<自動車業界を大きく変える「CASE」に迫る!【2】> CASEの「Connected」業界が注目するコネクテッド化について

CASEの文字並びのトップに来る「C:Connected(コネクテッド)」、古くから歴史のある世界各国の自動車メーカーが、最先端の技術を持つ通信業界やIT企業などの異業種と手を組んで挑む、これまでにない取組みです。自動車メーカーだけでなく、あらゆる業界が注目する「Connected」、自動車のコネクテッド化について解説いたします。

 

Connected(コネクテッド)化した自動車「コネクテッドカー」とは?

ひと言で表現すると、自動車のコネクテッド化とは、「自動車に常時インターネットが接続している状態」を意味します。この場合の「インターネットに接続している状態」というのは、パソコンやスマホなどでウェブサイトを閲覧したり、何かを検索する「インターネットが使える状態」ではなく、例えば車両のコンディションやリアルタイムの道路状況、走行データ、搭乗者データなどの、様々なデータを収集、集積・分析することで、様々な評価を生み出すなど、「グローバルな通信網」としての意味を持ちます。いま自動車業界では、このようなICT端末としての機能を搭載した「コネクテッドカー」の開発が、進められています。

 

“つながる車”「コネクテッドカー」で何ができる?

インターネットに常時「つながっている」車である「コネクテッドカー」は、従来の「つながっていない」車と違い、何ができるのでしょうか?

(1)テレマティクス保険の活用
テレマティクス保険とは、自動車の走行距離、速度、急発進、急ブレーキなどの運転情報のデータを取得し、それに応じた保険料を支払うシステムです。すでにヨーロッパやロシアで義務化しており、日本でも2017年より国土交通省主導でテレマティクス保険の普及を推進しています。自動車の運転行動と連動することにより、運転速度、ハンドリング、急ブレーキ、急発進などのドライバーの運転特性を読み取ることが可能となるため、そのデータを元に、リスクに応じた詳細な保険料ができます。テレマティクス保険の導入は、ドライバーに安全運転を意識させ、交通事故の抑止、減少に効果があると言われています。

(2)車載インフォメント(IVI)の普及
車載インフォメントとは、自動車に「インフォメーション(情報)」と「エンターテインメント(娯楽)」の機能を幅広く提供するシステムのことで、「IVI(In-Vehicle Infotainment)」と略されます。従来のカーナビを見て得られるナビゲーションシステムや、カーオーディオのシステムをさらに上回る情報と娯楽を提供するために、インターネットと接続し、高度なナビゲーションシステム、位置情報サービス、音声通信を提供するほか、音楽や動画などのマルチメディアの再生、検索機能なども可能とし、家庭やオフィスなど車外環境とのシームレスな接続も視野に入れての、総合運用が想定されています。まだ開発途上のシステムではありますが、自動車メーカーは、IVIの早期開発と市場の展開を目指しています。

(3)自動運転(Autonomous)との連携
CASEの「A(Autonomous)」にとって、「C(Connected)」はなくてはならない存在です。自動運転技術には、これまで以上にオンタイムの道路状況や地図情報が、必要となります。情報が詳細であるほど、運転操作に必要な判断と情報処理を、実施することができるからです。この場合の道路状況や地図情報は、人間が視覚で捉えるものではなく、自動車が認識するためのデータですので、オンタイムの詳細情報となると、膨大な情報量となります。自動車がコネクテッド化していなければ、その処理が実施できないため、自動運転にはConnectedが必要となるのです。

(4)Sharing&Serviceとの連携
CASEの「S」、カーシェアリングやそれに関連するサービスを実施するためにも、Connectedは必要です。例えば、カーシェアリングは、コネクテッドカーが提供する位置情報により、利用状況や空いている駐車場情報を提供するなど、スムーズに活用することができると、期待されています。また、無人タクシーの配車サービスにも、Connected機能を搭載した自動運転車が、必要となります。

 

国内の自動車メーカーが取り組む「Connected」について

現在、日本国内のメーカーが取り組んでいるConnectedの進捗状況は、どうでしょうか?コネクテッドカーが、どこまで進化しているのか、見てみましょう。

・トヨタ自動車「T-Connect」
T-Connectは、2018年6月から本格スタートしている、トヨタのConnectedの取り組みです。DCM(車載搭載機)が搭載されたコネクテッドカーで、通信サポートサービスを実施します。例えば、専用オペレーターによる24時間365日の通信サポートや、自動車の異常を検知した際のアラームによる、お知らせ事故の際の緊急車両の手配や走行アドバイスなどのセーフティ&セキュリティサポート、リアルタイムのナビゲーションサービス、LINEアプリとの連携など、様々な機能が利用でき、DCM専用機器以外でも、スマホかタブレットでも接続が可能です。トヨタでは、今後国内で発売するすべての乗用車にDCMを搭載し、Connected化を加速させる方針とのことです。

・日産自動車「Nissan Connect」
Nissan Connectは、日産オーナー限定のWEBサービス「N-Link OWNERS」を利用し、日産オリジナルナビ専用ユニットや、対応携帯機器などを使って情報センターに接続することで、ドライブを快適にするための情報提供や、ナビ操作のサポートTwitterやG-mailの読み上げなどの便利機能が、利用できます。「見えないものを可視化する12V技術」の開発に力を入れており、実現すれば将来的に見通しの悪い交差点の様子や、建物の影に隠れた歩行者などの検知、走行している車線の最適化などが可能となるなど、「究極のコネクテッドカー」を目指しているとされています。

・スバル「STAR LINK」
スバルの「STAR LINK」は、メーカー専用の車載ナビゲーションシステムに、「SUBARU STARLINK」アプリをスマホにインストールして使用するコネクテッドサービスです。STAR LINKでは、事故の際の衝撃を感知し、カスタマーケアアドバイザーが車載スピーカーを通して状況把握や、適切な対応をしてくれたり、路上支援機能では、安らかのトラブルが発生したとき、コンソールボタンを押すことで、カスタマーセンターと接続、車両のGPS位置が自動で送信されるのなどの、安全面でのフォローが期待できます。また、盗難車両の回収機能が搭載されているのも特徴です。現在は、北米をメインで展開していますが、日本国内では出遅れており、国内でのスバルの動きが注目されています。

 

自動車メーカーの将来を見たとき、コネクテッド化は非常に重要なテーマであり、Connectedがうまくいくかどうかで、各社のその他のCASE取り組みにも、多大な影響を及ぼしています。「Connectedとは、何たるか?」を、より深く理解するには、セミナーがお薦めです。今後、あらゆる業界に影響してくるCASEの知識を先取りしましょう!

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【参照情報】
ダイヤモンドホイール・ダイヤモンド砥石・CBN工具・CBN砥石と研削研磨の情報サイト
>>>自動車業界でのCASEとは?CASEの意味とその影響について

自動運転LAB
>>>CASEとは?何の略?意味は?自動運転、コネクテッド、シェアサービス、電動化

>>>日産のコネクテッド機能「Nissan Connect」を徹底解説 自動運転も視野に

>>>スバルのコネクテッド機能まとめ「SUBARU STARLINK」とは?

SmartDrive magazine
>>>自動車業界はどこまで変わる?「CASE」を解説

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>>>テレマティクス保険で優良ドライバーの保険料がさらに安く

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>>>車載インフォシステムとは

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>>>トヨタのコネクテッドカー・T-Connectとは?注目車種・主なサービスを紹介