知っててよかった!給与計算の基本構造
知っててよかった!給与計算の基本構造
毎月当たり前に計算され手元に届く給与はどのような計算をされて手元に届いているのでしょうか?
実は知らなかった給与計算の基本構造や、給与の年間スケジュールなど「給与」をまるごと、初歩的な目線で解説してみましょう。
ご存じですか?「給料」と「給与」の違いとは?
月に一度の楽しみは「給料日」ですが実際に会社から支給されているのは「給与」です。
知られているようで知られていないこの「給料」と「給与」の違いをご存じでしょうか?
「給料」とは「基本給」と呼ばれるもので「正規の勤務時間に対する報酬」です。
「給与」とは給料に「各種手当」や「各種控除」を差し引きした会社から支払われる報酬のすべてを指します。
このように世間の認識では一緒にされてしまう「給料」と「給与」ですが、その中身にはしっかりと違いがあったのです。
給与のプラスマイナス「手当て」と「控除」について
「給与」は会社から支払われる報酬のすべてと解説しましたが、その内訳には「各種手当て」というプラスと「各種控除」という「マイナス」が存在します。
「手当て」の内訳
「手当て」には決まった額面がプラスされる「支給額固定給与」とその月の勤怠状況による「支給額変動給与」に分類されます。
支給額固定給与…基本給、能力給、住宅手当、家族手当、役職給、資格給など
支給額変動給与…残業手当、休日出勤手当、皆勤手当、営業手当、宿直手当など
「控除」の内訳
「控除」では「税金」「社会保険」「その他」の項目に分類されます。
税金…所得税、住民税
社会保険…雇用保険、厚生年金保険、介護保険
その他(企業よって違いがあります)…生命保険、財形貯蓄、組合費など
毎月支給されている給与はこれらのプラスマイナスを総合して支払われるのです。
給与は毎月どのように計算されているのか?
給与はまず、基本給にプラスした「割増料金」を計算します。
従業員に時間外労働や休日労働、深夜労働を課した場合は法令で定めている割増率以上の率で割増料金を算定して支払わなければなりません。
逆に、従業員が遅刻や無断欠勤などを繰り返した場合賃金の一部を「欠勤控除」として減額することができます。しかし労働基準法第91条により目に余る遅刻や無断欠勤を繰り返していても月給の金額の1/10今までの減額しかできない定めとなっています。
そして社会保険料の控除と源泉所得税の控除、住民税控除など各種税金の控除も行い、手当や控除の計算で出た端数も労働基準法上の取り決めにならって処理します。
当然の話ですが、これらの給与計算は従業員一人一人のその月の労働と生活がかかっていますので1円たりともミスは許されません。
給与の年間スケジュール「給与のカレンダー」とは?
給与を受取るだけの人にはあまり縁のない話ですが、計算する人にとっては月によっては税務署への報告や人事関係の手続き、住民税の徴収などがあります。
給与の年間スケジュールを把握することにより、スムーズな実務をこなせるようになります。
≪給与計算の年間スケジュール≫
1月…役所に従業員の住民税を支払う「給与支払い報告書」と従業員と税務署へ渡す「給与所得の源泉徴収票」の関連業務があります。
4月…新入社員の入社、人事異動、配置換えなどが多い季節の為、人事関連の事務手続きなどの業務が増えます。
6月…この時期は住民税特別徴収額の改定業務徴収があります。住民税は6月から翌5月までの均等額を控除して納付していますので6月が住民税の節目です。人によっては控除額が変わる場合もあります。事業主は特別徴収義務者として全従業員に対して個人住民税を特別徴収することになります。また賞与の計算もこの時期です。
7月…労働保険の年度更新があります。社会保険の算定基礎届を提出したり、会社によっては4月昇給者などの随時改定があります。
11月…年末調整の準備があります。社員に事前に案内をしたり、必要書類を配布します。
12月…年末調整をして翌年の年間給与総額を確定する作業があります。また年間所得税の総額の計算と源泉徴収した所得税の合計額の差額を清算しなければなりません。
また冬季賞与の季節でもあります。冬季賞与から控除した「健康保険」や「厚生年金保険料」を社会保険事務所に報告します。
給与のカレンダーを把握する事により給与計算の繁忙期を知る事が可能です。
会社によって差はありますが、各種窓口への対応は同じような時期になります。
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