<自動運転レベル3の時代来たる!2021年の自動運転市場の動向について【1】> 「自動運転レベル3」に活気づく自動運転市場と国が定めた自動運転の定義

2020年から2021年にかけて、あらゆる業界や業種が新型コロナウイルスのダメージを受けている中、ひときわ活気づいているのが自動運転市場です。2020年に施行された改正道路交通法により「自動運転レベ3(条件付き自動運転車)」が解禁され、各自動車メーカーが、自動運転レベル3の自動車の市販化を目指して開発を進めていることが、市場の活性化に繋がっていると見られています。今後、2025年を目途に自動運転レベル4の市場化が目標となるなか、自動運転市場はどのような活気を見せているのでしょうか?2020年に国土交通省が定めた自動運転の定義などと合わせて見てみましょう。

 

2020年に定められた日本の自動運転のレベルと定義について

自動運転レベルは、2014年にアメリカのSAEが定めた定義がありましたが、日本でも2020年に定めれられた自動運転の定義があります。「ASV(先進安全自動車)推進検討会」において、自動運転レベル0から自動運転レベル5までの定義や呼称は以下の通りです。

  • 自動運転レベル0:自動運転を実現する運転自動化技術が何もない状態
  • 自動運転レベル1(運転支援車):アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態。
  • 自動運転レベル2(運転支援車):アクセル・ブレーキ操作及びハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態
  • 自動運転レベル3(条件付き自動運転車*限定領域):特定の走行環境を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
  • 自動運転レベル4(自動運転車*限定領域):特定の走行環境条件を満たす限定された領域において自動運行装置が運転操作の全部を代替えする状態
  • 自動運転レベル5(完全自動運転車):自動運行装置が運転操作の全部を代替えする状態

この中で、一般的に認識されている「自動運転」となるのは自動運転レベル3からで、自動運転レベル2まで「運転支援の技術を搭載した車両」という認識となります。さらに、自動運転レベル4と自動運転レベル5については、「運転するのは自動運転装置」と位置付けられています。

 

自動運転のレベル別に見る自動運転の展望とは?

自動運転の定義に合わせ、レベル別に見る自動運転の展望を解説します。

●自動運転レベル1~2
自動運転レベル1~2では、衝突被害軽減ブレーキや、アダプテッドクルーズコントロールなどADAS(先進運転支援システム)に相当する機能が標準搭載されています。2021年11月に新車対象に実施される「衝突軽減ブレーキ搭載の義務化」により、自動運転レベル1をベースに、レーンキープアシストなど、操舵支援機能が搭載された自動運転レベル2の市販化が主力となると見られています。

●自動運転レベル3
自動運転レベル3は、いま市場で最も注目が集まっているレベルです。2020年に道路交通法と道路運送車両法が自動運転に向けて改正され、事実上、自動運転レベル3が解禁となりました。各自動車メーカーでは、自動運転レベル3の解禁に合わせて、国土交通省から「レベル3型式指定」を受けられる自動運転車を開発できるよう、心血を注いでいます。その中で、2020年11月、ホンダの高級セダン「レジェンド」が各自動車メーカーに先駆け、国土交通省からレベル3型式指定を受けました。

●自動運転レベル4
自動運転レベル4の自動車は、一般車両というよりは、移動サービスの手段としての社会実装が現実的のようです。実際に、自動運転レベル4の先進国であるアメリカや中国では、自動運転レベル4の自動車を使ったタクシーや、ラストワンマイルサービス配送の実証実験を実施しています。日本でも茨城県境町で「走行ルートが明確な自動運転バス」の計画や、自動運転配送サービスの研究開発が進められているとのことです。

●自動運転レベル5
完全な自動運転となる自動運転レベル5は、日本でも世界でも、未知の領域であり研究は進められてるが、技術的開発には着手されていないようです。

 

成長を続ける自動運転市場のCAGR(年平均成長率)

自動運転車の成長は、世界規模で起こっているものですが、その理由は、自動運転レベル3の市販化が加速しているだけでなく、アメリカや中国などで実施されている、自動運転車レベル4による移動サービスや、ラストワンマイル配送の実証実験などによって、自動運転の実装がより身近なものへと近づいてきている気運にも影響がありそうです。そのあたりの情勢を踏まえ、自動運転事業のCAGR(年平均成長率)をまとめてみました。

●自動運転市場のCAGR
Report oceanが2020年12月に公表したデータによると、自動運転市場のCAGRは2026年までに22.64%を記録しています。同年までに、自動運転車両数は26万3632台を超えると予想しており、二桁台の成長を示しています。また、Grand view Researchが2020年4月に発表したレポートでは、2030年において、世界の自動運転車需要は420万台に達すると見込まれ、同じく2030年までにはCAGRが63.1%に上ると推計しているしています。自動運転車は、開発の状況や、資産などに大きく左右されるおで、これらの推計通りに成長するとは限りませんが、かなりのプラス成長が見込まれている市場であることは間違いないようです。

●コネクテッドカー市場のCAGR
車載された通信技術を駆使し、インフラ情報や周囲の車両情報、クラウドサービスなどと常時情報をやりとりすることで、走行の安全性を高めることができるコネクテッドカーは、既に一般車両にも組込まれており、テレマティクス保険や、スマートフォンと連動したサービスの提供なども実装されているため、台数が増えるほど、需要が見込める市場とされています。Report oceanが2020年10月に発表した数値では、コネックテッドカー市場のCAGRは17.7%。2027年までに2,251億ドルに達すると見られています。

 

自動運転市場やコネクテッドカーについてはセミナーでおさらい

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【参照情報】
Webモーターマガジン
>>>ついに日本で走り出す”自動運転レベル3″搭載車にできることとは【2020自動車キーワード】

ニュースイッチ
>>>いよいよ始める「レベル3」!トヨタ・ホンダ・日産の自動車運転最新動向

自動運転LAB
>>>自動運転車の実現はいつから?世界・日本の主要メーカーの展望まとめ

DIGITAL SHIFT TIMES
>>>自動運転レベル3はどんな特徴を持った車?今後の普及状況を解説