールできずに泣いたり落ち込んだりしてしまうタイプです。調子のいい時と悪い時の差が激しく、安定した結果を出せないことが多く、いざという時に仕事を任せることができず周囲からの信頼を失ってしまうこともあります。
(4)家族介入型
職場で問題を起こした本人に代わり、家族が介入してきて会社に圧力をかけるケースもあります。本人の問題を家族が無理やり解決しようとする場合や、一方的に心配して、会社の規則や配置などにクレームを入れる家族も存在します。
(5)反抗型
立場に関係なく、脊髄反射的に何にでも反対するタイプの人は、上司の言うことはもちろん、就業規則にまで反抗します。また、自分の気に入らないことをやらなければならないときに、逆切れを起こすこともあり、あいさつや食事マナーなど基本的な社会ルールに疎いケースもあります。
(6)被害妄想型
上手くいかないことは何でも自分のせいにしてしまう自己肯定感が低いタイプは、被害妄想型に陥りやすくなります。思い込みが激しいため、周囲から勝手に疎外感を感じ、その事実もないのに「いじめられている」「パワハラを受けている」などを主張して周囲を巻き込む傾向があります。
この6つのタイプの中でも多いとされるのが、(1)パワハラ型(2)自信過剰型(3)不安定型と言われています。
問題社員・モンスター社員の接し方
問題社員・モンスター社員の対処法は、その接し方が重要となってきます。どのように接したら良いのでしょうか。
●冷静な対応を心がける
まずは、問題社員・モンスター社員が問題行動を起こしていても大事にはせず、冷静な対応を心がけることがポイントです。相手の感情が高ぶっていることもあるため、頭から押さえつけるような指導は相手をますますヒートアップさせます。どのような対処が適切か、問題行動に至るまでのプロセスから把握する必要があります。
●本人が納得するまで話を聞いてみる
問題社員・モンスター社員の多くは「承認要求」が満たされていない人や、今の自分の立場に不満をもっている人が多く含まれます。自分の胸の内を聞いてもらえるだけでも、心が穏やかになれることもあるので、問題社員・モンスター社員として扱われる社員に目線を合わせて、じっくりと話しを聞くこともポイントです。その場合、途中で否定したりせず、最後まですべて話してもらいましょう。
●活躍できそうな場所へ配置転換をする
問題社員・モンスター社員への聞き取り調査で、今の仕事と適正が合致していないと判断できれば、本人の活躍できそうな場所へ配置転換をするなどの対策もあります。ある程度役割を持たせて仕事をさせることにより、自己肯定感が強くなり、自信がついてメンタルが安定するケースもあります。パワハラ型の場合は、被害者と引き離すための対策として、配置転換で対処することもお薦めです。
●就業規則を見直す
度重なる遅刻や、無断欠勤をくりかえす問題社員・モンスター社員への対処として、「就業規則の見直し」も挙げられます。遅刻や無断欠勤に関するペナルティを強化し、罰則を与えやすくすることも選択肢の一つです。
問題社員・モンスター社員の対処法につてはセミナーを参考に!
問題社員・モンスター社員の出現は、会社にとって非常に頭の痛い案件でもあります。間違った一手を指してしまう前に、問題社員に関するセミナーや、労務問題に関するセミナーを受講し、十分な対策を講じましょう。下記URLより、セミナーを探すことができます!
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【参照情報】
RELO総務人事タイムズ
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