【いまココ押さえる企業法務(5) withコロナ時代の就業規則②】 テレワーク導入時に必要な「テレワーク規程」とは?
お疲れ様です!
会社のエライ方が参加するリモート会議で何を着たらいいか、
毎回悩んでいるいのりんです。
去年までガラケー使用でIT初心者の部長が、
チャットで度々「それなw」とか使ってくるようになり、
次はどんな用語が飛び出してくるか、
その進化を密かに楽しんでいます。
女子高生の娘さんがいらっしゃるそうなので、
娘さんがチャットの先生なのかもしれませんね!
さあ、今回のネタもwithコロナ。
タイムリーな「テレワークの就業規則」について、お付き合いください!
テレワーク導入時に就業規則の変更が必要な理由
テレワークを導入する場合は、就業規則の変更が原則となっています。
コロナ禍で急増するテレワークですが、
そもそも2020年4月から施行された「働き方改革」で、
テレワークの導入が順次進められるはずでした。
テレワーク導入の際の就業規則の変更は、
その時から決められていたもので、
コロナ禍でテレワークが増えたからというわけではありません。
では、なぜ就業規則を変えないといけないのでしょうか?
「新しい働き方」とも言えるテレワークでは、
就業規則に係るところで、
以下のような大きな変化があるからです。
・働く場所が変わる(自宅やサテライトオフィスなど)
・働く時間が変わる(始業/就業の時間・休憩時間・休日・年次休暇)
・設備費や通信費がかかる
・通勤手当が変わる
これらの要素に対して新たなルールを制定し、
「テレワーク用の規定」として見直すことが必要となります。
「就業規則の中のテレワークの規定」と「テレワーク規程」どちらが良いか?
「規定」と「規程」の違いで、少々ややこしいお話となります。
テレワーク導入の際に就業規則を変更する場合、
上記で示した「規定」と「規程」の二つの方法があります。
●就業規則の中に「テレワーク規定」を組み込む
まずは就業規則の中に、
「テレワークに関する規定」を定めて組み込む方法です。
この方法だと、
就業規則本体のボリュームが増えてしまうため、
あまり推奨されていません。
●テレワークに合った規定を制定し「テレワーク規程」という別規程を作成する
一般的な方法は、
テレワークに関連する規定を制定し、
それを「テレワーク規程」としてまとめ、
就業規則の一部とする方法です。
就業規則には、
「賃金規程」や「育児・介護休業規程」など、
カテゴリ別に分かれた規程が存在しますが、
テレワーク規程もその仲間入りをするということですね。
例えば、従業員が10人未満の会社の場合は、
基本的に就業規則の作成義務はありませんが、
テレワークのルールを周知するためにも、
テレワーク規程の作成は必要となります。
テレワーク規程で定める事項とは?
実際にテレワークに関した規定を作成するには、
何を定めたらよいのでしょうか?
業種や職種によって差はありますが、
一般的な項目をピックアップし、
下記にまとめました。
●テレワークの定義を決める
まずは会社側の方で、
「我が社のテレワークとはこうである」というような、
定義を示す必要があります。
例えば、
在宅勤務でのテレワークを導入する場合は、
「第〇条従業員の自宅および自宅に準ずる場所において、
情報通信機器を利用した業務を指す」
というような表現を用います。
●テレワークの条件を決める
定義が決まったら、
次に「テレワークの条件」を定めます。
「テレワークの条件」とは、
「対象者」「期間」「場所」などが含まれます。
・テレワーク対象者
テレワークの対象には、
「テレワークを希望するもの」
「テレワークができると判断されたもの」
などが一般的でしたが、
新型コロナウイルスのような、
感染症対策でのテレワーク導入をスムーズとするために、
「会社側からの要請によるテレワークへの切り替え」を、
規定として盛り込むことが推奨されています。
●テレワークの期間や職種の範囲
育児中や介護中など、家庭の事情で止む無く、
テレワークを選択する方などむけに定めるルールです。
前述した新型コロナウイルスの感染予防や、
政府からの出勤自粛要請などに合わせた
期間限定項目なども制定すると良いとされています。
これ以外にも社内のとある職種に限定する、
年次に限定するなど、
会社の業務に合わせたルールで定めることがおすすめです。
●テレワークの場所
テレワークには、
「在宅勤務」以外にも、
「サテライトオフィス勤務」
「モバイル勤務」などが存在します。
在宅勤務に限らない場合は、
それぞれの項目に合わせた規定が必要となります。
●テレワーク利用申請方法の制定
新型コロナウイルス感染症の場合は、
緊急事態宣言や、出勤自粛要請など、
いわゆる「非常事態下」においてのテレワーク導入であったため、
トップダウンでテレワークとなってしまった
ケースが目立ちましたが、本来のテレワークは、
従業員から申出て、会社が審査し、許可を出す、
いわゆる「許可制」としておくことが一般的です。
テレワークの申請方法、
会社側の審査基準などのルール決めが、
必要とされています。
●通勤手当
テレワークにおいて関心が高い項目の一つが、
「通勤手当」いわゆる「交通費」ではないでしょうか?
