2019年10月導入決定!話題の「軽減税率」を学ぼう!

何かと話題の「軽減税率」は2019年10月に消費税10%とともに導入が決まっています。軽減税率とは何か?軽減税率対象品目や、軽減税率制度導入に向けての準備などを、学んでおいて損はない、「軽減税率」についてご紹介します。

 

軽減税率とは?

「軽減税率」とは、特定の商品の課税率を、一般的な消費税率と比べて低く設定する税率を指します。海外でも「軽減税率」を導入している国も多く、例えばフランスでは、標準的な消費税率20%に対して、食料品の消費税率が5%、中国では標準的な消費税率17%に対して、食料品の消費税率が13%と、国によってルールが違います。

今回、日本で話題となっている軽減税率は、2019年10月からの消費税率10%増税に際し「低所得者へ経済的な配慮をする」という目的の為に導入されるもので、国が決めた「生活する上で必須となる飲食料品」などの税率が低くなります。導入されると同じ店舗に、消費税10%の商品と消費税8%の商品が並ぶことから、軽減税率は別名「複数税率」と呼ばれることもあります。

 

これは8%?10%?気になる軽減税率対象品目について

今回導入される消費税の軽減税率制度では、国によって「軽減税率の対象品目」定められています。消費税8%のまま据え置かれる対象品目は、「酒類を除く食品表示法に規定されている飲食料品と週2回以上発行されている新聞」です。それ以外の「酒類」「外食」「ケータリング」などは、軽減税率対象外品目となり、消費税10%が適用されます。

以下に「軽減税率対象品目」「軽減税率対象外品目」と、未だ政府内でも協議中の「どちらか決まっていないもの」をまとめました。

・軽減税率対象品目(消費税8%)
牛丼店、ハンバーガーショップなどファストフードの持ち帰り
持ち帰りが前提のコンビニの弁当、総菜
椅子やテーブルのない屋台飲食店
宅配ピザ、出前の寿司、蕎麦、ラーメンなど
有料老人ホーム等での食事の提供
配膳されるタイプの学校給食
ホテルや旅館の冷蔵庫内の飲料
フルーツ狩りで購入したフルーツの代金
ノンアルコールビール、みりん風調味料
週2回以降定期購読している新聞

・軽減税率対象外品目(消費税10%)
牛丼店・ハンバーガーショップなどファストフードの店内飲食
飲食スペースがあり、返却が必要な食器に盛られた食べ物(コンビニ・フードコートなど)
椅子やテーブルで食事ができる屋台飲食店
ホテルのルームサービス
ケータリングサービス
フルーツ狩りで収穫したフルーツを果樹園内で飲食する時
電子版の新聞
コンビニなどで販売されている新聞

・どちらか決まっていないもの
機内食や新幹線のワゴンサービス…持ち帰りかどうか判断が曖昧なので軽減税率が適用されるかは未定
おまけつきお菓子(一体型商品)…一定金額以下の少額であれば、飲食料品が主たる要素を占めている限り8%だが、一定金額の範囲は現在政府で協議中

 

軽減税率制度、企業や小売店はどう対策するか?

軽減税率制度導入に向けて、企業や小売店がしておくべき対策とはどのようなものでしょうか?

・軽減税率対応のレジや新システムの導入
軽減税率対象品目の取り扱いが多い、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでは、持ち帰るか、飲食していくかは会計時にレジで確認する必要があるため、まず、10%にも8%にも対応できるレジやPOSシステムの導入が必須となります。また受発注のシステムにも複数税率対応は必要です。母体企業が大手の場合は、会社主導でレジの改修を実施できますが、個人経営の小売店舗などでは対応が遅れるケースがあるので、遅くとも夏前には、メーカーなどに問い合わせておく事をおすすめします。

・商品の税率変更・価格表示変更
軽減税率制度がスタートする前に、自分の店舗の商品や税率を確認し、8%と10%のものを把握しておく必要があります。また、対象品目、対象外品目については前述した以外でも例外、またはグレーゾーンの商品もあるので、不明点はピックアップし、情報共有をしておくと混乱を防ぐことができます。価格表示や値札を使用している店舗では、前日に貼り替え、書換えなどの作業もあります。

・帳簿や請求書処理など事務処理上での変更
2019年10月1日から2022年9月30日までの期間、帳簿や請求書処理などの事務処理上でも変更があります。従来の「請求書等保存方式」を維持しつつ、軽減税率の税率ごとに区分される処理に対応するための措置として「区分記載請求書等保存方式」が採用されます。

仕入税額控除は、これまでどおり「帳簿」と「請求書等」の保存を要件としていますが、売り手側に区分記載請求書等の発行は義務付けられていないので、発行された請求書などに税率の区分の記載がない場合は、買い手側が事実に基づいての追記をすることにより、仕入税額控除の適用となります。また帳簿についても、従来通りの項目に加え、新たに「軽減税率の対象品目であることの明記」が追加されます。

・従業員への教育
消費税増税、軽減税率導入直後は、店に訪れる客が価格を理解していないケースが想定されます。まずは、事前に会社全体、小売り店舗全体で制度について理解し、客からの問い合わせやクレームにスムーズに対応できる体制を整えておく事が重要です。

 

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