契約書作成の基本ポイント

契約書は、当事者間の取引の具体的な条件を記載することで、お互いの役割、義務や責任を明確にしたもので、ビジネス(取引)において、もっとも重要かつ基本的な文書と言えます。そこで、契約書作成するときの基本的なポイントについてご紹介します。

※契約書の必要性やメリットについては、以下をご参照ください。
>>>「契約書作成の必要性とそのメリットについて」

 

契約書作成ポイント

1.取引内容についての確認

契約書を作成するにあたり、もっとも重要なのは当事者間で合意した取引における「内容」です。ですので、より具体的に内容を記載する必要があります。

例えば、

  • どのような目的なのか、なんの取引においてのものか?
  • 当事者の役割と責務、それに対応した権利なのか?
  • 対価の有無やその金額
  • 商品やサービスの提供の方法
  • 提供の時期(納期) など

当事者間でお互いが納得できる内容であるのかを協議する必要があります。
この場合の注意点として、取引内容について一貫性があるかどうかの確認が重要です。

それともう一つ、当事者いずれかが契約内容を実施できない、しない場合についての対応方法も、最初に決めておくことも大切です。

 

2.客観的でわかりやすい文章

契約書を第三者が読んでも内容がわかるように簡潔、かつ具体的な文章を心掛ける必要があります。難しいものだと、お互いの理解に齟齬が生じ、トラブルの原因にもなってしまいます。また、抽象的な表現ですと玉虫色の解釈ができてしまうため、権利と義務の範囲が不明確になり、思わぬ損害を被ることがありますので、注意が必要です。

また、契約書に限りませんが、以下の細かい点も確認してください。

  • 一般的な誤字はないか
  • 誤って当事者が逆になってしまっていないか 等

 

3.契約の有効性

契約書が作成されたとしても、取引上の紛争を100%防止することは、難しいのが現実です。
そのため、契約自体が成立して証拠となるように以下を忘れないことが重要です。

①契約当事者の明示

  • 契約当事者が個人であれば、「住所」及び「氏名」を署名又は記名し、押印
  • 個人事業者が「屋号」を使用している場合には、併記
  • 契約当事者が法人であれば、「本店所在地」「商号(名称)」「代表者の資格」(代表取締 役、理事長など)「代表者氏名」+押印(代表印)

※法人自体が存在するのか、また 正当な代表権をもつ者かどうか、会社謄本等で確認することもお勧めします。

 

②契約日の記載

契約成立の時期は、その契約の履行開始時期や消滅時効などの関係からとても重要です。
当事者間の合意の上、契約日を明記してください。

 

4.トラブル発生時の対策

未然防止だけではなく、トラブルや紛争になった場合の条項を契約書に記載しておくことも重要です。

<主な条項>

●「損害賠償」
損害が発生した場合にあらかじめ賠償額を合意しておく。

●「合意管轄」
裁判になった場合にどの裁判所に訴えを起こすかを合意しておく。
特に所在地が離れた相手との契約には必須の事項です。
これは豆知識ですが、訴えを起こした側ではなく、訴えられた側の所在地の裁判所としておくと、裁判に持ち込みにくいという例もあるようです。

●「契約解除事由」
相手方の法律違反や公序良俗違反など、自社に契約があることで不利益を与える場合において一方的な契約解除条件などです。

 

5.印紙税

正直、デジタル化が進む中で、非常にあいまいともいえる税金ですが、印紙を貼っていない場合、印紙税法違反になりますので、確認が必要です。

 

契約書作成セミナー受講のおススメ

契約書作成の主なポイントを簡単にご紹介しましたが、取引にはいろいろ種類があり、その契約形態により、押さえておかなければならないポイントがあります。

ざっと契約種類をあげただけでも、ざっと以下の通り。。。

・商取引に関する契約書
・不動産・動産の売買契約・賃貸借に関する契約書
・金銭消費貸借・債権債務に関する契約書
・抵当権・根抵当権・その他担保権に関する契約書
・債権譲渡・債務引受に関する契約書
・贈与契約に関する契約書
・請負に関する契約書
・会社運営・社内手続に関する契約書
・知的所有権に関する契約書
その他、多数。

その中でも、例えば「商取引に関する契約書」だけでも、

・取引基本契約書
・業務委託契約書
・秘密保持契約書
・代理店契約書
・特約店契約書
その他、多数。

結論から申し上げると、専門家の方に教えを乞うのが一番です。

以下に契約書作成セミナーの最新情報をご紹介いたしますので、こちらをご覧いただき、ご自分の必要なテーマのセミナーを探して、受講して下さい!

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<参考情報>「捨て印」の意味

みなさん、契約書の枠外におく「捨て印」の意味をご存知でしょうか?
意外と知らないで、慣習だと思い、捺印している方もおおいのではないかとおもいます。

捨印は、契約書を作成する場合において、記載の誤りを訂正する際の訂正印の捺印に代えて、
契約書の欄外に捺印するものだそうです。

つまり契約書を交換・提出した後に、相手方がその書面に関して、ある程度まで訂正して構わないという権限を与える趣旨で押す印鑑のことらしいです。

後から訂正できてしまっては?と思われる方も多いかと思いますが、契約書上の誤字 ・脱字や削除・修正事項等が発覚した場合に備えてという部分で、契約書の重要な部分、たとえば取引内容や契約数、契約日などは、これに含まれまいとのことです。

これがないと、誤字脱字レベルでも、契約書が最初から巻き直して締結しなければならないので、そのための便宜上もの。。。

日本の特有の印鑑文化ですね~~