≪企業とネットリスク その1≫「ネット炎上」はなぜ起きる?ネット炎上の過程と種類について

SNS上の書き込みや画像、動画などの投稿がきっかけで発生する「ネット炎上」は、その名の通り、火種となる情報の拡散と共に、業火のような批判や非難が企業を焼き尽くし、企業に深刻なダメージを与えます。「ネット炎上」は、企業にとってある日突然訪れるようなイメージにありますが、炎上のメカニズムや種類などを知っておくと、炎上リスクを減らすことが可能です。ネット炎上はなぜ起きるのでしょうか?その過程や種類、ネット炎上の防ぎ方などをご紹介します。

 

「ネット炎上」とは?

これまで「ネットリスク」と言うと、個人情報の流出や不正アクセスなど、セキュリティ面のリスクを指していましたが、近年では、SNS上に発信された企業に対するネガティブな投稿が発端となって、あらゆるところに拡散し、企業のイメージダウンに繋がる現象もネットリスクの一種として扱われるようになってきました。

後者のネットリスクに関しては、ネガティブな投稿を火種とし、企業に対する誹謗中傷がネット上に燃え広がるように拡散されることから「炎上」と称されることが多く、「ネット炎上リスク」とも言われています。ネット炎上リスクに関しては、後手に回る企業も多く、結果的に何年も悪評がつきまとってしまう企業や、深刻な顧客離れを引き起こす企業もあります。現代のビジネスにとって、なくてはならない存在となったインターネットですが、同時に「炎上リスク」も視野に入れ、対策を講じなければなりません。

 

ネット炎上しやすい火種とは?

ネット炎上には、必ずその原因となる「火種」が存在します。火種となりやすい事象を、以下にまとめました。

(1)企業の事故や不祥事
例えば、施設の事故、集団食中毒や、車のリコール、粉飾決済、食品偽装など、企業が起こす事故や不祥事の発覚が火種となり、そのことについてネット上に議論が巻き起こり、批判的な意見が飛び交うことで炎上するケースがあります。企業側に非がある上に、隠蔽工作や謝罪対応の遅れなどが発覚すると、それが燃料となり大きく燃え広がる危険があります。過去の不祥事が暴かれて再炎上することもあり、その場合は、信頼回復に年単位かかるレベルのダメージを負うこととなります。

(2)アルバイトによるSNSの「バイトテロ」など
以前は、従業員やアルバイトが事件や事故を起こすと、企業や勤務先を特定されて、ネット掲示板などに晒され炎上するケースが多かったのですが、最近ではアルバイトによるSNSを使った「バイトテロ」が記憶に新しいかと思われます。

バイトテロは、勤務中の不適切行為を動画に収め、面白半分でTwitterやInstagramなどのSNSに投稿したものが火種となり、企業名や店舗名、投稿者の個人情報まで特定されて、不特定多数の人間に拡散され、炎上するケースです。大手チェーンのコンビニエンスストア、飲食店だけではなく、個人経営の飲食店でもバイトテロが発覚することもあります。実際の被害者は企業側でもありますが、企業は監督・管理責任を問われるので、知らぬ存ぜぬでは通りません。対応の手段を間違えると、閉店や廃業に追い込まれるまで炎上し続ける、ネット炎上リスクの中でも強力な火種のひとつです。

(3)企業広告の倫理観やモラルへの批判
企業の広告や情報発信が倫理的に問題あった、配慮に欠けていた、モラルが足りないなどの批判が火種となることもあります。例えば、差別的な表現を使用している、素行に問題のある有名人を起用した、広告の写真などを無許可で使用していたなどです。火種となった批判はネット上で議論となり、炎上し最終的に企業は広告や発信の撤回、写真の差し替えなどの対応に追われます。発言の撤回は、企業イメージのダウンにつながり、広告の差し替えは余計なコストを掛けることになるため、企業の受けるダメージは決して少なくありません。

(4)商品不具合や異物混入に対するユーザーのSNS投稿
買った商品に不具合があった、食品に異物が混入していたなどのユーザーからのSNS投稿も火種となります。本来ならお客様相談室という窓口があるのですが、まずはSNSで報告する人が多くなっています。特に食品の異物混入は身近な出来事なので、ネット上での反響も大きく、それだけで炎上してしまうため、商品のイメージダウンは計り知れません。

また、お客様相談室でのやり取りに不満があった場合、そのやり取りをSNSに投稿するケースもあります。場合によっては、商品のCM自粛や販売停止になるまで炎上し続けることもあるので、慎重で、かつ迅速な対応が求められます。

 

「火種」は、どのようにして「炎上」するのか?炎上のメカニズム

「火種」となる発信は、どのようなプロセスで「炎上」に至ってしまうのでしょうか?Twitter、Facebook、InstagramなどSNSに投稿された火種は、「RT(リツイート」)や「いいね」「シェア」などで不特定多数の人に拡散されます。

それだけでも十分な炎上要素があるのですが、これらの情報をまとめた「まとめサイト」や「ネットニュース」などが乱立すると、炎上はさらに加速します。その理由として、「まとめサイト」や「ネットニュース」はSNSのアカウントを持っていない人でも閲覧できてしまうため、より多くの人の目に晒されてしまうからです。しかも、まとめサイト系は誰でも開設することができるため、情報の精査がされないばかりか、炎上のための「燃料」として「正しい情報」よりも「ネタ」を求めて暴走するので、企業側で対策しようにも、手が付けられない状態となります。類似の火種、もしくはそれ以上のニュースがあれば鎮火することもありますが、その後の対応を間違えると再炎上する恐れもあるので注意が必要です。

 

ネット炎上を防ぐためには?

ネット炎上を防ぐためには、まずは社内で炎上についての基本知識やメカニズム、他社事例など情報を共有することがポイントです。炎上対策のひとつとして、社内のSNSアカウント管理や運用方法について、一定のルールを決めておく「ソーシャルメディアポリシー」の導入する企業が増えてきています。また、外部からの干渉に際しては、自社の商品やサービスが炎上の火種となっていないか、炎上のトレンドをチェックする監視体制を整えておくことも重要です。

このように、企業の内と外、双方で対策することで、炎上リスクの減少が期待できます。そのためにはセミナーなどで、最新の事例などや炎上の課程やメカニズムを学ぶことが有効です。ぜひ、受講して、最適な対策を立てておきましょう。

>>>最新のリスクマネジメントに関するセミナー情報はこちらから

 

【参考情報】
OZMA PR
企業イメージ失墜を招く「ネットリスク(炎上リスク)を防ぐためには

レピュ研
ネット炎上のメカニズム2019年版

SOMPOリスクマネジメント
ネット炎上リスク対策