<グループ企業の業務を集約!注目の「シェアードサービス」でコーポ―レート業務を効率化【2】> シェアードサービスを導入する方法と課題点・成功のポイントについて
Precision Agriculture and Agritech concept. Precision agriculture network icons on rice field.

グループ企業のコーポレート業務を一ヵ所に集約して標準化するシェアードサービスは、グループ内それぞれの企業で処理していた、人事や経理など、専門性の低い業務を集約することで、グループ企業全体のコスト削減や、業務の効率化を可能にするとして、注目を集めています。また、書類を一括してデータ化できるメリットなどもあり、ペーパーレス化の推進との相性も良いとされています。シェアードサービスの導入はどのように進めて言ったら良いのでしょうか。シェアードサービスを導入する目的やその方法、シェアードサービス導入に関しての課題点などについて見て参りましょう。

 

シェアードサービス2つの導入方法とそれぞれのメリット

シェアードサービスの導入する時は、「子会社化」する方法と「本社の一部門化」する方法があります。それぞれ下記にて解説いたします。

(1)子会社化とは?
シェアードサービスの子会社化とは、シェアードサービスを本社から切り離し、シェアードサービスセンター(SSC)として子会社化し、グループのコーポレート業務を一括管理する方法です。シェアードサービスを導入する約7割の企業が子会社化を採用しています。

●子会社化のメリット
子会社化のメリットは、シェアードサービスを請負う子会社の給与体系を、本社と異なる基準での設定が可能となるため、人件費を抑えることができます。それ以外にも、独立した一つの企業として、財務諸表管理ができるで、子会社としての業績が数字で明確化され、本社としても管理士やすくなります。また、シェアードサービスをグループ以外の企業へ提供できるようになれば、新たな利益確保の可能性も芽生えるので、メリットは充分に考えられます。

(2)本社の一部門としての運用とは?
子会社とは別に、シェアードサービスを、本社の一部門として位置付けて運用する方法もあります。この方法は、シェアードサービスを導入する企業の中でも約3割お少数派です。

●本社の一部門として運用するメリット
シェアードサービスを本社の一部門としいて運用するメリットは、「シェアードサービスへの移行がスムーズになる」という点です。大きな組織編成の必要がないため、導入時に従業員の混乱を避けることができます。他方で、従来の組織のまま業務を執り行うので、慣習などがそのままになる、業務改革の妨げになる、人件費が抑えられないなどのデメリットが多いのもこの運用方法の特徴の一つです。

 

シェアードサービス導入が必要なケース

シェアードサービスを導入する際は、本当に必要なのかどうかを検討する必要があります。例を挙げると、以下のような状況下の場合は、シェアードサービスを導入することで問題が解決する可能性があります。

(1)オペレーションにコストが掛かっている
グループ会社内で業務の標準化がされていない、単価の高い社員が定型的な実務を担当しているなどのような、オペレーションにコストが掛かっているようなケース。

(2)十分な人材が確保できていない
経理の専門性を持った人材が継続的に確保できず、業務品質と継続性の維持に不安があるケース。

(3)グループ会社の規制対応が一元化していない
グループ会社のIFRS対応や、税制改正などの規制対応を個別対応しており、対応漏れの不安や効率性に疑問があるケース。

(4)新会社設立時のオペレーションを安定させたい
グループ内に新会社を設立した場合、オペレーションの設計を各社で構築するため、安定までに時間がかかるため、早期に安定させたいようなケース。

 

シェアードサービス導入における3つの課題点

業務を効率化することに関しては魅力的なシェアードサービスではありますが、いざ導入するとなると、以下のような課題が立ちはだかる場合もあります。

(1)異動に対してネガティブに捉えられる
シェアードサービスセンターへの異動を「レベルの低い仕事」とネガティブに捉えられ、仕事への意欲が下がってしまう。

(2)人事などの一括管理が仇になるケース
人事労務を子会社で一括すると、それ以外の会社に労務管理をする人材が不在となり、不要な調整手当が支給される、昇格推薦などが放置されるなどの問題が発生する。

(3)歴史ある企業の場合一元化が難しい
グループ会社内での歴史や、業務の手順などが異なる場合は、共通化・一元化が難しい。

これらの問題を解決するには、シェアードサービスを構築する際に「標準化」を成功させることがポイントとみられています。

 

シェアードサービス成功のための4つの標準化

シェアードサービスを成功に導くと言われる「標準化」とは、グループ会社内の業務を集中的に処理ができるように整えて整理することです。標準化には「サービスの標準化」「プロセスの標準化」「システムの標準化」「リソースの標準化」の4つが挙げられます。それぞれについてまとめました。

(1)サービスの標準化
サービスの標準化は、グループ会社より請負う業務メニューを標準化することです。どの企業にもニーズのある業務を受託することが可能となるため、外部企業からの受託で、企業に新たな価値創造をもたらすことになります。

(2)プロセスの標準化
プロセスの標準化は、受託した業務を誰でも出来る仕様にすることです。「誰でも出来る業務」とすることで、安価なリソースの活用や、RPA等へ移行することもできます。

(3)システムの標準化
業務を標準化するためには、システムの標準化も必要です。企業規模に合わせて、システムを2層、3層でシステムを活用すると、より効率的となります。

(4)リソースの標準化
シェアードサービスセンターを設立するならば、リソースの標準化も必須です。業務ごとに最適なリソースを定義しながら、シェアードサービスの拡大、そしてより高い効果を得られるように、最適化を進め、シェアードサービスに適した組織体制へと移管していきます。

 

セミナーを受講してシェアードサービスを成功させよう!

シェアードサービスは、簡単に進めることができない取組みです。いざ導入に踏み切った時、従業員に混乱をもたらさずに進めるためには、セミナーで知識を得ることが重要です。下記のセミナーサイトでは、シェアードサービスを取り扱ったセミナーをご用意しています。一度お試しください。

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【参照情報】
カオナビ
>>>【3分でわかる】シェアードサービスとは?対象の業務、運用方法、メリットデメリット

PWC
>>>シェアードサービスセンター(SSC)構想策定・立ち上げ支援