<企業同士の守秘ルール「秘密保持契約(NDA)とは?【1】> 「秘密保持契約書(NDA)」とは?締結前に知っておきたい「秘密保持契約(NDA)」の概要について

どの企業にも「秘密」が存在します。顧客情報や技術情報など、競争力を維持するための「秘密」を「営業秘密」といいますが、どんなに頑丈なセキュリティで保護・管理しても、企業間ビジネスでの契約により、取引先に知られてしまうこともあります。取引上やむを得ない事とはいえ、その秘密を、取引先から拡散されるようなことがあっては困ります。契約書などで良く目にする機会のある「秘密保持契約」とは、これらの営業秘密を管理するために締結する契約を指すものです。異業種との取引や、企業の垣根を超えた取引などが増える傾向にある昨今では「秘密保持契約」は非常に重要な役割を担います。契約締結時に不利な状況とならないために、「秘密保持契約」の目的や概要、締結前の注意点などを見てみましょう。

 

秘密保持契約(NDA)とは?

秘密保持契約とは、「人の間で締結する営業秘密や個人情報など、業務に関して知った秘密を第三者に開示しない」とする契約を指します。英語では「Non Disposer Agreement」で、ビジネス上では略称の「NDA」として表記されています。別名として「機密保持契約」「守秘義務契約」とも言い、秘密保持契約を交わす場合は、秘密保持契約書を作成します。「業務で秘密を第三者開示しない」となっていますが、その詳細は下記のようになります。

・秘密保持契約での「秘密」…すでに公開済のものや、独自ないし別ソースから入手されたものは除外となるケースがある
・秘密保持契約での「第三者」…取引に関係する企業、弁護士、公認会計士などは除外となるケースがある
・秘密保持契約での「開示」…行政や官公庁、裁判所が要求する場合、その他法律上の開示義務がある場合は除外となるケースがある

 

秘密保持契約が必要である2つの理由

秘密保持契約は、どうしてわざわざ「契約」として交わす必要があるのでしょうか?大きな理由としては、「情報漏洩リスクを軽減するため」なのですが、被るリスクには主に2つの理由があります。

●特許申請のため
秘密保持契約の必要性で、まず挙げれられるのは「情報漏洩リスクの軽減」です。営業秘密は、大切な顧客情報や技術のノウハウなど、企業の生命線とも言える情報です。万が一、取引先から情報が漏洩した場合、相当のリスクが発生する可能性は否めません。特に、特許を申請する場合には、秘密保持契約は必須となります。特許法第29条第1項1号によると、特許申請をするためには「公然知られた発明」でないことが大前提であり「不特定の者に秘密でないものとしてその内容を知られた場合」には、「公知の発明」となってしまうため、特許申請が出来なくなってしまいます。このような事態を回避するためにも、発明に関する契約を交わす場合は、取引先と秘密保持契約を締結することがとても重要になります。

●不正競争を防止するため
自社のサービスと類似したサービスを第三者が提供していた場合、自社の秘密情報が不正競争防止法の「営業秘密」として認められる場合、第三者の類似サービスに対して、損害賠償請求や、差し止め請求をすることが可能です。そのためには、自社の「営業秘密」を「管理」しておかなければ訴えが認められないため、秘密保持契約の締結が必要となります。秘密保持契約を締結していることで「秘密を管理していた」という証拠ととなり、訴えが認められることとなります。こうすることで、類似サービス、類似品による不正競争が抑止されます。

 

秘密保持契約を締結する前の注意点

秘密保持契約を締結する前に、まず自分たちで秘密保持契約の取扱いについて確認してから、契約書を作成することがベストです。秘密保持契約締結前に、確認すべき注意点を下記にまとめました。

(1)「秘密情報」の定義が明確にされているか
秘密保持契約では、「相手方に漏洩されたら損害を被ることにある営業秘密」を定義する必要があります。例えば、定義した営業秘密以外の情報を漏洩した場合は、契約違反とならないことがあるので、どんな情報が営業秘密となるのかをよく検討し、しっかり定義しておきましょう。

(2)秘密保持契約における「相手方の義務」や「義務違反時の措置」を講じているか
自社の営業秘密を受け取る相手方が、秘密情報の取扱いについて、どのような義務を負うべきかの範囲を決めておくこともポイントです。「第三者に秘密を漏洩しないこと」を大前提として、秘密情報を管理する際には、不正アクセスや持ち出し防止対策なども講じるような取決めも必要です。そして、契約を反古して営業秘密を漏洩してしまった場合、その行為に対して、損害賠償を求めることができる旨や、秘密情報使用に対して差止要求ができる旨など「義務違反時の措置」などもしっかりと決めておきます。

(3)契約終了以後のことも想定しているか
契約には期間がありますが、契約が終了したからといって、秘密情報を公開していいわけではありません。契約終了後の秘密情報を守るためには、契約内容の中に、「契約終了後も5年間は契約内容についての効果を持続させること」などの残存条件を明記し、守秘義務を継続してもらう方法があります。また、契約終了時の資料の取扱いについては、返還、または相手方の手で廃棄など、方法を明記しておきましょう、

 

秘密保持契約(NDA)を知るならセミナーがお薦め!

秘密保持契約(NDA)は、企業の利益を守るために必要な契約となってきます。相手方に翻弄されないためにも、しっかりとルールを頭に叩き込み、契約に臨む必要があります。そのためにも、まずはセミナーでしっかりと秘密保持契約(NDA)について学習しておきましょう。

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【参照情報】
ウィキペディア
>>>秘密保持契約

ビジドラ
>>>NDA(秘密保持契約)とは?書き方や契約違反した際の対応についても解説

Digital Workstyle College
>>>秘密保持契約(NDA)のチェックポイント