<ISO14001:企業活動と環境側面を考える【3】> ISO14001内部監査の目的と「適合性」「有効性」を解説!

ISO国際認証に必ず出てくる「内部監査」という言葉。ISO14001も例外ではなく、「内部監査」による調査が必要となります。内部監査とは、誰がどのように実施するものなのでしょうか?ISO14001における内部監査の目的と、内部監査に欠かせない要素である「適合性」「有効性」や、内部監査で見落としがちんある点などについてまとめました。

 

ISO14001の内部監査は何の目的で誰が実施するものなのか?

内部監査は、誰が実施するものなのでしょうか?「内部監査」の基本についてみてみましょう。

●誰が実施する?
内部監査とは、その名の通り「組織の内部の人間によって実施される監査」の事です。監査員は、任意で選出されます。内部監査員となるのは、企業の監査部門に所属する人間が一般的で、この監査部門は会社によって、監査部、内部監査室、リスク管理室、コンプライアンス部などと呼ばれます。組織内の人間が監査する内部監査員に対して、公認会計士や監査法人などの外部の人間が調査を実施することを外部調査と言います。

●内部監査の目的とは?
内部監査とは、「独立して客観的な補償や助言を行うことで、会社や組織の運営に関して、合法的と合理的の観点から公正かつ独立の立場で軽視諸活動の遂行状況を評価し、これに基いて客観的意見を述べ、付加価値を提供、または改善」を目的として実施されるものです。もう少し分かりやすく表現すると、内部監査はPDCAサイクルの中のC(Check:チェック)を担う部分であり、企業経営が、法令を遵守し、適切に事業運営できているかを監査する役割を持ちます。

 

ISO14001内部監査の目的とは?

ISO14001内部監査の目的は、主に以下のような視点での評価が実施されます。

・法令順守義務が果たされているか
・環境目標は達成できているか
・環境パフォーマンスの向上が図られているか

その上でISO14001規格・組織が作成したマニュアルや規定、手順書、顧客からの要求事項、法令・規則要求事項を監査基準とし、次のような目的をもって内部監査を実施します。

1.経営者に対しEMS(環境マネジメントシステム)の有効性を確認する
2.ISO14001の規格要求事項に適合できているシステムであるかの確認
3.EMSが組織内で効果的に運用されているかを確認する
4.法的要求・ステークホルダーの要求に応えられているかを確認
5.EMSの維持・改善を有効とする

内部監査の結果は、EMSのマネジメントレビューをする際の重要事項であり、EMSを維持・改善する際の有効な活用が期待されています。

 

ISO14001内部監査の「適合性」と「有効性」について

ISO14001内部監査には、「適合性」と「有効性」が存在します。それぞれの特性と、内部監査のチェックリストを作成する際に、見落としがちな点を解説いたします。

●「適合性監査」の方が主体となってしまうケースがある
「適合性」とは、構築したEMSが、ISO14001規格の要求事項と合致しているかどうかを評価する指標のことです。EMSを構築する場合は、組織の取組みが要求事項に適合するためにルールを設けます。内部監査では、EMSの為に設けたルールが守られているかどうかをチェックします。「有効性」とはEMSが機能していうかどうか、その有効性を評価する指標のことです。内部監査において、「適合性」はチェックしやすく「要求事項に適合しているかどうか」をチェックして問題が無ければ適合性のチェックはそこで終わります。

適合性チェックの多くは、規格要求事項に対してYES/NOで答えられる質問形式となっており、そのチェックリストは更新されず長年使われ続けているケースもあります。このようなチェックの形骸化では、適合性監査が主体となってしまい、年数を重ねるごとに適切な内部監査とは言えなくなってしまいます。適合性監査でチェックする「ルールが守られているか」をクリアしたのなら、その先にある「EMSのPDCAは回っているか」「効率よく運用活動ができているか」「成果をあげる仕組みに改善されているか」など、EMSの「有効性」を監査し、潜在的な課題をあぶりだして被監査側に気づいてもらえるような内部監査をしなければ、EMSの維持・改善が難しくなってしまいます。

 

EMSの維持・改善には「有効性」を見出す内部監査が重要

実は「適合性監査」ならば、外部監査機関でもチェックは可能です。内部検査だからこそ必要なのは、「有効性監査」の方になります。内部の人間だからこそ会社のことを良く理解しており、ルールが守られない理由や、業務上必要のないルールや仕組みなどを知っているため「改善点」が見えやすくなります。守ってもらえないルールがあるならルールの改正を、無駄な仕組みがあるなら廃止を、など、どうすればEMSが会社の為に機能するのか思い切りメスを奮うことが可能です。そのためにも「有効性監査」を重視し、チェックリストを作成する時は以下のようなポイントを抑えるようにします。

・前回までの監査結果・目的・目標の達成状況の確認
・前回監査以降の内外の環境変化(事業内容の変化、法規制の改定状況など)の確認
・目的、目標達成状況やプロセスの問題点を洗い出し
・内外の環境変化における要求内容の変化の確認

これらの要点で情報を収集し、チェックリストを作成することで、確認事項や改善点が可視化され、リスクの早期発見にもつながります。内部監査が終わったら。監査計画は適切であったか、計画通りに監査ができたか、指摘箇所には適切な再演防止処置がとられているかなど、内部監査全体についてのレビューも必須事項です。レビューは次回以降の内部監査の改善につながり、結果的に継続的な改善が可能となるPDCAを回すことができるようになります。

 

ISO14001内部監査を成功させるにはセミナーがおすすめ!

ISO14001認証を継続するためには、内部監査の成功がカギとなります。監査員になった人、内部監査を任された人は、セミナーで内部監査について知識を得てみてはいかがでしょうか?環境マネジメントシステムなどについても詳しく学べます。下記URLから、ISO14001内部監査のためのセミナーを探してみましょう!

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【参考情報】
経営ハッカー
>>>内部監査とは?目的や流れ、外部監査との違いを解説

宮川公認会計士事務所
>>>内部監査とは?

kuraray
>>>ベテラン審査員から視たISO14001の改善-内部監査について

ISO内部監査員研修の創研Biz
>>>ISO14001内部監査(EMS)

ISOプロ
>>>[内部監査員必見]ISO14001の内部監査をかんたん解説