【企業法務の基礎知識14】 若葉マークの入門編「契約書」を学ぶ③ 契約書作成の基本的なルールについて

お疲れ様です!いのりんです♪

宅配便の不在通知に気づかず、
当日手配に間に合わないことってありますよね。

お取り寄せのお菓子、ああ…限定マカロン…
あと20分早ければ、当日手配に間に合ったのに…(´;ω;`)

まあ、楽しみが明日に伸びたと思って、
切り替えていきます。

そうだ!

せっかくだから、明日の帰りに、
ちょっとおいしい紅茶を買って帰ろうっと♪

よしよし、さらに楽しみがふえました♪♪

さあ、気分も持ち直したところで、
今回も「契約書」のお勉強です!

 

契約書はどのように構成される?

「契約書」とは、
「取引条件などの合意内容を書面で記載したもの」
であることは、すでにご説明いたしました。

この「取引条件などの合意内容」を、
「誰と誰が」「どんな内容を」「いつ」合意し、
その結果、「いつから、いつまで」、
「誰にどのような権利・義務が発生しているか」を、
一目見てわかるように記す必要があります。

契約書は、どのような構成で作成すると良いのでしょうか?
一般的な契約書の構成を、ご紹介します。

(1)表題(タイトル)
表題(タイトル)では、契約の内容を表します。
例を挙げると、
「業務委託契約書」「売買契約書」「賃貸借契約書」
「雇用契約書」「譲渡契約書」「代理店契約書」など、
目的を一目瞭然とすることがポイントです。

また「契約書」という文字が入っていない、
「示談書」「念書」「合意書」「覚書」なども、
タイトルに付けることが可能です。

(2)印紙
契約書には「印紙税法」で定められたとおり、
不動産の譲渡や請負契約、金銭消費賃借などの場合に、
印紙を貼付無ければなりません。

契約書が二通以上ある場合は、
二通それぞれに印紙が必要となります。

(3)当事者の表示
契約に関与する当事者を表示(記載)します。

法人の場合は、本店所在地・商号・代表者名などを記載し、
個人の場合は、住所氏名を記載します。

契約書の中では、
会社名や名前などではなく「甲」と「乙」などで特定されます。

当事者の人数が2名以上の場合は、
「丙」「丁」などの表記を使用します。

(4)前書き(前文)
前書き(前文)は、当事者間でどのような契約を交わすのかを、
要約して記載した文言です。

前文がなくても、契約に影響はありません。
前文が省略され。本文からスタートする契約書もあります。

(5)本文
本文は、契約の内容です。

本文の記載は、
「契約自由の原則」により記載方法に制限はありませんが、
法律によって内容に制限があります。

一般的に具体的な契約内容を箇条書きとし、
下記のように区分します。

「条」…箇条書きの一項目
「項」…一つの条を更に区分するに改行して箇条書きする場合
「イ/ロ/ハ」…「条」や「項」の中で列記する必要がある場合

本文に記載する内容の例もご紹介します。

・目的条項(商品の売買/金銭の貸借/建物の賃貸借)
・契約内容(代金「20万円」/利息「年率〇%」/賃料「月額10万円」など)
・契約期間(令和〇〇年〇〇月〇〇日より令和〇年〇〇月〇〇日までとする)
・履行方法(利息と元本一万円ずつ支払う/毎月末日限り)
・不履行時の定め(違約金/契約解除/遅延損害金の定めなど)

(6)後書き
契約書の枚数や契約成立の確認、どちらが何枚持つかなどの内容を、
末文に書き記して「契約書を持っている、持っていない」などのトラブルを抑止します。

(7)作成年月日
契約書作成年月日は、必須項目です。
契約を交わした日付を、必ず表記します。

作成年月日の記載がないと、
いつの時点で契約をしたのか特定できなくなってしまうため、
紛争に火種になりかねませんので忘れずに記入します。

(8)署名(記名)・押印
署名(記名)・押印は、契約当事者の署名と押印が必要です。

署名と押印をすることが、
契約書における「契約当事者の意思表示」として捉えられます。

混乱しがちな「署名捺印」と、
「記名押印」、実印と認印についてまとめました。

「署名捺印」…本人が自筆で名前を書いて印鑑を押すこと
「記名押印」…本人の名称を署名以外の方法(印刷・代筆・ゴム印など)で記載し印を押すこと
「実印」…市町村で実印を登録した「印鑑証明書」が取得できるもの
「認印」…実印として登録していない印鑑

