<世界が変わる!世界を変える!いま注目の「グレート・リセット」とは?【2】> 「グレート・リセット」を実現するために何が必要か?

2021年ダボス会議の議題となっていた「グレート・リセット」は、withコロナの世界にとって非常に重要なキーワードとなります。コロナ禍では世界各国が抱える様々な問題が浮き彫りとなりましたが、これまで通用してきた古いシステムでは対応しきれなくなっています。これらの問題を解決するためにも「当たり前だった旧システム」を白紙に戻し、全く新しいシステムをイチから作り直そう、という考えが「グレート・リセット」です。ダボス会議がきっかけで世界中から注目を集めている「グレート・リセット」を実現するには、どのような取組みが必要なのでしょうか?グレート・リセットと深いかかわりのある「ステークホルダー資本主義」や、グレート・リセットを実現するための3つの取り組みなどについて解説いたしいます。

 

「グレート・リセット」と「ステークホルダー資本主義」

グレート・リセットを語る上で欠かせない言葉が「ステークホルダー資本主義」です。「グレート・リセット」と「ステークホルダー資本主義」の関係性について見てみましょう。

●ステークホルダー資本主義とは?
「ステークホルダー資本主義」は、2020年1月ダボス会議の主題として取り上げられたものです。「企業に影響するすべてのステークホルダー(利害関係者)との関係を重視し、企業活動を通してこれらステークホルダーへの貢献を目指す長期的な企業経営の在り方」を指します。これまで「株主の利益を第一」としていた「株主資本主義」とは異なる考えとなり、ステークホルダー資本主義においては、従業員、取引先、顧客、地域社会など「あらゆるステークホルダーの利益に配慮する」といった考えのもと、環境破壊の防止や、地域社会への投資、従業員の公正な賃金の支払い、労働格差の是正が求められます。

●グレート・リセットとステークホルダー資本主義の関係性
グレート・リセットもステークホルダー資本主義も、世界経済フォーラム(WEF)がダボス会議で取り上げた議題です。WEFは「ステークホルダー資本主義を実現するためには、グレート・リセットで旧システムを一旦リセットする必要がある」と説いており、グレート・リセットとステークホルダー資本主義をワンセットで考えている節があります。ことにコロナ禍において一変してしまった世界を立て直すためには、社会全体で苦難に立ち向かおう、という考えが徐々に広がっており、コロナ前では、非現実的と言われていたグレート・リセットが、withコロナの世界をステークホルダー資本主義に塗り替えていくための手段として現実味を帯びてきています。

 

グレート・リセット実現のために必要な3つの取り組み

グレート・リセットを実現するためには、「公平性のある市場の実現」「新たな投資プログラムの活用「第四次産業革命のイノベーションを活用した社会的課題への取り組み」の3つが必要とされています。

(1)政府による公平性のある市場の実現
グレート・リセットを実現するためには、まず「市場」を変えなければなりません。政府が主導して、ステークホルダー経済のための条件を整備することで、公平性のある市場を実現することが可能となります。WEFも公式サイトで「政府はより公正な結果を促進するために、長らく遅れていた改革を実施すべき」と明記しています。この「改革」の内容は国によって違いがありますが、例えば、富裕税の変更や化石燃料補助金の廃止、知的財産権、貿易、競争を管理するためのルール整備などが含まれます。

(2)新たな投資プログラムの活用
停滞する経済活動を活性化させるには、システムを根本的に改革するための投資プログラムを作り、活用することが有効とされています。WEFではすでに、EUの復興基金、アメリカ、中国、日本が用意した景気対策基金等の基金、民間企業や年金基金からの投資を使って、公平で持続可能な新たなシステムづくりに活用する動きを見せています。これらの資金は、旧システムのゆがみを一時的に修復するためではくESG投資につながる取組みに充てることで、長期的な効果を目指すことが有効とされています。

(3)第四次産業革命のイノベーションを活用した社会的課題への取り組み
第四次産業革命とは、別名「21世紀のデジタル革命」とも言われている産業革命の新たなフェーズを指します。IT技術やAIを使い、異業種交流、官民協業などで生まれたイノベーションを最大に活用しながら、公共の利益に取り組みます。これはすでにコロナ禍において効果を発揮しており、新型コロナウイルスの感染拡大に対して、企業や大学、その他の研究機関など異なるセクター同士が協力し合い、オンライン診療や新たな診断方法の確立、検査センターの設立やワクチンの開発など、感染症を追跡する仕組みを構築してきました。このようなイノベーションを他の産業でも起こすことができれば、グレート・リセットはより近いものとなってくるでしょう。

 

日本の古来よりある「三方良し」がグレート・リセットのキーマン?

実は、グレート・リセット実現にあたり、日本の「商いの世界」にある古いしきたり「三方良し」が注目を集めています。三方良しとは、江戸時代の商人が守ってきた商売繁盛の秘訣で、売り手の利益や買い手の満足、社会への貢献を重視した考えのことです。その市場を長期にわたって持続可能とするためには、地域への社会貢献は何よりも大切でした。WEFの議長で、自身も「グレート・リセット」の著者であるクラウス・シュワブ氏は、グレート・リセットとステークホルダー資本主義に、日本の「三方良し」の考えが非常に重要であると高い関心を寄せており、今後の日本の動向に期待が寄せられていると考えられています。

 

withコロナ時代のグレート・リセットを生き抜くには?

コロナ禍で転換を余儀なくされた日本社会は、コロナ前の状況までもどりそうにありません。企業としてwithコロナの新しい世界を生き残るためには、グレート・リセットをはじめ、それらを取り巻く世界情勢に対して機敏に対応していく必要があります。そのためにも、セミナーでグレート・リセットやESG投資などを学び、新しい社会へ備えましょう。下記セミナーサイトには、最先端のビジネストレンドにピッタリのセミナーをたくご用意しています。他にも、探してみてください。

■会場型セミナーで受講したい方は『ビジネスクラス・セミナー』
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【参照情報】
IDEAS FOR GOOD
>>>ステークホルダー資本主義とは・意味

>>>グレートリセットとは・意味

ELEMINIST
>>>2021年ダボス会議のテーマ「グレートリセット」とは アフターコロナで変わりゆく世界の仕組み

LIMO LIFE&MONEY
>>>グレート・リセットが来る!?あなたの家族と資産を”崩壊”から守る3つの方法

ETHICAL CHOICE
>>>2021年ダボス会議が中止に。テーマの「グレート・リセット」とは?

>>>グレート・リセットとは?ダボス会議で語られるアフターコロナの世界とは