<物流業界の課題を解決する「スマートロジスティクス」【1】> スマートロジスティクスとは? 課題解決になぜ最新技術が必要なのか
必要な「モノ」が当たり前に手に取れる。「モノ」はあらゆる場所から運ばれ、人々の手元に届けられます。そんな当たり前の日常生活を陰で支える物流業界に、スマート化の波が押し寄せてきています。その名も「スマートロジスティクス」。慢性的な人手不足や、長時間重労働など、物流業界の課題を解決すると数年前から期待されている「スマートロジスティクス」は、テクノロジーの発展や、コロナ禍による物流の変化とともに、より身近に、そしてより革新的となってきています。ここでは「スマートロジスティクス」についての解説と、スマートロジスティクスで使用される最新技術についてご説明しましょう。
スマートロジスティクスとは?
スマートロジスティクスについての概要をまとめました。
●「物流」と「ロジスティクス」の違い
「物流」とは、生産者から消費者の手元に商品が届くまでのモノの流れ(輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報処理)を指す言葉です。一方で「ロジスティクス」も物流業界で使われる言葉ですが、こちらは「調達・生産・販売・回収までのプロセスを一元管理すること」を指す言葉です。どちらも同じような意味合いとして捉えられがちですが、物流の場合は「商品の流通」にフォーカスした言葉であり、ロジスティクスは「生産と流通を連携させて運用する」意味持つため、似ているようで違う言葉となります。
●スマートロジスティクスとは?
スマートロジスティクスは、IoTやAIなどの最新技術を使って物流の最適化、効率化を図ることを指します。「スマートロジスティクス」という言葉そのものは数年前から存在していましたが、物流業界の課題を解決する救世主として注目され始めたのは、まだ最近の話です。注目されはじめた理由として、いち早くスマートロジスティクスを導入した大手企業が成功事例を納め始めたこと、そして、AI技術の発達や、管理システムの高度化によって、多くの企業がスマートロジスティクスを導入しやすくなったという点が考えられます。
なぜスマートロジスティクスは必要とされているのか?
ではなぜ今、スマートロジスティクスが注目されているのでしょうか?物流業界の現状と、スマートロジスティクスが必要とされる背景についてまとめました。
●物流業界の現状
スマートロジスティクスが注目されている背景として、物流業界の現状があります。物流業界は長年慢性的な人手不足が続いていましたが、それに反して、物流の重要は年々増加います。特に物販系のEC市場は、ネット通販がより身近に一般的になってきたことで、市場が拡大中です。また、これまでは主流だったBtoC-EC市場が、メルカリなど台頭でCtoC取引が活性化し、CtoC-EC市場がBtoC-EC市場を上回る傾向が出てきています。2021年7月の経済産業省が発表した「令和2年度産業経済研究委託事業」によると2020年のBtoC-EC市場は19兆2779億円で、前年比の0.43%減だったのに対し、CtoC-EC市場は、12兆2333億円で前年比の21.71%増という結果となっています。新型コロナウイルスによって変わった「新しい生活様式」での暮らしの中で、物流業界はこれまでのBtoC-EC市場に加え、増加し続けるCtoC市場の需要にも応えていかなければなりません。
●スマートロジスティクスが必要とされる背景
物流業界な長年、人手不足という課題を抱えてきました。この課題は配送業務全般に言えることで、ピッキング作業する人材も、ドライバーもなり手がおらず、一人当たりの労働量が増加して、長時間労働、重労働が常態化しています。このイメージが一般的となっているため、若者の間で「物流の仕事」は敬遠されてしまい、慢性的な人手不足となっているのが現状です。そんな中でのCtoC市場は、少額で小口の配送が多く、ピッキング作業も配送作業もさらに増えるため、人手不足の物流業界に追い打ちをかけることになっています。スマートロジスティクスでは、AIで倉庫内の最適化・自動化を図り、効率のいい配送ルートを確立することで、高速なピッキングでの作業効率の向上や、配送時間の短縮が図れるため、人手不足の物流業界にとって必要とされているのです。
スマートロジスティクスで活躍するAIとIoT
スマートロジスティクスにはAI技術が必要不可欠で、あらゆる物流の作業にAIとIoTが活躍します。その事例をご紹介します。
●倉庫内作業
従来、注文伝票を見ながら商品をピックアップするピッキングの作業は、ベテラン従業員のノウハウの蓄積によるものでしたが、決して作業効率のいいものとは言えませんでした。AIの特性であるディープラーニングを有効活用することで、作業をデータ化が可能となります。そのデータを元にしたIoTの活用で、以下のような事例が生まれました。
1.次世代バーコード
バーコードをスキャンして荷物を管理する手法は存在していましたが、次世代のバーコードは、1回のスキャンで数十枚のバーコードを管理することが可能です。一枚一枚スキャンする手間が省けて作業の時間短縮に繋がります。
2.ハンディターミナル・タブレット
量販店の発注作業でも見かける、ハンディターミナルとタブレットは、倉庫内作業でも大活躍です。ピッキング作業の際、サイズやカラー違いなどのピッキングミスが防止できます。また、タブレットと管理システムを同期させることで、ピッキング状況をオンタイムで共有でき、AIでの作業最適化で業務効率の改善も図れるため、物流業界で問題となっている長時間労働がクリアできます。
・ピッキングロボット
すでに大手流通企業で導入しているピッキングロボットは、文字通り商品を自動でピックアップするロボットの事です。最新のピッキングロボットは、AI技術の搭載で、荷物を立体的にとらえることが可能で、多様なサイズの商品をピックアップできるようになっています。ピッキングロボットのメリットは、人為的ミスの削減と、作業の手戻りの防止、高速ピッキングによる作業効率の向上が挙げられます。
・配送ルートの最適化
AI技術は、荷物の配送業務にも大いに役立ちます。AIで最適化された配送ルートは、長年、ベテラン従業員のノウハウ頼りだったルート選定を、経験の浅い従業員でもできるようになります。単に地図上の最短ルートを示すのではなく、その日の天候、渋滞状況、道路規制状況などを考慮した配送ルートを都度選定できるため、時間の節約だけでなく、燃料代の節約も可能です。
この他にも、自動運転車での配送、ドローンを使った配送など、最新テクノロジーを使ったスマートロジスティクスが期待されています。
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