(9)物件の表示(目録)
契約の目的物を特定する必要がある場合は、
物件の目録を作成する、または物件の表示を記載します。

例えば、
不動産であれば登記事項、電化製品であれば製品番号や型番などです。

 

契約書に記載すべき条項

契約書には「何を記載しても自由」ですが、
「これだけは記載しておいた方がいい」という条項は、
ある程度存在します。

基本的な「記載すべき条項」をまとめました。

①契約期間…契約日、契約の期間
②履行期限…契約の履行日、引渡日、契約の効力発生日と終了日を定めた履行期限
③不履行の場合…解除・解約・違約金・損害賠償の定め
④期限の利益損失…一定の執行猶予を設けどのような場合に喪失させるのかを定めます
⑤保証・連帯保証…保証人や連帯保証人を付ける場合にはその旨を表記します
⑥危険負担…主に売買契約等で契約日と引き渡し日が異なる場合、その間に目的物が破損などをした場合の損失を負担するかの定め
⑦瑕疵担保責任…目的物に瑕疵があり契約の目的を果たせない場合など減額や契約解除をするのかなどの定め
⑧諸経費の負担…目的物の引渡しや運搬にかかる費用、登記費用、引渡までの保管費用などの負担をどうするかの定め
⑨秘密保持…事実上の企業秘密とされるもの、発明、考案、意匠、著作権、独自ノウハウなど、必要に応じて外部への公開を禁じる旨や、万が一公開や漏洩が認められた場合などの定め
⑩裁判管轄…契約の当事者間で紛争が生じた場合の第一審管轄裁判所を当事者間で定めておく

契約書を交わすのであれば、
トラブルを防ぐためにも上記のことを、
当事者間でよく協議して決める必要があります。

 

契約書に記載してはいけない条項

契約書は「何を記載していても自由です」と、
繰り返しお伝えしていますが、
「法律上の瀬玄」として定めてはならない条項が多数存在します。

【公序良俗に反して無効となる条項】
民法90条によると、人倫違反・正義道徳違反・人の窮状に乗じるもの、
人権侵害などの「社会通念上許容されない事項」など、
「公序良俗に反する条項」は無効となります。

【公序良俗に反する条項と認められるもの】
・嘱託殺人の承諾
・愛人契約
・ギャンブル資金の貸し付けに関する定め

【強行法規に違反して無効となる条項】
契約書では、当事者間の合意の如何を問わずに適用される
「強行法規」となる条項は無効となります。

【建物賃貸借に関する更新拒否による解除条約】
借地借家法第28条によると、建物の賃貸借契約において、
貸主から更新を拒絶される、解約の申し入れがあった、
などのケースは「正当な理由」がなければ認められないとされています。

【金銭消費賃借契約において法に定める上限を超える高利の定め】
利息制限法第1条では、私人間の金銭の貸し借りに関しては、
貸付元本に応じ「年率15%~年率20%まで」の上限利率が定められています。
つまり、これを超えるような高利の利息は、無効となります。

また、出資法第5条では、私人間の金銭の貸し借りに関しては、
「年率109.5%を超える利息の定めはしてはなりません」と記されており、
さらに貸金業者においては、
「年率29.2%を超える利息の定めをしてはなりません」と定められています。

【消費者に生じた損害の賠償責任を全部免除する事項】
消費者契約第8条では、
「消費者に生じた損害の賠償責任を全部免除するような条項は無効」
と記載されています。

上記に記した以外でも、
労働基準法や恩給法など法によって、
様々な強行法規や強行規定が存在します。

 

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次回も「契約書」についてお勉強します。

いのりんでした♪

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【参考サイト】
テンプレートBANK
>>>契約書の書き方・構成のルールと失敗しない為の注意点とは

行政書士 東京中央法務オフィス
>>>契約書の作り方