ICTとは何か?ITとの違いや活用例をご紹介
パソコンやインターネットに縁のない人でも、「IT」という言葉を聞けば、なんとなくパソコンやインターネットに関係する言葉なんだろうなとイメージできるくらい、広く認知されている言葉です。
では、「ICT」はどうでしょうか?「ICT」について尋ねられても、すぐに答えられる人はまだ少ないでしょう。日本では、決して認知度が高いと言えない「ICT」は、実は世界的には「IT」よりも広く使われ、以下のビジネスシーンにおいて非常に重要度が高まっているのです。政府でも総務省が、働き方改革でのICT導入を推奨するなど、その普及に努めています。
「IT」にかわる言葉「ICT」とは、どのようなものなのでしょうか?その意味や、活用方法などについてもご紹介いたします。
ICTとは何か?
まず、「IT」は「Internet Technology」を略した言葉で、単純にパソコンやインターネットを「ツール」として見る考え方です。そして「ICT」とは、「Information and communication Technology」を略した言葉で、インターネットやパソコンなど「IT」を使って、実現できる通信や伝達のことを指します。
どちらも言葉だけ聞くと、あまり身近に感じない人も多いと思われますが、ITを駆使したICTは、すでに私たちの生活の身近なところで活用されている事にお気づきでしょうか。例えば、撮った画像をすぐに家族や友人へ共有できたり、欲しいレシピをキーワードだけで探せたり、学校からの連絡をオンタイムで知ることができたりと、ひと昔前なら考えられない便利なことが増えています。
ビジネスシーンでも、複数の取引先とオンライン上で会議したり、在宅ワークをしながら会議に参加ができたりと、「IT」がなければ実現しない、通信や伝達、情報共有の形を総称して「ICT」と呼んでいるのです。
ICTでは何ができる?
ICTで「できること」はたくさんあります。多岐にわたるICTの活用方法をご紹介しましょう。
1)人と人、人とモノをつなぐ
ICTは人と人、人とモノをつなぐことができます。手元の端末から情報発信し、深い「人と人」とのつながりが生まれ、SNS上でたくさんの人とあらゆる情報を共有することが可能です。また、インターネットを介して「人とモノ」が繋がる「IoT」で機械を遠隔操作することで、家庭生活の利便性の向上や、農場や工場での作業の工程を削減することなども可能となります。
2)クラウド化による情報共有
学校などの教育現場でもICTの活用が増えています。例えば、クラウドサービスを活用して情報共有し、都市部と地方の教育格差をなくすという考えです。地域格差だけではなく、不登校や、事情があって学校へ行けない子供のために、在宅での教育サービス実現が可能となります。
3)遠隔での情報通信
総務省がICTを活用した地方創生を実現するべく推進しているのが、「ふるさとテレワーク」です。例えば、高齢化が進む一次産業にIoTやAIを取り入れ、遠隔操作などが可能なスマート化を目指し、その技術を活用できる若い働き手を確保する自治体もあります。また、テレワークでも会議への参加や取引先と商談できたりなどの環境が整っていれば、都市部に出ていく理由がなくなるため、若者の流出を防げるので、地方創生に繋がります。
4)情報の同時拡散
災害の多い日本では、ピンポイントでの災害情報を素早く共有する必要があります。現在、災害や地震から国民を守るための災害情報共有システムLアラートを使った、災害情報伝達手段の普及が待たれています。Lアラートは、地理空間情報(G空間情報)によって、ピンポイントで詳細な防災情報を発信できるため、地域ごとで対策をとることが可能です。自治体によっては、避難指定場所や人の集まる場所での無料Wi-Fi環境の整備も推進されており、災害のときに一斉にお知らせできるようになるのです。
■ICTを活かした「働き方改革」とは
政府が推進する「働き方改革」にも、ICTは欠かせません。働き方改革に活用するICTとはどのようなものでしょうか?
1)情報と記録の共有
設計図やイラストなどを共有するときに、データが大きすぎて添付できない、大人数に一斉送信できないなどの不都合がありましたが、ファイル共有や社内ポータル、グループウエアなどのツールを使い、大人数相手の情報の共有や記録の蓄積が可能となります。これらのツールは、リアルタイムで共有できるので、作業の効率化につながります。また、情報共有しやすくなると、企業の枠を越えてのコミュニケーションが生まれ、新たな事業のヒントになるケースもあります。
2)RPA(ロボティクスプロセスオートメーション)による作業の効率化
ロボットやソフトウエアによる業務の自動化を、ロボティクスプロセスオートメーション(RPA)と呼びます。人間のかわりにロボットが作業をしてくれる、というイメージですが、このロボットは「ソフトウエアによる業務の自動化」です。24時間365日正確に稼働できるため、デスクワークなどの作業が著しく向上します。自治体でも試験的に導入しているところもあり、働き方改革にはピッタリです。
3)テレワークでも使えるWeb会議・テレビ会議
テレワークで仕事をする際、欠かせないのがWeb会議やテレビ会議、チャットなどです。オフィスへ行かない仕事とはいえ、ビジネスはチームワークが肝心です。タイムリーに報連相を行いながら、市場のスピードにもついて行かなければなりません。テレビ会議までは必要ない、と考えてテレワークを始めたひとも、使ってみると便利で、必須アイテムとなっている事も多いようです。情報社会での孤立しないためにも、コミュニケーションツールの充実は必要となります。
このように、ICTは政府主導のもと、日常の目には見えない場所、思いもかけないようなシーンで採り入れられ、活用されていることがあります。そんなICTをもっと知るためにも、セミナーで学んでみませんか?
【参考サイト】
Media Series、発注ラウンジ