「セミナー」~セミナービジネスの未来~ その1「セミナー」の定義

本コラムでの「セミナー」定義

ネットで意味を検索すると、大学の教育方法の一つで、先生の指導のもとに学生が集まってする共同研究や演習。一般に、研究講習会などとあり、またウィキペディアによると、どちらかというと大学での講座・講義の意味合いが掲載されています。

しかし本コラムでは、「セミナー」の定義を、ビジネスの現場で必要となる、知識・ノウハウ・スキルなどのテーマを設定し、その取得や習得に興味のあるビジネスパーソンが自主的に参加、受講するサービスと絞ります。この場合、企業が社員に対して、就業時間で開催する「研修」は含まないものとします。

そして、コラムを読んでいただきたい対象者も、セミナーを受講する側ではなく、セミナーを開催される主催者様としたいと思います。

■参考データ
ビジネスクラス・セミナーの利用データ(2008年3月~2017年12月)を参考として、各種の傾向などをご紹介しております。ビジネスクラス・セミナーは、主催会社数約600社年間22,000件の開催情報を掲載している、日本最大級のセミナーポータルです。

>>>「ビジネスクラス・セミナー」

 

「セミナー」の開催目的

大きく分類すると以下の二つの目的に絞られます。

1.収益型セミナー
セミナー自体をコンテンツとして、参加者の受講料を収益とするもの。

2.販促型セミナー
自己ビジネスに役立てる、例えば見込顧客獲得やリスト獲得のために開催するもの。

以下にこの二つの特徴を簡単にご紹介してみます。

 

■収益型セミナー

1.開催カテゴリー
これはビジネス現場で必要となる知識・ノウハウなど広い範囲ですから、ありとあらゆるものが対象となります。傾向から分類しますと、おもに以下となります。

①テーマ
②業種
③職種・部署
④企業階層別(役職ヒエラルキー)

やはり、ビジネスが複雑になっていることもあり、①テーマが多いのですが、最近の傾向としては、よりテーマを絞り込み、プラス②特定業種や③専門部署に特化したニッチな内容なものが増加しています。また①のテーマについてですが、ビジネスクラス・セミナーの中のINDEX検索をご覧いただくと、どのようなテーマのセミナーが多いかをご確認いただけます。

>>>ビジネスクラス・セミナーINDEX検索

2.受講対象者
受講対象者は、ビジネスパーソンですが、受講料の負担によって分けることができ、企業の教育費(経費)か、ビジネスパーソンの自己負担があります。全体的には、前者の場合が多くを占めるようで、後者の自己負担の場合は、受講料が1万円以下のセミナーへの申込がおおいようです。

3.開催日程・時間
受講者が、企業の経費で参加しているケースが多いため、企業の就業時間内、つまり、平日の日中で、時間もAM10:00~17:00の間に開催されるセミナーがほとんどとなります。また開催時間ですが、終日(10:00~17:00)の6時間、もしくは、半日(13:00~17:00)4時間、開始・終了時間が30分から1時間程度の調整はありますが、ほぼこの2パターンになります。

4.受講料
収益性を求めるわけですから、当たり前ですが「有料」ということです。企業負担と個人負担によって、大きく金額帯が変わります。企業負担の場合、時間単位での料金ですが、3,000円~6,000円/時間となり、平均的な受講料は、半日15,000円程度、終日30,000円程度です。個人負担では、最大でも通常10,000円程度。超有名講師、とくに啓蒙系の大家の講演は、それこそ趣味の世界なので、青天井数十万円から百万円をオーバーするものもありますが、これは、本コラムのセミナーの定義以外なので例外とします。

 

■販促型セミナー
※保険や証券など金融商品や不動産などファイナンス系は、参加者が「個人」として参加されるため、別途にまとめてご紹介しますので、以下の対象からは除きます。

1.開催カテゴリー
販促セミナーの特徴は、自社ブランドの告知や最終的に自社製品やサービスに結び付ける内容となるため、必然的に具体的な「問題」をテーマに取り上げて、「解決方法」を提示するセミナーとなります。つまり、販促セミナーを開催する企業さんは、自社製品やサービスが「説明型」である場合がほとんどです。また、自社製品やサービスは、価格が高いものであることも特徴です。代表的なものとして、ITプロダクト、各種コンサルティング・サービス(研修含む)などです。

2.受講料
基本は、「無料」です。ただし、勉強だけにくる参加者よりも、本気に問題を解決したいと思っている参加者のみに絞って開催を行いたい場合、1万円以下、3,000円~5,000円程度の受講料を設定する場合も増えているようです。主催する側にとっても、セミナールーム室料など最低限のコストを捻出できることもメリットになります。ただし、リスト獲得を目的とした場合は、参加者数が減少しますので、注意が必要となります。

3.受講対象者
自社の中で、顕在的に問題を抱えている、もしくは潜在的な問題を感じているビジネスパーソンが主な対象者です。「無料」であるから、自社の顧客にならない参加者が多くなってしまうのではないかと懸念する方がいらっしゃいますが、現在では、ビジネスパーソンは多忙になり、まして自ら情報を取得しようとするモチベーションが高い方は、無料だからという理由だけでは参加しません。自分にとって魅力的なテーマ・内容でないと反応しませんので、ご安心ください。

4.開催日程・時間
こちらも企業の就業時間内となりますが、主に午後の開催が多いようです。開催時間的には、1.5時間から2時間が主流となっています。また、終了時間は16時30分、または17時が多く、これは帰社しなくても良い時間にあわせて主催側が設定している傾向のようです。(参加者の傾向は特にわかりません。)

 

最後に

セミナーは、Webサービスと違い、人手、手間がかかる商品・サービスであり、販促施策といえます。それだけに、傾向をつかみ、効率的に企画・開催することが必須です。今後も本コラムでは、セミナービジネスについての基本的な知識、企画や開催のノウハウなど、ビジネスクラス・セミナーのデータをもとに、解説をしてまいりたいと思います。

ご質問などありましたら、お気軽に以下までお問い合わせください。

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