<「持続可能な森林管理」を目指す森林認証制度【5】> FM認証・CoC認証は何故必要か?木材の加工と流通に関わるCoC認証のメリットと認証取得方法

持続可能な森林管理の証であるFSC(R)認証やPEFC認証は、世界で通用する森林認証制度です。しかし、「管理された森林」から伐採された木材であっても「管理された森林から伐採された木材である」という証明や「管理された木材から伐採された木材を間違いなく加工し流通したものである」という証明がなければ、認証ブランドを名乗って販売することは許されません。FSC(R)認証やPEFC認証の森林から生産された木材であるという証明が、FM認証やCoC認証となります。なぜそこまで細やかなライセンスが必要なのでしょうか?FM認証やCoC認証の必要性やメリット、認証取得方法などについてご説明いたします。

 

FM認証・CoC認証は「違法木材」を流通させないための認証制度

世界では、現在進行形で無秩序な伐採「違法伐採」が行われ、多くの森林が失われてきています。違法伐採された木材は、正規のルートや、正当な手順を踏まずに加工され「違法木材」として流通します。違法木材の利益は、周辺地域や産出国に落ちるわけではなく、業者の手に落ちます。産地国の政府収入になるばかりでなく、日本国内の外国木材市場にも悪い影響を与えることになってしまいます。このような違法伐採による違法木材の流通を防ぐためにも、森林管理認証以外に、森林管理を保証するFM認証制度や、森林管理された森林から伐採された木の加工と流通を管理するためのCoC認証が必要となるのです。

 

FM認証とは?

「FM認証」は、「Forest Management」の頭文字をとったもので、意味はストレートに「森林管理」を指します。FM認証は、FSC(R)認証と紐づいており、FSCの理念である「環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益にかない、経済的にも持続可能な森林管理」を具体化したものとされています。FM認証は、「この森林はFSC認証で管理されています」ということを証明するための認証制度で、取得するためにはFSC10の原則70の基準、約200の細かい指標に沿って審査を受ける必要があります。他方、PEFC認証の場合は、各国の森林認証制度、例えば、日本のSGEC認証などと相互認証していることがFM認証と同等の意味に該当します。

 

CoC認証について

「CoC認証」は、FSC(R)認証にもPEFC認証にも、大きく関わる認証制度です。CoC認証について、詳しく見てみましょう。

●CoC認証の概要
「CoC認証」とは「Chain of Cusutody」の略で、「加工流通過程の管理」を意味します。FSC(R)/FM認証やPEFC認証を受けた森林から産出された木材や紙製品などを、適切に管理・加工していることを証明する制度です。CoC認証は、「森林管理認証されている森林から切り出された木材が、最終製品となるまでの間、製品の所有者を持つ全ての事業体」が対象となり、この加工・流通の過程で、どこか一度でもCoC認証されていない業者に所有権が移ると、それ以降、CoC認証製品として取扱うことは許されません。対象となる主な業者は、製材所・建材会社・家具会社・工務店・製紙会社・印刷会社・包装会社等の紙製品の加工会社、そして、木材卸、紙卸などの卸売り会社となります。これらの認証承認の管理は、購入・製造・保管・販売など各工程において、他の製品との明確な識別・帳票上での明示・記録などを厳格に管理する必要があります。

●CoC認証のメリット
CoC認証には、以下のようなメリットがあります。
・CoC認証取得や、CoC認証製品を使用することにより、地球温暖化の防止や地球環境保全など間接的に森林を守ることに役立つ
・CoC認証取得をすることで、環境対応企業として社会貢献することができ、企業のイメージアップにつながる
・CoC認証では製品の加工や流通過程をすべて定期的に審査するので、サプライチェーンが強化される
・CoC認証取得で世界的に信頼性の高い森林認証を得たとみなされ、製品の差別化や、新たな市場開発が可能となる

 

CoC認証取得方法や種類、有効期限など

CoC認証を取得するためには、CoC認証の審査を受ける必要があります。審査では、CoC審査規格に基づいた管理体制を構築し、それを適切に実行しなければなりません。審査を受ける前に、下記のような準備をします。

【CoC認証取得方法】
・FSCまたはPEFCの基準に基づいて作成されたチェックリストに沿ったCoC管理マニュアルを作成する
・マニュアルの内容について関係者に対する教育研修を実施す
・認証の範囲に外注先企業や組織が含まれる場合は外注先の覚書の締結

【CoC認証の種類】
CoC認証には、単一組織の認証からグループ認証などの種類があります。
・単独認証…拠点数の少ない単一の事業体が取得する認証方式
・マルチサイト認証…拠点数の多い単一の事業体や、関連会社を多く持つ大規模な事業体が取得する認証方式
・グループ認証…複数の事業体がグループを形成して取得する認証方式

【CoC認証/FM認証の有効期限】
CoC認証、FM認証の有効期限は5年間です。年に1度年次審査が実施され、改善要求事項が提示されます。要求改善事項が改善されている、または、森林や製品の管理状況が継続的に審査規格に適合されているかが審査されます。有効期限切れ前には、更新審査を受ける必要があり、審査が通れば認証を更新できます。

 

FM認証・CoC認証など森林管理認証についてはセミナーを参考に!

森林を管理するばかりでなく、製品の加工や流通に関しての認証も、ビジネスをする上では必要不可欠です。自社の社会的信頼をアップさせるため、そして、サプライチェーンマネジメントをより強固とするためにもセミナーを受講しましょう!例えば、Webセミナーなら、聞き逃したところを何度も確認することが可能です。FM認証、CoC認証だけでなく、FSC(R)とCoC認証、PEFCとCoC認証などで探してみてください。

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【参照情報】
合法木材ナビ
>>>合法木材ナビQ&A

AMITA
>>>FSC(R)/PEFC FAQ|森林認証のよくある質問

>>>FSC(R)/PEFC CoC認証|木材・紙製品の流通・加工に関わる方へ

FSC
>>>CoC認証

>>>FM認証

東京四国紙グループ
>>>CoC認証とは?