<企業を支えるスペシャリスト「中小企業診断士」になる方法【2】> 中小企業診断士になるためステップと仕事の多様化における中小企業診断士の役割について
経営コンサルティングができる唯一の国家資格とされている中小企業診断士は、キャリアアップや独立のために取得しておきたい資格として人気が高まっています。企業への経営コンサルティングの他、企業内で経営戦略に関わる仕事で活用できる中小企業診断士の資格は、合格率4%という狭き門の難関です。企業の経営に関わる知識を武器に、経営全般の調査分析や、経営へのアドバイスができる中小企業診断士なるためには、どうしたらよいのでしょうか?中小企業診断士になるための試験や、合格した後の中小企業診断士の需要などについて解説いたします。
中小企業診断士制度で実施される国家試験
中小企業診断士制度とは、中小企業者が適切な経営の診断や経営に関するアドバイスを受ける際に、一定レベル以上の能力を持った中小企業診断士の選定を容易にするために設けられた登録制度を指します。そして中小企業診断士試験とは「中小企業支援法」第11条に基づいて実施される国家試験で、合格者は有資格者として経済産業大臣によって中小企業診断士として登録されます。中小企業診断士の資格を取得するためには、まず「中小企業診断士試験」という国家試験に合格する必要があります。
中小企業診断士試験から登録までのステップ
中小企業診断士試験から登録までのおおまかなステップは以下の通りです。
●中小企業診断士第1次試験に合格する
中小企業診断士第1次試験科目は7科目となります。中小企業診断士になるために必要な学識を有しているかどうかを判断するテストで、多肢選択式の筆記試験が実施されます。
・経済学/経営政策
・財務/会計
・企業経営理論
・運営管理(オペレーション/マネジメント)
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営/中小企業政策
●第1次試験合格後は「第2次試験」か「養成課程修了」かを選択する
中小企業診断士試験の第1次試験合格後は、2つのパターンいずれかを選んで中小企業診断士登録を目指します。
(1)中小企業診断士第2次試験合格後に実務補習を修了するか診断実務に従事する
【中小企業診断士第2次試験の内容】
第2次試験は、中小企業診断士となるために必要な応用能力を有するかどうかが問われます。診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、筆記試験と口述試験が行われます。
・筆記試験
中小企業の診断及び助言に関する実務の実例Ⅰ~Ⅳの4科目
・口述試験
↓
選択肢①実務補習(15日間以上)
中小企業診断士実務補習は、中小企業診断士合格者を対象に15日間の実習方式で実施します。
・指導員の指導のもと1グループ6人編成で行う
・3企業に対して現場診断、調査、資料分析、診断報告書の作成、報告会の実施
選択肢②診断実務従事(15日間以上)
↓
中小企業診断士登録
(2)中小企業基盤整備機構または登録養成機関が実施する養成課程を受ける
中小企業基盤整備機構または登録養成機関などに所属し、そこで実施する養成課程を受け、中小企業診断士の登録を目指すパターンです。経営コンサルティング企業など、多くの選択肢があります。
●中小企業診断士試験の合格率
中小企業診断士の合格率は第1次試験、第2次試験それぞれ約20%前後と言われています。第1次試験と第2次試験の合格率を割ると、最終合格率は約4%となり、中小企業診断士試験の合格は狭き門であるということがわかります。同じような合格率の国家資格には、気象予報士や弁理士が挙げられます。
●中小企業診断士第1次試験の免除対象
中小企業診断士第1次試験の免除対象は以下のとおりです。
①科目合格による免除
・中小企業診断士第1次試験に不合格になった場合でも、各科目の60点以上の点数を取得していれば、翌年、翌々年の試験受験時には「科目合格」となり、科目免除される
・7科目中、自分が科目合格した分野で科目免除を受けることが可能で、その数に制限はない
②中小企業診断士第1次試験の「財務・会計科目が免除」となるもの
・公認会計士
・公認会計士試験合格者
・会計士補
・会計士補となる有資格者
・税理士
・税理士試験合格者
・税理士試験免除者
・弁護士
・弁護士または弁護士となる資格を有するもの
③中小企業診断士第1次試験の「経済学・経済政策の科目が免除」となるもの
・通算3年以上勤務する大学等の経済学の教授及び准教授
・旧助教授
・経済学博士
・公認会計士試験または旧公認会計士試験第2次試験において経済学を受験して合格した者
・不動産鑑定士
・不動産鑑定士試験合格
・不動産鑑定士補
・旧不動産鑑定士試験第2次試験合格者
④中小企業診断士第1次試験の「経営法務科目が免除」となるもの
・弁護士
・司法試験合格者
・旧司法試験第2次試験合格者
⑤中小企業診断士診断第1次試験の「経営法務科目が免除」となるもの
・技術士(情報工学部門登録者に限る)
・技術士となる資格を有するもの
・次の区分の情報処理技術者試験合格者(ITストラテジスト・システムアーキテクト・応用情報技術者・システムアナリスト・アプリケーションエンジニア・システム監査・プロジェクトマネージャ・ソフトウェア開発・第1種、情報処理システム監査、特種)
●科目免除をするには申請が必要
受験を申し込む際に「免除申請欄」があり、科目免除コード番号と科目合格した年度の受験番号を記入すると科目免除を受けることができます。
仕事の多様化における中小企業診断士の役割
中小企業診断士試験に合格し、晴れて中小企業診断士となったその先、活躍の場はどこにあるのでしょうか?一般的に、中小企業診断士の主戦場は「経営コンサルティング」の色合いが強いですが、リモートワークやITによるDX化など、職場環境や働き方が多様化しています。特にコロナ禍においては、あらゆる企業が経営危機に陥っており、活路を模索している中にあります。そのため、幅広い知識を持つ中小企業診断士は、あらゆる領域に進出することができるマルチな資格として以下シーンでの活躍が期待されています。
・新分野進出、新規創業、事業再生支援のサポート
・海外展開支援
・デジタルトランスフォーメーション導入支援
・デジタルマーケティングを活用した売上向上支援
・農林水産業、介護、福祉、NPO法人への支援事業
・事業継承、M&A
事実、近年では「中小企業診断士資格必須」で求人を出している企業が増加傾向にあり、中小企業診断士の活躍の場は今後も増えてゆくでしょう。
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【参照情報】
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