労務トラブル対策セミナーの必要性
概要
大手広告会社の労働基準法違反に対する有罪判決は記憶に新しいところですが、従業員を雇用している企業にとって、その規模を問わず、他人事の問題ではありません。
労務トラブル(紛争)が発生すれば、その解決のための時間や労力だけでなく、他の従業員のモチベーション低下を招き、さらには優秀な従業員の離脱や新規採用でのマイナス要因にもなり、事業全体に大きな負の影響を与えることになるからです。
そのことからも、労務トラブルを未然に防ぐことが、企業にとって、ますます重要な課題となってきています。
しかし、厚生労働所の「平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、平成27年度は、前年度と比べ、総合労働相談の件数が微増、助言・指導申出、あっせん申請の件数が減少しものの、総合労働相談の件数は8年連続で100万件を超え、高止まりしており、労働トラブルは後を絶ちません。
▼ 厚生労働省Press Release
「平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況」
この大きな一つの原因として、企業側の以下のような「労働基準法」や「労働契約法」の基本的な部分の理解度の低さあるようです。
労働基準法と労働契約法の違い
労働基準法には罰則が規定されており、国が企業(使用者)を取り締まるための法律であり、一方、労働契約法は、使用者と労働者の関係を民事的に規律するための法律です。
労働基準法は、強制法規
企業側がもっとも理解しなければならないのは、労働基準法の規定は強行法規であり、労働基準法の規定に反する労使間の合意は無効となることです。
つまり通常の契約では、契約当事者同士の合意が原則ですが、労働契約の場合は、労働基準法に反する就業規則の規定や、個別労働契約書の条項は無効となり、また、企業が就業規則や個別労働契約書で、労働基準法を逸脱した処遇をした場合には、合意の内容にかかわりなく、企業側がペナルティを負うことになります。
そして、労務トラブルの根本的な発生原因として、「法律よりも社長や会社のルールが優先する」という誤った認識が企業内で蔓延していることです。
例えば、
「無断で退職した従業員には最後の月の賃金は支払わない。」
「仕事をサボっていた従業員には解雇予告手当など払わない。」
「労働契約に残業代のことは書いていないので残業代は支払わない。」
など、企業側の理論で対応してしまう場合です。
このような企業側の対応により労働トラブルが生じ、大きな損失を被るケースが意外と多く見受けられます。
◆労務トラブル対策セミナーの必要性
企業が「労働基準法」「労働契約法」を正しく理解することが不可欠かつ、従業員との「労働契約書」や「就業規則」を整備することが必要となっています。それを実行していくためには、労務トラブル分野に強い専門家から、基本的知識や対策ノウハウを学ぶことが重要であり、短期間で習得できる労務トラブル対策セミナーの受講も効率がよい手法の一つと言えます。