不動産投資信託（REIT）への投資メリット・デメリットとは
不動産投資と聞くと、資産運用のひとつというイメージだという方も多いかもしれません。
では、『REIT』という言葉を知っているでしょうか？
これは、最近日本で浸透しつつある不動産投資信託なのですが、
従来のものとどう違うのかを詳しく説明できる方は少ないかもしれません。
このページでは、不動産投資信託（REIT）について説明していきます。
不動産投資信託(REIT：リート)とは何？
REITとは「Real Estate Investment Trust」の略で、もともとアメリカで始まりました。
2001年9月に日本で上場が開始されたため、頭に「JAPAN」の「J」をつけて「J-REAT：ジェイリート」と呼んだりもしますが、
REATと省略する場合が多いです。
REITとは、分かりやすく言えば投資家から集めた資金で不動産に投資する投資信託の1つです。
投資家は「1口」単位でマンションやオフィスビルといった不動産に対して投資を行います。
この「1口」単位の価格のことを「投資口価格（投資証券）」といいます。
投資家から集めた資金を「投資法人（REIT）」が保有するのですが、
投資法人（REIT）自身は「投資信託および投資法人に関する法律」により、不動産業務を実際に運用することはできません。
そのため、実際に資金を運用するのは外部の運用会社になります。
それにより生じた収益が、投資家に分配されるという仕組みです。
また、REITは大きく分けると「投資信託（契約型）」と「投資法人（会社型）」の2つに分けることができます。
契約型は証券取引所で上場されていない投資信託なので、REITという場合は「投資法人（会社型）」を指す場合がほとんどです。
REITに投資するメリットとデメリット
REITに投資することに、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
≪メリット≫
・少額から投資ができる
普通、不動産投資は多額の資金や長期のローンが必要ですが、REITの場合は少額から始められます。
それにより、複数の不動産に投資することができますし、
高額な不動産に投資して失敗するリスクを減らして分散することができます(リスク分散効果)。
また、REITは簡単に売却することもできるので、マイナスになったとしても出資金の範囲になるため、
とり返しが付かない状態にもなりにくいといえます。
・不動産取引について知識がなくてもできる
不動産の専門家がいる投資会社と運用会社が管理運用してくれるので、
投資者は1口単位で投資をするだけで、不動産に関する専門的な知識は必要がありません。
・収益のほとんど(90％以上)が投資家に分配される
不動産運用で出た収益の90％以上が、分配金として投資家に還元されます。
≪デメリット≫
・運用会社が倒産すると、投資した金額の回収が困難
運用は法人の投資会社が行うので、当然倒産してしまうリスクがあります。
投資会社が倒産してしまうと、投資した金額を換金することができなくなり損失になってしまいますし、
また、投資会社が上場廃止になってしまっても、換金するのが難しくなってしまいます。
・価格が変動するので、購入した金額よりも下がる可能性がある
REITは株価と同じで価格が変動します(流動性)。
これは良い面でもありますが、購入時の価格よりも下がってしまうという悪い面も同時にあります。
■REITと一般的な不動産投資信託との違い
一般的な不動産投資信託は、銀行などで資金を調達して不動産を購入し、
その賃料で返済していきながら収益を上げて、徐々に2件目・3件目と物件を購入していきます。
そのため、何千万何億と利益を拡大させる可能性もありますが、裏を返せば数億の負債になる可能性もある怖いものです。
成功するには物件を見極める不動産の知識が必要ですし、入居率を上げるためには適切に管理しないといけません。
管理を外部に委託する場合でも業者選びは投資家自身が行う必要があるので、やはり知識がないとうまくいきません。
REITは、株式投資と同じような金融商品の1つなので、
専門的な知識や多くの資金がなくても始めることができますし、そういった意味ではリスクが少ない投資といえます。
しかし、REITに投資すれば全員が成功できるかといえば「NO」です。
“絶対に儲かる”というのは詐欺と同じで、リスクのない投資はあり得ないのです。
成功するためには、REITの仕組みや最新の正しい情報を得る必要があります。
不動産投資（REIT）に関心があるのなら、本やネットの情報だけで独学するのではなく、
セミナーなどに参加して、専門家の知識や意見を直接聞くことがおすすめです。
同じ参加者の成功談だけではなく失敗談も聞くことができれば、自分で始める際に役立つでしょう。
