<企業を支えるスペシャリスト「中小企業診断士」になる方法【1】> 中小企業診断士とはどんな仕事?スキルや能力について解説

「コンサルティング」という仕事は、例えば、ファイナンシャルプランナーや社会保険労務士などを思い浮かびますが、経営分野に関するコンサルティング業務の資格は、唯一「中小企業診断士」だけになります。企業の経営アドバイスや、診断を行う「中小企業診断士」は、あまり耳慣れない「知る人ぞ知る資格」ですが、この中小企業診断士の需要が今、高まりつつあります。中小企業診断士とは、どのような仕事なのでしょうか? 中小企業診断士の仕事内容、スキルや能力について解説します。

 

「中小企業診断士」について知ろう

中小企業診断士は、中小企業の経営状態などについて、アドバイスや診断を行うスペシャリストです。「中小企業支援法第11条」に基づき、法律上の国家資格として経済産業大臣によって登録されます。この制度を「中小企業診断士制度」と言います。中小企業診断士制度は、一定レベル以上の能力を持った中小企業診断士が登録されるための制度で、中小企業診断士として登録されるには、国家資格が必要となります。いわゆる、業務独占資格ではないため、厳密にいうと資格がなくても中小企業診断士を名乗ることは可能ですが、一般的には名称独占規格に準じる扱いを受けています。中小企業診断士は、経営コンサルティングができる唯一の資格としても知られており、コンサルティング業として独立できるほか、企業内でも有効に生かせる資格なので、キャリアアップのために取得する人も増えています。

 

■中小企業診断士の仕事内容について
次に、中小企業診断士の仕事内容について見てみましょう。中小企業診断士の主な仕事内容は、主に以下にように分類されます。

・企業の経営課題に対応するため経営コンサルティングとしてアドバイスを行う
・中小企業と行政・金融機関などを繋ぐパイプ役を担う
・行政や金融機関から資金や補助金などの調達を行う
・中小企業施策を適切に活用して企業を支援する

この他にも「知識を生かしての執筆活動」や「経験を生かしての講演活動」などもあります。

 

独立型?企業内?中小企業診断士の活躍するシーンについて

中小企業診断士は、「経営コンサルタント」として活躍できる資格として知られていますが、独立せずに企業内で企業診断士としてのスキルを活かすこともできます。それぞれ、どのような活躍の場があるか解説します。

(1)独立型中小企業診断士の仕事
中小企業診断士の資格を取得し、経営コンサルタントとしての独立開業を希望する人は、少なくありません。この、独立型中小企業診断士は、中小企業診断士の資格保有者のうちの約3割と言われています。独立型中小企業診断士は、企業から経営について相談を受けると、まずデータの収集、調査・分析をして現状を把握します。次のステップとして、経営の改善に関する提案書を作成し、必要があれば、金融機関から資金を調達する、行政から補助金や支援施策を受けられるようにするための交渉を行います。独立型中小企業診断士の場合、経営の立て直しだけでなく、新しく企業を創るための創業支援に関わるケースもあります。

(2)企業内で活躍する中小企業診断士
中小企業診断士の活躍シーンは、独立開業だけではありません。企業に属しながら中小企業診断士の資格を取得し、経営企画室や、研究・開発部門、IT系や営業などに、知識を生かして働くケースもあります。独立開業型よりも安定した収入が得られる、ということもありますが、中小企業診断士の資格で仕事の選択肢を増やし、企業内でキャリアを積む、という目的を持った人も多いようです。企業内中小企業診断士は独立型より多く、約7割が該当するとのことです。また、企業に属すという意味では、開業した独立型中小企業診断士の会社で働くというケースもあります。

 

中小企業診断士に必要なスキル・能力は?

中小企業診断士に必要なスキルや能力についてまとめました。

●経営に関して知識を蓄えるための向上心と向学心
中小企業診断士の資格を生かして、経営コンサルタントとして働く場合でも、企業内中小企業診断士として働く場合でも、経営に関する知識を強く求められます。また、数字に強さ、思考力、資料をまとめる能力も必要です。合格率4%の狭き門である、中小企業診断士の資格が取れるのですから、申し分のない知識は備えていると思われますが、知識だけで企業のサポートはできません。日々の業務から、経営に関するノウハウを学び、経験を蓄積していく必要があります。もちろん、社会情勢や法令改正などがありますので、新しい知識も仕入れなければいけません。一流の中小企業診断士となるためにも、経営に関しての知識を蓄えるための向上心と向学心は、常に持ち続けることが重要です。

●ブレない冷静な分析力と決断力
中小企業診断士に必要な能力として、冷静な分析力と決断力も挙げられます。経営コンサルタントへ相談を持ち掛ける企業の多くは、深刻な経営難に陥っているケースです。相談に対して、ある時は苦言を呈し、またある時は、経営難を打開するためのアドバイスを与えることがあります。そんな時に必要なのは、冷静に状況を分析し、決断できる能力です。断定的なことで短絡的な判断を下してしまったり、意見がブレることはあってはなりません。自分の軸をしっかり持ち、ブレない冷静な分析力と決断力でアドバイスができれば、企業からの信頼度がアップします。

●コミュニケーション能力
中小企業診断士の経営コンサルタントが特に必要とするスキルは、「コミュニケーション能力」です。経営コンサルタントは、助けを求めてきた企業の経営者の話に耳を傾け、問題点をヒアリングして、打開策を考える作業をします。この時に、うまくコミュニケーションが取れず、情報収集ができなければ、本当に必要な解決策が見えてこず、うまくコンサルティングできない状況になります。また、場合によっては、金融機関や行政との交渉が必要となるため、どんな人に対しても円滑なコミュニケーションが取れるような能力が望ましいとされています。

●体力と強いメンタルが必要
中小企業診断士として経営コンサルティングをする場合、相手の企業の行く末を左右する重責を担わなければなりません。重責と言葉で言えば簡単ですが、経営者だけでなく、社員とその家族に対しても責任が発生します。人の人生を左右するのですから、まずは強いメンタルを持っていないと自分がつぶれてしまいます。また、深く関われば関わるほど、考える時間や作業時間が増えてゆくため、体力も必要となります。休みのない生活や、作業で削られる体力も覚悟の上で、臨む必要があります。

 

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【参照情報】
ウィキペディア
>>>中小企業診断士

アガルートアカデミー
>>>中小企業診断士とはどんな仕事?年収も含めて詳しく解説

J-SMECA
>>>中小企業診断士ってなに?

BrushUP学び
>>>中小企業診断士になるには