通勤手当に関しては「通勤定期代」として支払うのではなく、
出社した日数分の交通費を支給するという企業が多いようです。
一ヵ月丸々テレワークという場合には、
支給しなくても問題はありません。
●機材や費用負担についての取決め
テレワーク勤務者にとっては、
パソコンなどの通信機器を使用する際の、
通信費や消耗品の費用も気になるところです。
必要となる費用の負担割合も、
ルールを定めておく必要があります。
ルール決めに関して、
以下のような例を挙げておきます。
・会社が貸与する情報通信機器を利用する場合の通信費は会社負担とする
・在宅勤務に伴って発生する水道光熱費は在宅勤務者の負担とする
・業務に必要な郵送費、事務用品、消耗品、その他、会社が認めた費用に関しては会社負担とする
・それ以外の費用については在宅勤務者負担とする
また、テレワーク勤務者に対して「在宅勤務手当」として、
ある程度まとまって金額で支給するケースもあるようです。
●業務の開始時間と終了時間の報告手段
オフィス勤務とテレワーク勤務では、勤怠確認も異なります。
テレワーク時の出退勤確認には、
電話、メール、出退勤ツールなどの手法があります。
会社によっては、
業務報告を勤怠確認に組み込むケースもあります。
出退勤ツールを利用するケースが増えており、
会社に併せた管理方法で定めることが推奨されています。
●労働時間管理
テレワーク勤務であっても、
通常の労働時間制度、フレックスタイム制度、
みなし労働時間制度、裁量労働時間制度など、
どの労働時間制度を利用しても問題ないことになっていますが、
多くの会社では、
「通常の労働時間に関する規定に在宅勤務時間の規定を追加するケース」
が採用されています。
家庭の事情で通常の労働時間では難しい場合は、
予め申請して許可を取るなどの、
自由度を設けること良しとしています。
もちろん、テレワークであってもオフィスワークと変わらず、
大前提として、労働基準法に準じた休憩や休日の設定は必要です。
・原則として1日以上の休日を付与すること(労働基準法35条)
・1週40時間かつ1日8時間を超えて労働させないこと(労働基準法32条)
・勤務が6時間以上なら45分以上、8時間以上なら60分以上の休憩時間を付与すること(労働基準法34条)
(参照)e-Gov電子政府の総合窓口
>>>労働基準法
実務上の勤怠確認は、
ITでの勤怠管理ツールを導入し、
休憩時間などを管理する方法があります。
テレワーク導入、ルール策定はセミナーで学ぼう!
新型コロナウイルスの影響で、
テレワークを導入する会社が増える一方で、
ルール決めに関しては後手に回ってしまっている会社も少なくありません。
ルール決めがきちんとされていなければ、
従業員も安心して業務につけません。
テレワークのルール決めに迷ったら、
セミナーの力を借りるのはいかがでしょうか?
テレワークをはじめ、
コロナ禍での「新しい働き方」での、
会社運営のお役に立つ知識がここにはあります。
さらに、
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■ビジネスクラス・セミナー(会場型セミナー)
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withコロナ時代の企業法務、
次回は就業規則の実務上での変更ポイントなどをご紹介します。
またお付き合いくださいませ。
いのりんでした♪
【参照情報】
Remote Work Labo
>>>在宅勤務に関する就業規則、ポイントは5つ【例文も紹介】
リモートワーク部
>>>在宅ワークでの難関!?時間管理の方法について徹底解説!
LEGAL MEDIA
>>>テレワークを導入したら就業規則の変更は必要