<経費精算DXで電子化ペーパーレス化のその先へ【2】> 経費精算DX導入の課題点と経費精算DXを進めるためのポイント

テレワークが整備され、書類や帳簿の電子化やペーパーレス化が進んでも、肝心の経費会計業務がいまだにアナログで、DX化にまで至っていないという企業は少なくありません。また、せっかく経費精算システムを導入しても、うまく効果が表れず、紙ベースの会計処理から脱却できないというケースも多々あります。経費精算DXを推進するためにクリアしなければならない課題点とは何でしょうか?経費精算DXの失敗例なども含めて、経費精算DXを進めるためのポイントなどを解説して参ります。

 

「進まない」経費精算DXのメリットと課題点とは?

経費精算をDX化するにあたり、経費精算DXのメリットと課題点を解説いたします。

●経費精算DXのメリット

経費精算DXのメリットは、なんといっても「業務の効率化」が挙げられます。作業の自動化による入力の省力化はもちろん、これまで紙ベースで管理・保存していた書類や帳簿がデータ化され、保管後に調べ物をする際の検索性も向上します。入力の省力化は、作業時間の削減にもつながり、繁忙期に残業などを強いられていた従業員の労働環境の改善にもつながります。また、これらのメリットは従業員だけでなく、残業代の抑制という効果で経営陣もその恩恵を受けることが可能となります。

●経費精算DXの課題点

他方で、経費精算DXにはクリアしなければいけない課題点もあります。例えば、経費精算DXの新しいシステムを導入する場合、ルール設定やフローの周知を徹底させなければいけませんが、初めから全社で進めていないと徹底周知できずに対応に時間がかかってしまうケースがあります。また、仮に新しいシステムを稼働させることができても、一時的に業務効率が低下してしまうことは避けられません。特に経費精算DXの場合は、既存のシステムから大きく変更になる可能性が高いため、長期的な移行期間を設けて、研修などで経費精算DXについて学ばせるなど対応することがおすすめです。

 

経費精算DX化の失敗例は?

経費精算DXが失敗してしまう例として多く挙げられる「期待した効果がでなかった」「紙ベースからの切り替えができない」事例について詳しく見て参りましょう。

●期待した効果が出なかった

これまでマンパワーで銀行書類の作成、振込作業、経費精算業務などに追われていた経費会計業務を経費精算システムの導入で一気に解決したいと期待したが、数か月経過しても作業効率は変わらず、多少便利になった程度で目に見えた効果は得られなかった、という事例はとても多く見受けられます。結局慣れた方法での作業に逆行し、経費精算DXまで至らなかったというケースです。

このようなケースは「従業員がシステムを使いこなせてない」ということが原因と言われています。システムを使いこなせれば解決する問題ではありますが、忙しい時期に新しいことをインプットするには時間のロスとなり作業の遅延が懸念されます。もちろん、従業員の中にはシステムを使える人もいますが、全社一丸となって「変化」に対応していかなければ、経費精算DX化への道は険しいものとなります。

●紙ベースから切り替えができない

経費精算DXが上手くいかないケースの中には、そもそも紙ベースからの切り替えがうまくできずに失敗する、というケースもあります。国が推奨するペーパーレス化ですが、まだまだ「紙派」の人は多く、頑としてペーパーレス化に応じない人が社内にいると、経費精算システムと従来のアナログ処理を並行して行わなければなりません。その場合却って処理が煩雑化してしまうため、業務効率が改善されるどころか、悪化するという悪循環に至ることもあります。経費精算DXを導入する場合、例外は作らず、業務フロー全般を大きく改善するという覚悟が必要です。

 

経費精算のDX化を進めるためのポイント

では、失敗しいないように経費精算DXを進めるにはどうしたらよいでしょうか?以下にポイントをまとめました。

(1)社内への周知を徹底する

先述した失敗例にもある通り、経費精算システムを導入する場合は、社内で経費精算DXについての周知を徹底し、経費精算システムを浸透させることがポイントです。すでにある既存のフローを置き換える際も、たとえ簡単な作業のものであっても周知の手を抜かず、従来の方法と比べてどれくらい作業効率が良くなるか、なぜここを変える必要性があるのかを根気よく説明することで、既存のシステムから新システムへの切り替えが上手く運びます。

(2)自社に合った導入方法を選ぶ

経費精算のシステムを導入する場合は「一気に導入するか」「徐々に導入するか」も悩みどころです。一気に導入する場合は、これまでの作業も一気に切り替える必要があります。1人1台端末を持ち、多くの従業員にリテラシーが求められます。経費精算システムの使い方だけでなく、必要な理由などの説明もしなければならないため長い目での研修を要します。

他方、徐々に切り替える場合は、紙ベースの伝票と併用期間を設ける方法をとります。この方法は、紙伝票慣れしている人向けの方法となりますが、紙伝票をなかなか切り離せず失敗例のようなケースとなってしまう懸念があります。それを防ぐためには、電子化までの期間を区切って運用することがポイントとなります。一気に導入する場合でも徐々に導入する場合でも、自社にあった導入方法を選びましょう。

(3)振り返りをして改善点を探す

システムが定着したら、さらに改善を加えるために振り返り期間を設け、ボトルネックを発見することがより良い業務改善のカギとなります。例えば、経費精算システムを導入したのに承認フローが停滞している場合、ワークフローに問題があることが多々あります。また、電子化したはずなのに入力ミスなどが発見される場合は、手作業が残っている証拠となります。経費精算システムを導入してすぐに結果を求めるのではなく、長期的な目標を立ててシステム稼働させながら、弱点を洗い出して改善してくことがポイントとなります。

 

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【参照情報】
SAP Concur
>>>経理にもDX化が必要!DX化を行うメリットと実現する方法とは

J’sNAVI NEO
>>>経費精算DXとは?成熟度を4段階で解説

docomo business
>>>経費精算の課題とDXによる解決方法|競争力を保つために業務効率化

ManageOZO3
>>>後悔しないために!経費精算の領収書を電子化する方法