＜進んでますか？DX推進　成功のカギは「DX戦略」にあり！【1】＞　DX戦略とは何か？DX戦略の必要性とDX戦略のポイント

DX（デジタルトランスフォーメーション）を推進しようという風潮は強まって来ていても、自分の会社ではまだまだ取り掛かる気配がなさそう、と、DX導入が現実的でない企業がまだまだ多く存在します。まもなく迎える「2025年の崖」に備えるためにも、企業は真剣にDX推進と向き合わなければなりません。DX推進の進捗具合が気になるのは国も同じで、経済産業省ではDX推進の施策の一つとして、DXについての知見をまとめた「DXレポート」を発表しています。DX戦略は、経済産業省のDXレポート2で紹介された言葉であり、DXを推進する際に「何・どこを目指してDXするのか」を羅針盤のように示す指針であるとされています。DX成功パターンのカギを握ると言われるDX戦略の重要性や、DX戦略推進のポイントなどについてまとめました。

DX戦略とは？

DX戦略とは「何・どこを目指してDXするのか」というDXの目標を達成させるための指針です。日本のDX推進が遅々として進まないのには、経済産業省のDXレポートによると、日本のDX化が遅々として進まないのには「ビジョン・戦略の不足」が大きな課題と指摘されています。ITを良く理解していない経営者から具体的な戦略が示されずに「ITを使って何かできないか」というような漠然とした指示しかもらえないというような、戦略を立てずに戦術を重く見るパターンです。DX推進には、トップが自分でも把握していないDXやITについて部下に丸投げするのではなく、全社横断での経営戦略と整合性の取れたDX戦略を立てて推進する必要があります。

DX戦略の必要性

DX戦略の必要性をこちらでもう少し掘り下げましょう。経済産業省のDXレポートによると、DX戦略を進めずに、このまま既存のレガシーシステムを使い続けていると「2025年の崖」に直面し、2025年以降最大毎年12兆円の損失が発生すると言われています。すでに既存のシステムは老朽化・複雑化しており、サポート終了によるデータ損失や、システム障害のリスク、IT人材の不足などが現実味を帯びているといっても過言ではありません。これらの損失を防ぎ、企業を生き残らせるためにも「何・どこを目指してDXするのか」というビジョンをしっかり持ってDX戦略を立て、速やかにDX推進に移行する必要性があります。

DX戦略推進のポイント

DX戦略を立て、DXを推進するためのポイントをまとめました。

●経営者を含めて全社横断的に取り組む
繰り返しになりますが、DX戦略を立てるためには「何・どこを目指してDXするのか」という明確なビジョンが必要です。これはDX推進に関わる人間だけが持つビジョンではなく、経営層、社員、双方によるDXに対しての意識改革や理解をしなければなりません。まずは、経営陣が戦略業務を明確にして、現場の社員へ全体周知し、浸透させます。既存のシステムのままである、各部署による縦割りの取り組みではなく、全社を挙げて取り組む意気込みがなければ、DX化を進めるにあたり最終的な連携が取れなくなるため、全社横断的な考えは非常に重要な要素となります。

●段階的に長期的に取り組む
DXは短期間で導入できるものではありません。会社のシステムが変わる、ということは仕事のやり方も変わるので、社員からの抵抗や反発がある可能性も想定できます。計画には社員への説明や反発への対処なども計画に入れることがポイントです。DX導入する際は、目標を設定して優先度をつけスモールステップで段階的で導入することが望ましいとされています。さらにDXの成功例を可視化することで他の部署や社員たちのはげみとなり、取り組みやすくなります。部署同士でシステムを連携させる必要も出てくるので、常に最終的な姿を見極めつつ、段階的に導入する必要があります。また、DX導入は結果が出るまでに時間とコストがかかります。その期間は3～5年と言われ、結果を求める日本人からするとかなりの長期戦と感じることになりますが、心して取り組みましょう。