【企業法務の基礎知識41 若葉マークの入門編】 アイデアをビジネスに活かす!ビジネス特許について② ビジネス特許の特許事例について

お疲れ様です!いのりんです♪

近所をお散歩していたら、
会社近くでよく見かけていたキッチンカーを発見!

お昼どきだったのでのぞいてみたら、
なじみのお弁当屋さんの車だったんです。

お姉さんに話をきいたところ、
オフィス街でのお弁当売りが厳しくなったので、
新規開拓であちこち回っているとのことでした。

偶然の再会に喜び、
超おいしいガパオ弁当にも久々にありつけました。

週に1回周ってくるとのことだったので、
これからのランチが楽しみです♪

…でもこうなると、逆の意味で里心がつくというか、
オフィス近辺で毎日ランチ何にしよう?と、
悩んでいたことが懐かしくも思います。

ラーメン屋さんとかも売りにこないかなあ。

 

おっと。腹ペコな話をしている時間はありません。
今回も法務のお勉強です!

引き続き「ビジネスモデル特許」について、
解説してまいります。

 

ビジネスモデル特許の判断基準とは?

ビジネスモデル特許の判断は、
「特許法」に基づいて行われます。

「特許法」の中で、
「ビジネスモデル特許」という項目を設けてはいませんが、
ビジネスに関しての発明の成立等を争点とした裁判は、
今のようにコンピュータやインターネットを
活用したビジネスが生まれる前から、
繰り返し行われてきており、
その審決の情報は長年蓄積してきていました。

時代が進むとともに、
コンピュータを使ったビジネスも増加しはじめ、
2000年に「特定技術分野の審査基準」の中に、
「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」の
審査基準が加えられたのです。

今回のテーマである「ビジネスモデル特許」においては、
ビジネスの方法を、
コンピュータ・ソフトウエアによって
システム化した発明に関するものであることから、
特許として申請された際に、
「コンピュータ。ソフトウエア関連発明」の審査基準に則って、
審査されていると考えることが妥当であるとされています。

 

ビジネスモデル特許の事例をご紹介

では実際、ビジネスモデル特許として認められている特許は、
どのような発明なのでしょうか?

実際に特許を取得している4つのケースをご紹介します。

【CASE1:花の販売方法(特開平9-204466号)】
花屋に訪れて花を購入する、
これまでの花屋さんでの販売方法ではなく、
インターネットを活用した顧客のニーズに合わせた
花の販売方法を可能にしたビジネスモデル特許です。

①花及び花に関する情報を、インターネットに接続可能はホストコンピュータに入力しておく

②パーソナルコンピュータ等の端末からクライアントがアクセスし、①のホストコンピュータに記録されている情報を活用し、花・ラッピング・リボンなど自己のコンピュータに表示する

③好きな花や好みのラッピング、リボン等、クライアントの希望通りの商品を選択できるようにする。

【CASE2:個人のライフプランに基づく最適保険の自動設計装置(特開平8-287159号)】
保険販売員が豊富な経験を生かして、
顧客一人一人に対して時間をかけて行ってきた
従来タイプの生命保険商品販売方法を、
コンピュータの演算処理能力の向上を踏まえて、
よりこうかてきに実行できるように生み出された、
保険を最適化するビジネスシステムです。

①個人の死亡後に発生する資金を「遺された家族の生活費等・毎年発生する資金」と「葬式費用・相続税のように個人の死亡した年のみに発生する一時的な資金」とに分類する

②その資金のタイプに適合させて、終身保険・定期保険等の種類の保険商品の組み合わせを提案する

③ノート型パソコンに②の最適な組み合わせを演算するための必要なデータと演算処理のためのプログラムを記憶さておき、必要データを入力、被保険者の目の前で最適化した保険の組み合わせを提案する

【CASE3:仮想現実空間を利用したバーチャルハウジングセンターによる住宅総合案内システム(特開平11-15995号)】
通常、住宅展示場などで行ってる住宅総合案内サービスを、
インターネットとコンピュータ技術を駆使した、
仮想現実空間を利用した住宅の
展示・案内・販売を実施するビジネスモデル特許です。

①サーバ管理者がインターネット上にバーチャルハウジングセンターを生成できるサーバを設置して住宅総合案内サービスを提供する

②住宅販売会社がサーバ管理者に申し込んでバーチャルハウジングセンターの一部割当てを受け、自社が提供する住宅展示場を提供する

③住宅購入希望者がネットワークを介して②のサーバにアクセスして②の企業の提供する住宅情報を受け取る

【CASE4:アドバイスシステム(特開平9-245088号)】
カウンセリング業者が開発した
インターネットの双方向性を上手に活用したビジネスモデル特許です。

①相談者に対するアドバイス用のホームページのサイトを持つWWWサーバをインターネット上に開設する

②①のホームページにはアドバイス用の質問項目とこれに対して相談者が選択する回答項目を設けられるようにする

③ネットワークを通じてアクセスしてきた相談者が回答した後に、カウンセリング業者からアドバイスを届けていいか相談者に問合せが行き、望めば業者の方から電子メールでアドバイスが届けられる

これらのビジネスモデル特許を見ると、
「画面で好きなものを選択」や「バーチャル住宅展示場」など、
普段インターネットを使っていると
良く目にする仕組みであることに気づきますね。

日頃、自然に便利づかいしているものは、
やはり「技術的発明」が認められているものが多いのだろうと思われます。

 

ビジネスモデル特許も「無効裁判」を起こされることがある

ビジネスモデル特許の中には、
一度特許を取得した後に、
「無効裁判」を起こされることがあります。

例えば、
全日本空輸が取得したチケット予約システム(特許第3179409号/特許第34000447号)の特許について、
日本航空が侵害訴訟を起こしました。

この件に関しては、
無効審判をした際に権利範囲が狭まったとされ、
日本航空側が損害賠償請求を放棄することになりました。

「ビジネスモデル」に関する特許の裁判は歴史がありますが、
「コンピュータを利用した狭義でのビジネスモデル特許」については、
まだ裁判数が少ないのが現状です。

より適正な審査をするためにも特許庁には、
審査請求の充実などが求められています。

 

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今回もお付き合いありがとうございました!
また次のテーマでお会いしましょう。

いのりんでした♪

 

【参照情報】
e-Gov電子政府の総合窓口
>>>特許法

鈴木正次特許事務所
>>>ビジネスモデル特許の具体例

ライトハウス国際特許事務所
>>>ビジネスモデル特許の知識

ウィキペディア
>>>ビジネス特許