【無線LAN(ラン)】規格の種類と違いについて

パソコンやスマートフォン、ゲーム機などを有線のコードなしにネットワークに接続できるのが無線LAN。

Wireless LANやWaveLAN、Wi-Fi(ワイファイ)と呼ばれることもあり、複数の規格が存在します。

中でも、アメリカの学会「IEEE」のLAN/MAN標準化委員会が規格化したIEEE 802.11シリーズが標準として広く普及しています。
また、BluetoothなどのIEEE 802.15シリーズもあるので、ここで紹介します。

IEEE802.11ac(周波数:5GHz帯)

2013年3月の電波法関連規則の改正によって次世代高速Wi-Fi規格として登場した最新規格。
80MHz~最大160MHz幅まで帯域幅拡大することで高速化を実現し、6900Mbpsは従来の規格で最速だった「IEEE802.11n」と比べて11.5倍の速さになっています。

ただし、この数字はアンテナを8本束ねた状態でのもので、通常の無線LAN商品ではアンテナ2~3本の約867Mbpsや約1300Mbpsが主流となっています。

また、8ビット(256QAM)の採用で一つの信号内の情報量を増やし、転送効率もアップしています。

データ量についても、電波送受信時の情報の多重数を最大8多重にして一度に送受信できるデータ量を増やし、複数機器に電波を送信可能な「MU-MIMO」技術で同一時刻・同一周波数チャンネルでも複数の機器に干渉させません。
【参考】総務省:http://www.soumu.go.jp/main_content/000214467.pdf

IEEE 802.11ad(周波数:60GHz帯)

元は「WiGig」という名前で計画されていた規格。
他と比べて高い超高周波数60GHz帯を使用し、障害物の無い10mほどの空間でギガビット通信(最大6.7Gbps)を可能にします。
まだ登場したばかりの規格で、日本では対応製品の発売が無く(2016年11月時点)、2017年以降の普及が期待されます。

IEEE802.11n(周波数:2.4GHz帯/5GHz帯)

IEEE802.11acの登場までは最速であり、主流だった規格。
アンテナは最大4本が可能ですが、無線LANやパソコンはアンテナ2~3本、スマホやタブレットは1~2本となっています。

速度を活かして光回線を利用したインターネット接続やハイビジョンの視聴に向いている規格です。

また、2.4GHz帯使用時には通信距離が長く障害物に強く、5GHz帯使用時は電子レンジやBluetoothなどの電波干渉を受けないというメリットがあります。

IEEE802.11a(周波数:5GHz帯)

電波干渉に強いというメリットがありますが、障害物に弱く屋外で使用できないというデメリットもあります。
また、対応機種が少ないこともネックです。

IEEE802.11g(周波数:2.4GHz帯)

障害物に強く、対応機種(スマホ、プリンタ、ゲーム機など)も多い規格。
それゆえに電波干渉を受けやすい規格になっています。

IEEE802.11b(周波数:2.4GHz帯)

11gと同じく障害物に強くて対応機種が多いのが特徴。

IEEE 802.11(周波数:2.4GHz帯)

1997年6月に策定されたIEEE 802.11シリーズの第1世代。
公称最大速度は2Mbpsで、現代の機器では考えられない遅さでした。

IEEE 802.11j(周波数:4.9 GHz帯/5GHz帯)

最大伝送距離が数kmにおよぶ長距離タイプ。
利用には無線局免許が必要なものもあります。

IEEE 802.15.1(周波数:2.4GHz帯)

IEEE 802.15はIEEE 802.11のワーキング・グループから独立した規格。
IEEE 802.15.1のBluetoothがスマートフォンなどの近距離無線通信で活用されています。

いかがでしたが、身の回りにあふれている無線通信には様々な規格があることが分かったと思います。
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