<DXは「AI導入」がカギ?DX推進とAI導入の関係性について【2】> DXのAI導入が進まない理由とAIを導入しやすい業種について

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に欠かせない「AI」は、非常に便利な「道具」であり、日常生活にも当たり前にAIが活用されてきています。AIが身近な存在になってきているのも、近年の技術革新が目覚ましいからに他ならないのですが、AIが身近になってきていても、企業のDX推進事業でのAI導入は、思うように進んでいないという現状があります。他方で、AI導入と相性のいい業種も存在しています。ここではAI導入が進まない理由と、AI導入をしやすい業種などをご紹介します。

 

手軽になったDXのAI導入

DXという言葉が出始めた頃のAIと比べて飛躍的な進化を遂げ、より手軽に、そしてより安価に利用できるツールとなっています。AIが安価で手軽になった理由として、主に3つの技術的な進化が挙げられます。

・機械学習やディープラーニング技術の発展
まずは「機械学習やディープラーニング技術の発展」が挙げられます。ディープラーニングにより、AIの学習はより効果的に行えるようになり、より質の高い認識精度が期待できます。また、ディープラーニングのソフトウエアライブラリも充実しており、無料のサービスや高性能なものが手軽に利用できるようなっています、

・AI処理に必要なインフラの進化
ディープラーニングの進化の影には、AI処理に必要なインフラの進化があります。ディープラーニングを行うためには、膨大な演算が必要となるため高性能なサーバーが必須です。これまでは、演算に膨大な時間がかかっていましたが、機械学習処理に欠かせないGPUの性能向上をはじめ、AI処理を取り扱うクラウドサービスの登場などにより自社でサーバーを用意する手間がなくなりました。このように、現在では、手軽にそして安価にAIを導入しやすくなる環境が整ってきています。

・ビックデータが揃いだした
ビックデータという言葉が出始めた頃は、ピンと来ない方も多かったと思われますが、コロナ禍であらゆるビジネス活動のデジタル化が加速し、ビックデータも続々集まってきています。ビジネスだけでなく、日常生活でもネット通販をはじめ、電子決済、クーポン、銀行や保険の手続などを、スマホひとつで済ませることができるようになりこれらのデータがAIの学習を加速させ、新たなサービス開発の後押しとなっていることは事実です。

 

DXのAI導入率は3%という現状

AIの飛躍的な進化により、DX推進事業においてAI導入がしやすい環境は整っているはずなのですが、現実は少し厳しいようです。経済産業省が2021年に発表した「AI導入ガイドブック」によると、AIをすでに導入している企業は、調査対象となった360万社のうち、わずか3%という結果が出ています。「AIを導入する予定はない」企業は、次のような意見がありました。

・現在のAI技術は目的達成が困難と思う
・費用対効果がピンと来ない
・導入初期費用が捻出できない
・月々の維持費用が捻出できない
・AIシステム導入よりも優先したいIT技術がある
・AI導入後に運用できる設備がない

経済産業省によると「AI導入ガイドブック」には、AIを活用する中小企業が増えるように、同業他社の成功事例やノウハウを同書の中にまとめていますが、実際にはアクセスが少なく「AI導入」に対して、経営者の理解や社内リソース不足していることが数字となって表れているものと読み解いています。「AI」に対して、まだまだハードルの高いものという先入観は、なかなか取り払われないようです。

 

AI導入がしやすい業種は製造業

AI導入に二の足を踏んでいる企業が多い中、逆にAIが導入しやすい業種は「製造業」です。

●製造業においてAIができること
製造業では以下の業務にAIが活用されています。
・画像認識による製品の「不良個所検出」
・機械や施設のセンサーによる機械の交換タイミングや機器故障の「前兆予測」
・社内外データから需要を予測し在庫やシフト、材料の仕入れを最適化する「需要予測」

●AIと製造業の相性がいい理由
AIは基本的に、データを学習し、それを基に計算結果を返す技術です。同じ作業を繰り返す製造業とは相性が良く、検査・予測などの業務はお手の物となります。他方、学習データが不足している事柄の判断や、推論や因果関係の理解、倫理観に基づいた判断などは難しく、新たなビジネスを自ら創出するなどには不向きです。このように「AIに何かをさせる」場合には「AIは何ができるか」をあらかじめ理解し、自社の業務で使えるものなのかどうかをきちんと見極めていく必要があります。

 

社内にAI人材がいない場合の選択肢

AIは導入がゴールではありません。導入したAIを運用するためのAI人材が必要となります。AIの運用に必要なのは、プログラムを構築するエンジニアや、統計的なアプローチを駆使して最適化するデータサイエンティストなどです。ゼロから生み出せる専門家を雇うのは難しい場合もありますが、近年では学習データがあればAIモデルを構築できるサービス利用する、AI構築サービスを提供する企業の手を借りるなど、その選択肢は以前より格段に増えています。始める前からあきらめるのではなく、簡単に始められるものから、自社にあったサービスを探してみることをお勧めします。

 

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【参照情報】
salesforce blog
>>>デジタルトランスフォーメーション(DX)とAIの関係性を解説

NTT東日本
>>>製造業の課題をAI、ネットワークで解決(第2回)AI未導入の企業が知っておきたいノウハウ