<DXは「AI導入」がカギ?DX推進とAI導入の関係性いついて【3】> 「中小企業向けAI導入ガイドブック」から読み解くAI導入のヒント

経済産業省が声を大にしてDX推進を勧めても、遅々としてDX化が進まないのは「どう進めていいかわからない」企業が多いことも原因の一つとなっています。DXの進め方が分からない、AIの導入の仕方が分からない、という声は、中小企業に多いのですが、やがて訪れる人手不足や、技術継承等が指摘される「2025年の崖」は、まさにその中小企業が抱える課題でもあります。そこで経済産業省では、中小企業向けに「中小企業の経営者・担当者のためのAI導入ガイドブック」を2022年4月に公開しました。ここでは「中小企業向けAI導入ガイドブック」からAI導入のヒントや、導入のステップ、AIを導入するための順番などについて解説します。

 

「中小企業向けAI導入ガイドブック」とは?

DXを推進する経済産業省は、2022年4月に中小企業向けに「中小企業の経営者・担当者のためのAI導入ガイドブック」を公開しました。このガイドブックでは「AI導入を目指しているが、何から準備して始めたらいいかわからない」「AIを導入するにあたり、どのようなステップで意思決定すればよいのかイメージがわかない」と言った悩みを抱える中小企業の経営者や担当者に向けて「AIとは何か」という初歩的な内容から、導入の手順について、チェックリストやワークシートを埋めながら具体的に学ぶことができる構成になっています。AI導入ガイドブックは全部で7種類用意されており、AI初心者でも段階的に取り組みやすいように配慮されています。

【AI構想段階】
1.AI導入ガイドブック(これからAI導入にチャレンジする企業向け)

【AI導入段階】
2.AI導入ガイドブック需要予測(製造)
造業における売上や天気等のデータを活用した分析等

3.AI導入ガイドブック 予知保全
製造業における機械の故障予兆を振動・音響センサーデーター等を活用しいた検知等

4.AI導入ガイドブック図面自動見積もり
製造業の図面見積もりにおける図面データ、原価データを用いた効率化等

5.AI導入ガイドブック 需要予測(小売り・卸業)
小売業・卸業における売上や天気等のデータを活用した分析等

6.AI導入ガイドブック 外観検査(部品・良品のみ)

7.AI導入ガイドブック 外観検査(部品・不良品あり)
製造業の検品工程における画像認識の技術を用いた効率化等

 

AI導入3つのステップ

「中小企業向けAIガイドブック」7種類のうち、”【AI構想段階】1.AI導入ガイドブック(これからAI導入にチャレンジする企業向け)”の中に記載されている、AI導入3つのステップについて解説します。

【ステップ1】自社の経営目標・業務課題の把握
まずは、経営目標を明確化し、業務プロセスの見える化、現場への聞き取りなどで、課題の洗い出しを実施します。その後、各業務のプロセスがシステム化されているのか自社にはどのようなデータがあるのかを把握します。自社の課題を、経営者と現場の目線で見て、業務プロセスの全体像と課題の整理することで、次の道が開けてきます。

【ステップ2】AIによる活用の可能性を考える
ステップ2ではステップ1で抽出した課題に対して、AIによる活の可能性を考えます。例えば、すでにAIを導入している企業などを参考事例とし、自社で実現可能な活用法があるかを、社内の担当者、経営者などでディスカッションしていきます。

【ステップ3】実際に取り組む内容を決める
ステップ2で検討した事項を「すぐに取り掛かれるもの」「成功した際のメリット」という2つの軸で評価し、実際に取り組んでいく具体案を決めてゆきます。

「AI導入ガイドブック(これからAI導入にチャレンジする企業向け)」では、ステップ1~ステップ3までのステップごとに、内容を検討するためのワークシートが用意されています。ステップ3で用いる解決案の「実現難易度」と「得られる効果」を評価する採点表も含まれているので、実施すべき取組領域が可視化されます。ここで高得点となったものから取り組むことで、無理なくAI導入を実施することが可能となります。

 

AI導入はどのような順番で行うべきか?

ステップ1~ステップ3の方法で、AI導入において取り組むべき課題を抽出した後は、実際に運用していくまでの全体像を描きます。「AI導入ガイドブック(これからAI導入にチャレンジする企業向け)」では、全体像を描くまでの過程を「構想」「設計」「検証」「実装・運用」の4つのステージに区分しています。

【構想】
構想ステージでは、AIの基本について学びます。ガイドブックを活用しながら「AIで何ができるのか」を理解し、自社での取組領域を検討します。

【設計】
設計ステージでは、自社の業務プロセスにおいて、自社のどこにAIを導入するのかを検討します。それに加え、実際に導入までにどのような体制を整え、どのくらいの期間と費用をかけて導入をスタートするかも合わせて議論します。

【検証】
検証ステージでは、設計ステージで構築したAIモデルを実務で適用できるかを確認します。

【実装・運用】
実装・運用ステージでは、自社の既存のシステムへの組み込み方や運用方法を検討していきます。この実装・運用の段階で初めて自社のビジネスにAIが活用できることになります。

 

AI導入を良く知るにはセミナーで

AI導入はいきなり導入するものではなく、社内で議論を重ね、段階的に導入するものであることが分かりました。経営者を含め、社員の中でもDXやAIに対して抵抗がある方、もしくは、自社には関係ないと思っている方も多いのではないでしょうか。DX化の波に乗り遅れることのないよう、セミナーで知識をつけましょう。下記サイトでは、DXやAIに関したセミナーを各種取り揃えております。ぜひお探しください。

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【参照情報】
NTT東日本
>>>デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?分かりやすく解説します

>>>製造業の課題をAI、ネットワークで解決(第2回)AI未導入の企業が知っておきたいノウハウ

AI NOW
>>>DXとAIの関係性について解説!AIでDXを推進するには!?

slesforc blog
>>>デジタルトランスフォーメーション(DX)とAIの関係性を解説