＜経費精算DXで電子化ペーパーレス化のその先へ【1】＞　経費精算DX化の現状とその打開策について

2022年1月に改正された電子帳簿保存法に伴い、企業の経理部門は電子化やペーパーレス化が推進しやすくなりました。とはいえ、電子化は業務の一部であったり、承認フローがアナログであったりと、経費精算DX化までには至っていないという現状があります。経費精算は大企業・中小企業問わず、企業にとって必須の業務でありますが、それゆえに多くの人が関わるためDX化するためには、いくつものハードルを超える必要があります。導入がうまくいけば生産性向上の期待が高まる経費精算DXはどのように進めたら良いのしょうか？まずは経費精算DXの現状や、経費精算DXが上手く進まない際の打開策などについてまとめました。

経費精算DXとは？

「経費精算DX」とは、その名の通り経理部門作業のデジタル化することです。2022年1月に改正された電子帳簿保存法によって領収書が電子化しいやすくなり、経費処理をデータ上でやりとりできるようになりました。ペーパーレス化や電子化が推進されることにより、経費精算業務は効率的に回るようになり、会社全体の生産性が向上すると期待されています。

経費精算DXを推進するためには、財務や会計部門をシステム化する必要があり、市場にはあらゆるクラウドサービスが登場しています。中小企業庁の調査によると経費精算に財務・会計システムを導入した中小企業の中で「期待した効果が得られている」「ある程度効果が得られている」と回答している企業が7割を超えているとのことで、DX導入の効果が表れやすいという特徴があります。

経費精算DX化の現状

導入により効果を得られやすい経費精算DXではありますが、効果を得られている企業の陰で、経費精算の財務・会計システムを導入するまでに至っていない企業の方が断然多いことが。経費精算DXの現状です。領収書が電子化できる令和の世になっても、多くの企業がExcelを使い紙ベースの経費精算を行っている現状があります。また、時代の流れにのって経費精算システムを導入しても、承認フローや、申請方法などに手作業が残り、システムを使いこなせないケースなどもあります。

経費精算DXが遅れるとどうなるか？

経費精算のDX化がなかなか進まないと、下記のような弊害が現れる恐れがあります。

・システムの老朽化による作業の属人化
・システムの老朽化によるセキュリティの低下
・作業効率が改善されず人手不足が続く

このように時間が経てば経つほど古くから使っているシステムが老朽化し、ブラックボックスしてしまうことが大きな懸念となっています。また、従業員の手作業による経理処理から脱却できなくなるため、経理処理に大きなリソースを割くことになり、新たな価値創造や市場への進出が大幅に遅れる可能性も否めません。

経費精算DXを進めるための打開策

経費精算DXを進めるためには、まずは自社の経費精算レベルを把握して洗い出し、できることから段階的に進める必要があります。

●ペーパーレス化の実現
ペーパーレス化を実現するためには、以下の2点がポイントとなります。

・帳票類のデジタル化
・印鑑のデジタル化

デジタル化だけでなくついでにワークフロー全体もデジタル化に合わせて見直しができればより効果的です。また、印鑑に関しては、不要だと思う押印作業を廃止するという手法もあります。

●システムを導入して「デジタル化」を目指す
前項のペーパーレス化だけで満足してしまうとDX化はそこでストップしてしまいます。ペーパーレス化が進んだら「デジタル化」をしないと経費精算のDX化にはなりません。必要なのは次の2点です。

・経費精算システムの導入
・経費処理上のデータ連携

経費精算システムの利点は、財務・会計処理が楽になるだけでなく、販売管理や製造管理などとデータを連携することで、経営状況が可視化され、分析や提案など高度な業務が可能となります。経営陣も数値をすぐに確認し、現状把握がしやすくなります。このように、経費精算DXが進むことで、企業のDX化はさらに推進しやすくなり、生産性向上や業務改善など、DX化の恩恵を受けることができるでしょう。