IoTについての基礎知識

今や誰もが知っている「インターネット」は「パソコン同士をつなぐもの」というイメージがあります。インターネットが、もっと身近で、もっと便利に誰でも使えるものだったら…。「インターネット」をパソコン以外の「モノ」につなぐ「IoT」は、そんな可能性を秘めています。IoTとは一体どのようなものなのでしょうか?IoTの基礎知識について、簡単にご説明いたします。

 

IoTとは何か?

IoTは「Internet of Things」を略した用語で、「モノのインターネット」と訳しています。インターネットはパソコン、スマートフォンなどの「情報通信機器」同士を繋ぐことにより、その機能が使えると認識されていますが、IoTはその名の通り、情報通信機器同士だけでなく、家電や工業機械、自動車、日用品などの「モノ」と「インターネット」をつないで遠隔操作する事により、工場内での作業効率のアップや、遠隔操作でドローンを飛ばして人が行けない場所での情報収集など、未知なる可能性を期待されている分野なのです。その可能性はどんな分野の業種にも応用できるので、あらゆる企業がその活用方法を日々探求しています。

 

IoTはどんな所で活用されているのか?

では実際IoTはどのような分野で活用されているのでしょうか?
実際の活用例とともにまとめてみました。

・活用例1 農業でのIoT
農業とIoTの組み合わせで知られているのが、「農場管理」のアプリケーションです。ビニールハウス栽培での水やりや肥料などの自動管理は、人が指示した量の水や肥料を農作物に与えるのではなく、季節、天候、日射量、土壌のコンディションなどの情報を読み取って分析し、「その時の適量」の水や肥料を与えるというものです。作業効率のアップだけでなく、人の手が足りない所を補うというメリットもあります。

また、トラクターなどの農業機械にセンサーを取り付け、畑の作物の状態や稼働状況のチェック、農業機械の不具合などを管理するという活用方法もあります。

・活用例2 工場でのIoT
工場では基本的に機械の稼働がメインなので、IoTとは非常に相性がいい事で知られています。例えば、工場内の機械が正常に稼働しているか、異常動作をしていないか、異常の兆候はないか、補充品は足りているかなどをまとめて管理することができます。また、稼働状況の確認だけでなく、エラー管理ができるという強みもあります。エラー数の分析は、機械の故障個所の早期発見やラインを止めて目視でチェックするなどの時間も節約できるので、作業効率のアップと、生産の安定を期待することができます。

・活用例3 物流でのIoT
IoTは物流業界でも注目されています。「IoT」で「物流」と言えば「ドローン配送」などの印象が強いですが、ドローン配送は法整備の壁があるため、技術的に実用は可能でも、法律の上ではまだ時間がかかりそうです。物流業界でのIoTは物を運ぶだけではなく「倉庫の在庫管理」が重要です。棚に取り付けたセンンサーで配送物の出し入れを管理するばかりでなく、倉庫管理作業を倉庫用ロボットが担っている企業もあります。倉庫の在庫管理をIoT化することにより、大幅なコストカットも出来たという実例もあります。

・活用例4 身近なところのIoT
身近なところでもIoTは活用されています。中でも一番知られているのは、「スマートスピーカー」です。スピーカーにAIを組み込み、音声操作で家電を操作する事ができるというIoTの典型的な使い方とも言えましょう。

他にも自動販売機とIoTを組み合わせも注目されています。道端の自動販売機に監視カメラを設置して防犯に備える、無料Wi-Fiを使えるWi-Fiスポットとする、災害情報を伝える電光掲示板を取り付けるなど、当たり前存在する自販機をIoT対応することで、人々が安全に暮らせるまちづくりに役立っています。

 

■IoTにはどのような可能性があるのか?

IoTはまだまだ身近なものでなく、企業レベルが考えるものとなっています。しかし、スマートスピーカーに代表されるように、当たり前にIoTが使える日もそう遠くないほど、IoTは進化し続けています。例えば、世界中の自動車メーカーが注目している「全自動運転システム」の実用や、医療分野での「着るだけで自分の健康状態と記録がとれるウエア」の開発など、その可能性は無限大です。

IoTを誰もが当たり前に使う時代にはまだ少し時間がかかりそうですが、研究の先にある「未来の技術」に期待したいですね。

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