【企業法務の基礎知識34 若葉マークの入門編】 著作権法をイチから学ぼう② 「著作権」に含まれる権利「人格権」「財産権」「隣接権」について

お疲れ様です!いのりんです♪

あまり本屋へ足を運ぶ機会もなく、
最近では、ついついマンガも小説も、
スマホから電子版へとアクセスしてしまいます。

ネタバレサイトや海賊版サイトなどを見かけると、
著作権法の大切さがより分かる気がします。

好きな作品ほど、ちゃんと正規の料金を支払って見るべき!
それがいわゆる「推し活動」ってもんです!

あ…つい熱く語ってしまいました。

先日も同じ推し活動をしている友人と、
そんな話をしていたところだったので(笑)

えっと、ではパッションはそのまま熱く、
気持ちを切り替えて、
今回も「著作権法」にお付き合いください。

【参考】
>>>著作権法CRIC(公益社団法人著作権情報センター)

 

「著作権法」に含まれる「人格権」「財産権」「隣接権」について

「著作権法」には、
著作物を守るために、様々な権利を複合的に組み込んでいます。

その中でも重要な、
「著作者人格権」「著作権(財産権)」「著作隣接権」についてまとめました。

【著作者人格権】
著作物は、著作者が思想や発想、気持ちなど形にしたものです。

「著作者人格権」は、著作物を通して表現されている、
著作者の人格を守るために作られた権利となります。

「著作者の人格」が対象となっているため、
譲渡はできません。

次で解説する「著作権(財産権)」を譲渡したとしても、
著作者人格権は、誰の手にも渡ることはありません。

著作者の人格が守られる期間は、
原則「生存中」とされていますが、死してもなお、
著作者人格権を侵害するような行為をしてはならないと定められています。

そんな著作者人格権は、以下のような権利を指します。

・公表権(著作権法第18条)
著作者が著作物を世間に公表するかどうか、
公表する場合はどのような方法で公表するかを決めることができる権利

・氏名表示権(著作権法第19条)
著作物に自分の氏名を表示するかどうか、
表示する場合は本名かペンネームかを著作者が決定できる権利

・同一性保持権(著作権法第20条)
著作物のタイトルや内容を、
著作者以外の第三者が勝手に改変できることができない権利

前述した通り、著作者人格権は譲渡できないものなので、
例えば、企業などに著作権(財産権)を譲渡した場合でも、
この3つの権利については、著作者の許可なく実施することができない、
という解釈となります。

【著作権(財産権】
「著作権(財産権)」は、著作物の利用方法や取扱いについて定めている権利です。
一般的に言われる「著作権」はこの「著作権(財産権)」を指します。

著作権(財産権)には、様々な権利が存在しているため、
著作物を使用するためには、使用方法や目的など、
用途に合わせて著作権者の許可をもらう必要があります。

著作権(財産権)で定められている権利には、以下のものがあります。

・複製権(著作権法第21条)
印刷、写真、コピー機などによる複写、録音、録画などの、
あらゆる方法で著作物を「複製する」権利をさしします。

著作権制度はもともと、
コピー(copy)に関する権利(right)から始まったとされており、
複製権は著作権の中で最も基本的な権利として捉えられています。

・上演権/演奏権(著作権法第22条)
演劇の上演や音楽の演奏会など、
「多くの人に著作物を直接見せたり聴かせたり」を指します。

演奏を収録したCDでも、
一度に多くの人に聞かせる場となるケースも、
同義として扱われます。

・上映権(著作権法第22条第2項)
映画、絵画、写真などの著作物を多くの人に見せる為に、
スクリーンやディスプレイで動画として上映する権利です。

・公衆送信権(著作権法第23条)
テレビ、ラジオ、有線放送、インターネットなどでの、
著作物の送信に関する権利を指します。

例えば、ホームページ等に著作物を掲載し、
外部の第三者からアクセスがあった場合に、
いつでも送信して閲覧できる状態にすることは、
公衆送信権の中の「送信可能権化」に該当します。

・伝達権(著作権法第23条第2項)
テレビ、ラジオ、有線放送、インターネットなどへ、
公衆送信された著作物を公にする権利を指します。

・口述権(著作権法第24条)
小説や詩など、言語で綴られた著作物を、
朗読会や動画配信などを通じて、多くの人に伝える権利です。

・展示権(著作権法第25条)
美術の著作物及び、未発行の写真の展示物を、
多くの人に見てもらうために展示する権利のことです。

・頒布権(著作権法第26条)
劇場で上映する映画など、
多数の人に見てもらうことを目的とした著作物を、
販売したり貸与したりする権利を指します。

・譲渡権(著作権法第26条第2項)
映画以外の著作物、またはその複製品を、
多くの人に販売等の方法で提供する権利です。

・貸与権(著作権法第26条第3項)
映画以外の著作物に関して、多くの人に貸し出す権利のことです。

・翻訳権/翻案権(著作権法第27条)
著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化などの方法で、
二次著作物を作る権利を指します。

・二次的著作物の利用権(著作権法第28条)
自分の著作物から創られた、二次的著作物を利用することについて、
原作者が持つことができる権利です。

 

