<働き方が変われば人事評価も変わる! どうする?テレワークの人事評価【1】> テレワーク下で「納得のできる人事評価」ができているか?

働き方改革法案が提案された2018年頃から比べると、考えられないくらいの拡大を見せたテレワークは、書類の電子化や、印鑑レス、Web面接など、オフィスワークでの「仕事の在り方」を次々と世代交代させています。テレワーク導入から一年を迎える企業も多く、今、テレワーク下での「人事評価」の在り方も見直そうという声が聞こえてきています。実際にテレワーク下に於いて、「納得のできる人事評価を受けてない」という不満もくすぶり始めており、「テレワーク下において人事評価をどうするか」という課題は企業の頭痛のタネではないでしょうか?テレワーク下において、どれくらいの人が「納得のできる人事評価」を得ているのか、人事評価制度の課題点などをまとめてみました。

 

テレワーク下で「従来型」の人事評価は通用するか?

テレワークの導入に関しては、新型コロナウイルスの影響により「すぐにでも導入せざるを得なかった」企業が多く、これまでの仕事のやり方をテレワークに合わせることで手いっぱいとなり、テレワークを導入した後を見通せる余裕がない企業が多く存在します。

●テレワーク下での人事評価を「難しい」と感じる管理職の声
リサーチ会社のアンケートによると、テレワークの人事評価に関して、以下のような回答が寄せられました。

・人事評価をする管理職のうち73.7%が、「オフィス出勤時と比べて部下の人事評価が難しい」
・「テレワークにおける人事評価制度は現在のままでよいか」という問いに対しての52.4%の管理職が、「見直し・改定をする必要がある」と回答

本来であれば、テレワーク向けの人事評価制度を採用しておくなど、フォロー体制も合わせて導入をしておくはずのテレワークが、「働き方改革」という目的ではなく、「新型コロナウイルスの感染症対策」という目的が優先されてしまっているため、人事評価制度がテレワークに追いついていない現場の声がアンケートを通してよく伝わってきます、

●テレワーク下での人事評価が難しい3つの理由

では具体的に、テレワーク下において人事評価が難しい「3つの理由」について、探ってみましょう。

(1)勤務態度を実際に見ることができない
(2)勤務時間の実態を正確に把握しにくい
(3)成果につながる工程や内容などを細かく把握できない

3つの項目に共通して言えることは、「部下とのコミュニケーションが成立していない」ことです。従来の人事評価は、オフィスへの出社していることが大前提で、管理職は、実際に部下の仕事ぶりや進捗状況を我が目で確認できます。そして、部下のモチベーションややる気などの「勤務態度」を目視で確認することが大きな特徴とも言えます。テレワークでは、基本画面越しでの対応となり、営業や経理など比較的成果で確認しやすい部署はともかく、企画や開発部門に関しては、工程や達成度が見えにくくなるため、数値化が難しく、評価しにくいようです。対話している以外の時間に部下が何をしているのか見えない、ということが、人事評価を困難にしている大きな原因の一つとも考えられます。

 

テレワーク下で「納得できる人事評価」「納得できない人事評価」

他方、テレワークに向けの人事評価制度を導入していない企業で、実際に人事評価を受けた従業員からも不満の声が上がっているようです。テレワーク下で受けた人事評価で「納得できる人事評価」と「納得できない人事評価」を、下記にまとめてみました。

●納得できる人事評価
「納得できる人事評価を得た」と感じる人は、具体的に以下の点で納得できたと回答しています。

・成果を出しやすくなった
・成果を正しく評価してもらえるようになった
・個人差が付きやすくなった

テレワーク下の人事評価で納得のできる評価を得た人は、「仕事の成果が出しやすくなった、成果を正しく評価してもらった」と感じていることが特徴です。その理由としては、
「会社に来ただけで評価される」
「成果とは直接関係ない事で評価されなくなった」
「パソコンを使った作業が多くなり効率がアップして成果が出しやすくなった」
などが挙げられます。また、オフィスワークの時よりも、純粋に個人の力量が可視化され、純粋に仕事のスピード感や成果物で評価されるようになったことも影響しているようです。

●納得できない人事評価
「納得できない人事評価を受けた」と感じる人は、具体的に以下の点で納得できないと回答しています。

・コミュニケーションや相互理解の機会が減ったことによる理解不足
・プロセスや取組みを見てもらえない
・正しく評価されているかどうか不信感がある

納得できる評価を得た人とは違い、納得できない人事評価を受けた人は「仕事ぶりを理解してもらえてないのではないか」という不信感を抱いている人が目立ちます。その理由として「コミュニケーション不足」が挙げられており、オフィスワークの頃と比べて「プロセスが見えにくい」「対話する機会も激減している」ことが起因していると考えられます。

 

テレワークに適した人事評価制度導入の課題点

以上を踏まえて、テレワークに適した人事評価を導入するには、3つの課題点をクリアする必要があります

(1)勤務態度の評価方法
オフィスワークでの評価方法の要は「上司による目視」でした。同じフロアで働く従業員のモチベーションや、取り組み方、進捗情報などを目視で確認し、評価する方法です。しかし、テレワークでは「プロセス」を把握できなくなり「成果物」でジャッジしなければならないことが多くなりました。見えない部分での勤務態度をどう評価するかということは、テレワーク下での人事評価でもっとも大きな課題と言えましょう。

(2)準備不足による手続きの遅滞を解消する
コロナ禍では、書類の電子化やハンコレスなど、テレワークに適した決裁方法が整わない状態で、テレワークを導入した企業が多く、人事評価に必要な書類の提出や、決裁の遅れなども、テレワーク下での人事評価を困難にさせている原因の一つとなっています。解消するには、これまで通りの決裁方法から、新しい生活様式に合わせた電子書類化への構築などが必要となってきます。

(3)コミュニケーション不足を解消する
テレワーク下で適正な人事評価をするためには、人事評価に対する不満や不信感をなくすことが優先事項と考えれます。その為にはコミュニケーション不足を解消する必要があります。積極的なコミュニケーションを図れる様、組織全体でルール化するとともに、メールやビジネスチャットだけでなく、Web会議の機会を増やす、上司と相談できる時間を作るなど、コミュニケーション方法に手法を凝らすことも重要です。

 

人事評価制度が気になったらセミナーを受講しよう

テレワークは、企業側も従業員も戸惑うことの連続ですが、正しい人事評価は、従業員のモチベーションを維持するばかりでなく、離職防止にもつながります。自社の人事評価制度が適正に行われているか気になったら、セミナーを受講してみることがお薦めです。テレワークでの人事評価や労務などについて、より詳しく知ることができます。下記URLより、お探しください。

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【参照情報】
HRpro
>>>テレワーク下で生じる「人評価制度」の課題と失敗しない評価の方法

moconaviNOTE
>>>テレワークに合った評価制度とは?事例とともに人事評価の改善点を解説

YAHOO!ニュース
>>>コロナ禍の人事評価が「納得を得られない」事情 テレワーク拡大で見えにくい部下の仕事ぶり

リクルートマネジメントソリューションズ
>>>テレワーク環境下における職場の人事評価ー評価の納得感はどのように変わったのか