<法務業務の新しい風!日本で拡大しつつある「リーガルテック」とは?【2】> 「リーガルテック」で何かできる?リーガルテックサービスの種類を紹介

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、法務業務においても、契約書の作成業務やチェック業務等のIT化も必要となってきました。そんな法務業務をテクノロジーで解決するサービスとして、法務(リーガル:Legal)×技術(テクノロジー:Tech)を併せた「リーガルテック」がいま注目を集めています。リーガルテックでは、具体的にどのようなサービスがあるのでしょうか?日本のリーガルテックにおける4つの分類と、リーガルテック9つのサービスを紹介して参ります。

 

日本のリーガルテックでは何ができるのか?

つい最近まで、日本企業の働き方は、紙ベースのオフィスワークが中心で、デジタル化に関して積極的でない企業が多く存在しました。主体は紙の契約書で、法務業務に関しても紙ベースで行われるため、リーガルテック発祥の地であるアメリカなどに比べると、大きく遅れを取ってた分野でした。しかし、コロナ禍の影響で、テレワークが拡大し、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取組む中、法務業務もデジタル化が必要と、市場での需要が高まり、日本国内において、リーガルテック企業が参入しはじめました。ひと口に「リーガルテック」といっても様々なサービスが存在しており、主に以下5つに分類されます。

(1)サーチ系
法律にまつわる種々の資料の閲覧を可能にするサービス

(2)契約系
契約回りの様々な課題を解決するサービス

(3)審査・登録系
出願や登録申請など行政手続きの効率化を図るサービス

(4)紛争・訴訟系
訴訟やもめごとへの対処の効率化や提訴をサポートするサービス

(5)法律事務所系
法律事務所における業務の効率化をサポートするサービス

 

日本のリーガルテックサービスの種類

上記のサービスの中でも、日本で特に進んでいるのは以下のサービスとなります。

・電子契約サービス
・契約書、文書管理サービス
・契約書レビュー
・登記、各種申請支援
・弁護士紹介サービス
・eディスカバリ
・集団訴訟プラットフォーム
・労務や人事管理

これらのサービスがリーガルテックにおいて、どのように提供されるのかをご紹介します。

●電子契約サービス
電子契約サービスは契約書などを、クラウド上でやりとりし、電子管理できるサービスを指します。契約業務と言えば、締結などは対面が当たり前でしたが、契約書をクラウド上にアップすることで、対面しなくても電子署名をするだけで契約を締結することが可能です。電子契約サービスを導入することにより、郵送などでやりとりしていた契約書の確認事項などの手間が省け、郵送代の削減にもつながります。さらに、電子契約書は課税文書に該当しないので、印紙代を納める必要もありません。また保管する書類がないので、将来的にはペーパーレス化による省スペースも期待できます。

●契約書、文書管理サービス
契約書のデータ保管を行うには、契約書・文書管理サービスを利用することで、文書の保管、修正、バージョン管理、期中業務管理などの機能が活用できます。ドラフト・レビュー時のデータ参照機能も利用できるので、契約業務のワンストップ化が可能となります。

●契約書レビュー
契約書レビューは法務担当にとって負荷の大きい業務です。この業務も、弁護士の行動をラーニングしたAIを使えば、条文のチェックだけでなく、文章の構成や修正案の提示などもしてくれるので、効率的にレビュー作業を行うことができます。チェック項目は業務ごとの対応も可能であるので、企業にマッチした契約書が作れます。

●登記、各種申請支援
リーガルテックは、法人の登記や転移、商号変更にも自動的作成が可能です。既にひな形があるため、ガイドに従って必要項目を入力すれば、書類が出来上がります。例えば、商標登録などでリーガルテックを使用すれば、インターネットを介しての商標出願が可能となり、その進捗についてもWEB上でチェックできます。最近では、外国人のビザ取得に関する書類作成ツールも開発され、外国人労働者の受け入れ手続きなどがスムーズに行えると期待されています。

●弁護士紹介サービス
ひと口に「弁護士」はたくさん存在しますが、それぞれに得意分野や実績などは異なります。自社の業務にマッチした弁護士を探すのは一苦労です。リーガルテックでは、弁護士の紹介を取り扱っているサービスも存在します。業務や業績だけでなく、特徴や料金なども比較ができるので、ニーズに適した弁護士を探しやすくなります。弁護士紹介サービスは、弁護士にとっても、実績のアピールや相性のいいクライアントが見つかる場となるため、企業、弁護士、どちらにとってもメリットがあります。

●eディスカバリ
eディスカバリは電子情報の開示手続きです。膨大な法務資料を収集・保全・特定・分析をしてくれます。パソコンに限らず、スマホからハードディスク、サーバーなど、幅広く対応しており、必要なデータをあらゆる場所から収集できるようになります。

●フォレンジック
フォレンジックとは、訴訟や内部不正調査を科学的な側面からアプローチする方法です。フォレンジックもeディスカバリ同様にリーガルテック科することで、効率的な情報収集や解析が可能となります。フォレンジックでは一度削除されたハードディスクを復元しての情報解析も可能となるので、証拠集めの時などの心強い味方となります。

●集団訴訟プラットフォーム
集団訴訟は、同じ被害者を集める必要性と同時に、集団訴訟に向いた弁護士を探さなければなりません。リーガルテックを活用し、集団訴訟プラットフォームを設ければ、被害者集めと、弁護士探しを両方同時に行うことができます。プロジェクトを迅速に進める為にも、需要のあるリーガルテックサービスのひとつです。

●労務や人事管理
契約や訴訟意外にも法務担当には、労務や人事の管理があります。法律に基づき適切に管理をしなければ、損害が生じる恐れも想定されます。労務や人事管理を慎重に行うには、リーガルテックで労働基準法や各種法律に則った従業員の人事管理ができます。特に、残業時間の管理、社会保険や労働保険の帳票作成の為のマイナンバーカードの管理などは、人的コストがかかるうえに、個人情報を取り扱う重責もあります。クラウド上で管理できるシステムに任せることで、ヒューマンエラーを防ぎ、効率的な人事管理が可能となります。

 

リーガルテックを詳しくするならセミナーで学ぼう

契約業務だけでなく、書類の管理や労務の管理など、法務の仕事は本当にたくさんあります。リーガルテックを活用できれば、法務の仕事を効率よく回す事ができ、電子書類化、ペーパーレス化についても、前進できる形となります。リーガルテックや企業法務を詳しく学ぶなら、セミナーがお薦めです。セミナーで、最新の企業法務やリーガルテックについて学びましょう。

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【参照情報】
Holmes
>>>リーガルテックとは?概念、背景に加えて、サービス一覧を公開!

DIGITAL SHIFT TIMES
>>>リーガルテックが広まっている背景とは?具体的なサービス例も紹介

LegalForce Column
>>>契約書チェック業務を自動化し、法務業務の効率化を図るには?