<予測困難な「VUCAの時代」をどう生きるか?【2】> VUCA時代に必要な3つのスキルとこれからの人材育成

「予測困難な時代」と呼ばれるVUCA時代。予測が困難なのは、日本国内だけでなく、世界中のあらゆる人があらゆるシーンで「これまでにない経験」を強いられています。このVUCA時代を生き抜くためには、問題や課題に対して、臨機応変に対応できる思考力が必要となります。VUCA時代において、企業はどのように立ち回れば良いのでしょううか?VUCA時代に起こりうる3つの予測困難な事態、そしてVUCA時代を生き抜くための3つのスキル、これからの人材育成などについて見て参りましょう。

 

VUCA時代に起こる「予測困難な事態」とは

VUCAはもともと米軍の軍事用語であり、「これまでの」冷戦後の国同士の戦争の方法から「これからの」テロ組織との戦争への転換を余儀なくされた際に生み出された概念と言われています。2010年ごろからビジネス界でもVUCAの概念が使われるようになってきましたが、以後10年以上、世界情勢はますます複雑化し、政治や金融への不安や、市場のグローバル化など「これまでのやり方」では通用しない世界となってきています。そして新型コロナウイルスの世界的パンデミックが決定打となり「これまでのやり方」が通用し続けてきた日本社会でも、いよいよVUCA時代を無視できない状況となってきました。VUCA時代に起こりうる予測困難な3つの事態をご紹介しましょう。

●これまでの「常識」が通用しなくなる
VUCA時代では、これまで「当たり前」に通用してきた常識が通用しなくなる可能性が多々あります。ビジネスモデルはもちろん、些細な日常生活の習慣でさえも、ある日突然、複雑に絡み合った要因が引き起こす理不尽で非常識な事象に見舞われるかもしれません。例えば、社会に出てからの常識だった「年功序列型の終身雇用制度」は崩壊し、足で稼ぐ営業も、もはや過去のものとなっています。また「印鑑」の廃止も、ある意味「常識」が覆された事象に該当します。そんなシーンに遭遇した場合、企業は、これまでの「当たり前」であった慣習や過去の成功体験に捉われず、理不尽で非常識な事象を受け入れ、人材や技術といった経営リソースの最適化を図るなどして対処を講じる必要があるのです。

●新しいサービスが生まれやすくなる
VUCAの要素には、Uncertainty(不確実性)が含まれていますが、不確実性がもたらすのはネガティヴなものばかりではありません。「予測できない」ことは、今までにない画期的で新しいビジネスモデルや新たな市場を創出するチャンスでもあります。例えば、コロナ禍で一気に知名度を高めたデリバリーの「Uber」は、もともとはタクシー業界から参入した企業でした。一般の人が運転手になり、一般の人が顧客として利用するビジネスモデルで成功しました。また、デリバリー部門でも、これまでにない「登録アルバイトが自前の交通手段で配達して手数料を得ると言った新しいビジネスモデルで、日本の出前業界を一変させました。Uberが日本の出前業界に変革を起こしたのは「コロナ禍での巣ごもり需要」が大きく影響しています。コロナ禍の緊急事態宣言は飲食業をピンチに追い込みましたが、Uberのシェア拡大に続けと、大手飲食店チェーンから個人店舗まで、デリバリーでの顧客獲得に乗り出しました。このように、時代の流れをいち早く察知し、参入することができれば、逆境を覆す大きなチャンスへつながります。

●予測困難な事態は常に起こりうる
VUCA時代において「予測困難な事態」とは常に隣り合わせです。パンデミック、国家間紛争、金融危機など、一つ一つの事象は直接関わりがないように思えますが、工場や物流のストップ、原材料や燃料費の高騰などが、ドミノ倒しのように押し寄せ、気づけば、日常生活に大きな影響をもたらしています。日本に限らず、世界中が予測困難な事態に陥っている中、過去の経験をから将来のプランを立てることは非常に困難です。ただし、テクノロジーの進化により、AIなどであらゆる道筋を予測することは可能となります。予測困難な事態に備え、DX化の整備などで対策を講じることも重要な手段のひとつです。

 

VUCA時代の人材に必要な3つのスキルとは

VUCA時代の人材に必要な3つのスキルについてまとめました。

●多様性を受け入れられるスキル
「こうあるのが当然」と常識に囚われるのではなく、多様な価値観やトレンドを受入れ、プラスアルファに変える力もつスキルです。この能力を持つ人材は、非常識なことを、肯定的に捉え、臨機応変に採用し、ビジネスチャンスを創出する可能性を秘めています。

●客観的分析ができるスキル
インターネットの発達により、ともすれば情報過多に陥りがちですが、情報に流されず、自らの情報収集で、物事の本質を見極める客観的分析スキルも重要なスキルです。変化しているように見えて、本質は変わってないもの、変動性があるようで実は法則を持っているもの、情報を冷静に分析するスキルを持つことができれば、情報の動きを予測することもできるので、企業にとって非常に戦力となります。

●常に学びを求めるスキル
上記2点の多様性を受け入れるスキルも、客観的に分析ができるスキルも、常に学びを求める向上心がなければ成立しません。自分自身のアップデートができるかどうか、生涯学ぶ意欲のある人材こそが、VUCA時代を生き抜くための人材にふさわしいと言えましょう。

 

VUCA時代での人材育成は?

VUCA時代での人材育成に必要なのは「ダイバーシティ」と「インクルージョン」など「多様性」がカギとなります。目まぐるしく変化する状況において、従来の「同質性の高いコミュニティ」よりも「多様な人材が集うコミュニティ」を目指すことが良しとされており、それぞれ異なる能力を、いざという時に発揮できるような、育成プランを設計・提示することが、企業に求めれられます。例えば、教育機関を卒業した後も、就労と教育のサイクルを繰り返して生涯にわたり学び続ける「リカレント教育」の推進や、一人ひとりが問題を主体的に捉えて解決していく能力が求められる「課題発見力」の向上などです。これらの教育を、新人のみにするのではなく、従業員全員が自身の知識のスキルやアップデートすることにより、VUCA時代に強い人材を確保することが可能となり、VUCA時代に欠かせないOODAループサイクルを上手く回せるようになるでしょう。

 

セミナーでVUCA時代に備えよう!

まだまだ世間にとって「VUCA」は新しい言葉です。VUCA時代という言葉そのものが、これまでの常識にないものなので、受け入れるには時間がかかることもあるかもしれません。VUCAをもっと知りたい、予測困難な時代を乗り越えたいという方にはセミナーがお薦めです。セミナーなら、より詳しくVUCAを知ることができます。下記URLよりお探し下し下さい。

■会場型セミナーで受講したい方は『ビジネスクラス・セミナー』
>>>最新のビジネスセミナーを探す
※サイトにアクセスしたら、「VUCA」などでフリーワード検索してください。

■WEBセミナーで受講したい方は『Deliveru(デリバル)』
>>>Webセミナーで最新セミナーを探す
※サイトにアクセスしたら、「VUCA」などでフリーワード検索してください。

 

【参照情報】
Teach me Biz
>>>VUCA(ブーカ)とは? 予測困難な時代に必要なフレームワークやスキル

GLOBIS CAREER NOTE
>>>VUCA(ブーカ)とは?予測不可能な時代に必須な3つのスキル

RECRUIT AGENT
>>>VUCA(ブーカ)とは?予測困難な時代に必要な4つのスキルと、リーダーの資質

C・D LABO
>>>「VUCA時代に必要な人材像と組織づくりのポイントとは」