【著作隣接権】
著作隣接権は、
「著作物を公衆に伝達する役割を果たす行為に対して与えられる独占的な財産権」で、
著作物を伝える人の権利を保護する役割を持ちます。

実演、レコードの固定、放送又は、
有線放送をおこなった時点で発生する「無方式主義」であり、
その保護期間は「実演・レコード発行が行われた時から50年間」となっています。

著作権法で、著作隣接権が認められているのは、以下の人たちです。

・歌手や俳優など著作物を芝居や映画、音楽などで伝える実演家
・音楽の著作物を扱うレコード製作者
・放送事業者
・有線放送事業者

著作隣接権を持つ人達には、著作権者と同様に「許諾権」がありますが、
実演家とレコードで製作者には、「報酬請求権」も与えられています。

また、著作物の表現者である「実演家」に限り、
著作権者と同じく「実演家人格権」が認められており、
その人権が守られています。

 

著作権隣接権を持つ人たちの権利内容について

著作権隣接権を持つ、実演家、レコード製作者、放送事業者、
有線放送事業者にも、それぞれ権利が認められています。

その権利の種類を下記にまとめました。

【実演家の権利】
・氏名表示権(著作権法第90条第2項)
自分の実演に、実演の名を付すかどうか、
付す場合には名義をどうするかを決定する権利となります。

・同一性保持権(著作権法第90条第3項)
自分の実演について、
実演家の名誉や声望(評判など)を害するような改変が許されない権利です。

・放送二次使用料を受ける権利(著作権法第95条
商業用レコードが放送・有線放送で使用された場合の使用料を、
放送事業者・有線放送事業者から受けることができる権利を指します。

・貸レコードについて報酬を受ける権利(著作権法第95条第3項)
貸レコード業者から報酬を受ける権利を指します。
(貸与権消滅後69年間有効です)

 

【実演者の著作権隣接権】
・録音権/録画権(著作権法第91条)
自分の実演を録音や録画をする権利を指します。

・放送権/有線放送権(著作権法第92条)
自分の実演を放送/有線放送する権利を指します。

・送信可能化権(著作権法第92条第2項)
自分の実演を端末からのアクセスに応じて、
自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利のことです。

・譲渡権(著作権法第95条第2項)
自分の実演の録音物又は録画物を公衆に譲渡する権利です。
一旦適法に譲渡された実演の録音物又は、
録画物のその後の譲渡には譲渡権はありません。

・貸与権(著作権法第95条第3項)
商業用レコードや市販用CD等を貸与する権利です。
最初の販売後1年間のみ有効です。

 

【レコード製作者の権利】
・放送二次使用料を受ける権利(著作権法第97条)
商業用レコードが放送・有線放送で使用された場合の使用料を、
放送事業者・有線放送事業者から受けることができる権利を指します。

・貸レコードについての報酬を受ける権利(著作権法第97条第3項)
貸レコード業者から報酬を受ける権利のことです。
(貸与権消滅後から69年間有効です)

 

【レコード製作者の著作隣接権】
・複製権(著作権法第96条)
レコードを複製する権利です。

・送信可能化権(著作権法第96条第2項)
レコードを端末からアクセスに応じて、
自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利を指します。

・譲渡権(著作権法第97条第2項)
レコードの複製物を公衆に譲渡する権利です。

一旦適法に譲渡されたレコードの複製物の、
その後の譲渡には譲渡権が及びません。

・貸与権(著作権法第97条第3項)
商業用レコードを貸与する権利のことです。
最初の販売後1年間のみ有効です。

 

【放送事業者の著作隣接権】
・複製権(著作権法第98条)
放送を録音・録画及び写真的方法により、複製する権利です。

・再放送権/有線放送権(著作権法第99条)
放送を受信して、再放送や有線放送する権利のことです。

・テレビジョンの放送の伝達権(著作権法第100条)
テレビジョン放送を受信して、
画面拡大する特別措置(超大型テレビ、オーロラビジョン等)で、
公に伝達する権利を指します。

 

【有線放送事業者の著作隣接権】
・複製権(著作権法100条第2項)
有線放送を録画/録音及び写真的方法により複製する権利です。

・放送権/再有線放送権(著作権法第100条第3項)
有線放送を受信して放送する、又は再有線放送する権利です。

・有線テレビジョン放送の伝達権(著作権法第4項)
有線テレビジョン放送を受信して、
画面を拡大する特別装置で公に伝達する権利を指します。

 

■まずは著作権法を良く知ろう!

主にピックアップしただけでも、
たくさんの権利が存在する著作権法。

単に「創作側」と「使用する側」の話だけでは済まないところに、
その複雑さがうかがえます。

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次回は著作物の正しい使い方や、
罰則規定などについて掘り下げて参ります。

ぜひ、お付き合いくださいませ!

いのりんでした♪

 

【参考サイト】
文化庁
>>>著作者の権利の内容について

>>>著作隣接権

みんなのための著作権教室
>>>①著作権とはどんな権利?

Aippearアイピア
>>>著作権法とは?概要・全体イメージを丸ごと簡単解説