【企業法務の基礎知識43 いのりんの法務コラム】 令和3年税制改正では何が変わる?法人課税編② 納税環境整備・中小企業の支援など

お疲れ様です!いのりんです♪

チームのコミュニケーションを円滑にすべく設けられているレクリエーションの一環で、
「ラーメンプレゼン大会」が開催されました。

もちろんzoom越しでの開催でしたが、
企画を提案したラーメンマニアの「至高で究極の鶏塩ラーメン」を抑え、
私が推す「鍋から食べる夜中のサッポロ一番塩らーめん」が優勝しました。

お昼は全員、サッポロ一番塩らーめんにするそうです。
私はあえてそこを出前一丁にします!

さあ、ラーメン談義はこの辺にして、
法務のお勉強に参りましょう!

 

今回も令和3年税制改正の内容について、紐解いて参ります。

前回は「産業競争力強化に係る措置」に関係する税制改正をお伝えしましたが、
今回は「納税環境整備・中小企業の支援など」に関係する税制改正についてまとめました。

紹介する内容は以下の3つです。

①すべての法人に影響のある納税環境整備について
②中小企業における所得拡大促進税制の見直し・延長
③中小企業事業再編投資損失準備金制度の創設

 

①すべての法人に影響ある納税環境整備について

この納税環境整備では、書類関係の電子化に伴い、
従来行われてきていたアナログな手続きが見直されており、
以下の2つの項目で整備が実施されます。

(1)押印義務の廃止
テレワークの拡大と共に、SNSから「ハンコ廃止」の声が上がりましたが、
きちんと「押印廃止」と法整備された形となります。

[制度の内容]
納税に関する税務手続の負担軽減のため、
税務署長等に提出する国税関係書類のうち、
「実印を用いる押印」や「印鑑証明書の添付を求めるもの」を除いた書類は、
押印義務が廃止されます。

[書類別押印の要否]
●原則不要
確定申告書・給与所得者の扶養控除申告書等の国税関係書類全般

●例外として必要
・担保提供関係書類
・物納関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
(例:不動産抵当権設定登記承諾書など)
・相続及び贈与税の特例における添付書類のうち、財産の分割の協議に関する書類
(例:小規模宅地等の特例適用のための遺産分割協議書など)

[適用時期]
押印廃止は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類から適用されます。
押印の取扱いが見直しとなる税務関係書類については、国税庁のHPに記載されています。

 (2)クラウド等を利用した支払調書等の提出方法の整備
[制度の内容]
これまで紙面で処理していた法定調書が、
クラウド等を利用した電子データでも提出できるようになる制度です。

この制度を利用する場合は、以下のような手順となります。

①法定調書の提出義務者は、あらかじめ税務署長に対して、
 国税庁感の認定を受けたクラウドを利用し「法定調書の提出を行う旨の届出」をする

②法定調書をデータ保存する

③税務署で法定調書のデータの閲覧と記録を行う

【国税庁認定クラウドの基準について】
国税庁に認定されるクラウドについては、認定基準が設けられています。
・クラウドに記録したデータの変更の管理を行うこと
・クラウドへのアクセス制御を行うこと
・国税庁が求める期間データの保存を行うこと 等

[適用時期]
クラウド等を利用した支払調書等の提出方法の整備については、
令和4年1月1日以降に提出する支払い調書について適用される予定です。

 

②中小企業における所得拡大促進税制の見直し・延長

「中小企業における所得拡大促進税制の見直し・延長」では、
賃上げだけでなく、雇用を増加させる企業を陰から支えるという意味合いを込め、
適用判定や控除多少の基礎となる給与等支給額の範囲の見直しや、
簡素化を実施して、適用期限を2年延長するものです。

[制度の内容]
給与等支給総額(企業全体の給与)が前年度日で1.5%以上だった場合は、
給与等支給総増加額15%の税額控除が措置されます。

上乗せ条件として、
給与等支給総額(企業全体の給与)が前年度比2.5%以上であり、
次のいずれかを満たすことが必要です。

①教育訓練費が対前年度比10%以上増加
②中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画

これらの認定を受けた上で、
経営力向上が確実になされていることが条件となります。

[適用時期]
中小企業における所得拡大促進税制の見直し・延長の適用時期は、
令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間にスタートする、
各事業年度から適用されます。

 

③中小企業事業再編投資損失準備金制度の創設

[制度の内容]
「中小企業事業再編投資損失準備金制度の創設」では、
中小企業がM&A後に発生しうる簿外債務等による
株式等の価格低落による損失に備えるための制度です。

その内容は、取得した株式等の取得価額の70%以下の金額を、
「中小企業事業再編投資損失準備金」として積み立てたものを、
損金算入できるというものです。

「中小企業事業再編投資損失準備金」は、5年間の措置期間経過後、
原則5年間で均等額を取り崩して益金算入されます。

[適用時期]
中小企業事業再編投資損失準備金制度は、
中小企業等経営強化法の改正法の施行日から
令和6年3月31日までの間に経営力向上計画の認定を受け、
その認定に従って取得する株式等について適用される予定です。

 

令和3年の税制改正に強くなるにはセミナーを受講しよう

今回の税制改正では、電子データに関係することや、
中小企業支援を目的とした項目が多くなってきています。

アフターコロナの時代に適用できるよう、
必要な項目にはすぐに対処し、実務に活かす必要があります。

Webセミナーなら、繰り返しの受講が可能で、
復習もしやすいため、忙しい人にもお薦めです。

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今回もお付き合いありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします!

いのりんでした♪

 

【参照情報】
財務省
>>>令和3年度税制改正の大綱概要

OBC360°
>>>2021年(令和3年度)税制改正大綱 法人に関するポイント