<リスキリングで生まれる新たな価値創造【1】> 「リスキリング」とは何か?アップスキリングとの違いや概要について

「デジタル化が進むとAIに仕事を奪われる」

日本社会にIoTという言葉が出始めた頃、オフィスのあちこちでそんな噂を耳にしたことはないでしょうか?そうはいっても、ハンコ文化、会議文化が浸透しきっている日本企業で働いていると、デジタル化なんて夢のまた夢。遠い未来の話のような感覚でいた人も多いはずです。

しかし、コロナ禍によるテレワークの拡大で、多くの日本企業がデジタル化を余儀なくされ、日本のオフィスからハンコも会議も激減してしまうなど、誰が想像したでしょうか。いよいよもって「AIに仕事を奪われる」が現実味を帯びてきそうですが、実はそうではありません。デジタル化を推進するためには「新たなスキル」や「新たな職業」必要となってくるのです。日本企業のデジタル化で注目され始めてきている「リスキリング」とは、仕事の大幅な変化に適応するために、必要なスキルを習得することを指します。これからの社会に不可欠となってくる「リスキング」について、まとめてみました。

 

「リスキリング」とは何か?

「リスキリング」とは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得すること・させること」を指します。もともとは、職業能力の再開発や再教育という意味合いで使われてきた言葉でしたが、世界規模で拡大するデジタル化と同時に生まれる新しい職業や、仕様が大幅に変わった職業に就くために、新たな知識やスキルを習得することを指すようになりました。事実、アメリカのAmazonやWalMart、AT&Tでは、早くからリスニングの重要さに気づき、世界に先駆けてリスキリングに力を入れています。

リスキングが日本でもその効果が注目されており、政府でもその取組みについて動きが出ています。厚生労働省の有識者会議が2020年10月6日に取りまとめた報告書によると、日本社会全体が、DX化へと舵取りしていることを視野に入れ、第4次産業革命に対応した、モノづくり分野の職業訓練プログラムの開発と実施、企業が人材育成に取り組む際の支援、主体的なキャリア形成を目指す個人への支援など、すべての働く人たちへITリテラシーを付与する政策を推進する必要があると提言しています。それに加え、コロナ禍でDX化が加速し、デジタル人材不足浮彫りになった企業では、海外事例に倣ってリスキリングを導入し始めているところも増えています。

 

「リスキリング」と「アップスキリング」との違い

リスキリングと同じフィールドで語られる言葉が「アップスキリング」です。リスキリングは「現職とは異なる職種に転換するために、スキルを塗り替える」ことですが、アップスキリングは「現職でのステップアップでスキルを高めること」を指します。両者の違いは、スペルを見るとその違いが分かります。

・リスキリング=RE-Skilling
・アップスキリング=UP-Skilling

例えば、製造ラインの労働者がデジタルエンジニアになるのがリスキリングで、経理担当者が経理マネージャーへとステップアップすることがアップスキリングというと、さらに分かりやすいと思います。ただし職種によってはまだ境界があいまいとなっているものもあります。アップスキリングは今の仕事と同じ道を進むことになるので「その道を極める」ことには向いていますが、デジタライゼーションにより職が失われる危機に際した場合、新たな仕事へのチャレンジするリスキリングの方が新たな新たな価値創造を生み出す可能性を秘めています。

 

リスキリング導入でOJTはどうなる

日本はこれまで「日本型雇用」と言われたジョブローテーションとOJTで年単位の時間をかけながら、「会社のため」に必要スキルを獲得してきました。リスキリング導入によってOJTはどう変わるのでしょうか?

●日本型雇用向きのOJT
「OJT(On the Job Training)」は、既存の部署にある従来の実務をこなしながらスキルを獲得する日本型雇用向きの教育方法であり、今なお多くの日本企業がOJTを実施しておりテレワークやDX化が無ければ、なんの問題もありませんでした。

●OJTはリスキリングに向かない
しかし、DX化を推進する際に必要な「デジタル人材」は、これまで会社の中に存在しなかった新たな職種かつ即戦力が求められる人材であり、先人の蓄積された知識や経験を学んで実務に活かすOJT研修は「新しい職場で新しスキルを学ぶ」場合には通用しない履修方法となってしまいます。DX化を実行するには、基本スキルや経営戦略の構築などをセミナーなどの外部から履修するなどの工夫が必要となってきます。ただし、OJTが完全になくなるわけではありません。現場で仕事をしながら覚えるスキルも当然存在するので、デジタル化が上手くいった場合、後続の人間の為にもOTJ研修をうまく融合させていくこもポイントです。

 

リスキリングを可能とするためにもDXをセミナーで学ぼう!!

リスキリングは海外では浸透していますが、日本ではまだ知られてきたばかりの言葉です。リスキリングを知る前に、まずはDXや第4次産業革命などをセミナーで学び、知見を増やしましょう。まずは下記URLよりDXのセミナーを検索し、受講してみてください。

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【参照情報】
STUDY HACKER
>>>いま全社会人が学び直す劇「3つの超基本スキル」。8500万人分の職が消える時代をどう生き残る

MRI三菱総合研究所
>>>求職支援者に産業転換の視点を

Recruit Works Institute
>>>第2回リスキリングとは何か

>>>第6回日本企業はリスキリングにどう向き合うべきか