シナリオプランニングの手法について

最近、仕事の現場において、「シナリオプランニング」という言葉を耳にすることが増えました。
その語感でなんとなく意味を理解しているけど、具体的にはどんなものなのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、シナリオプランニングの意味や具体的な方法についてご説明いたします。

シナリオプランニングってどんなもの?

シナリオプランニングとは一般に、「将来の望ましい状態を想定し、その実現に至るまでのプロセスをシナリオで描くこと。
またその過程でどんなことが起こりうるか、その中での選択肢や行動について総合的にイメージし、周囲の理解や共感を得ること。」と定義されます。

要するに、集団(会社や政治団体など)の未来をよりよいものにするための道筋を具体的に考え、それを構成員みんなで共有して行きましょう。という意味になります。

シナリオプランニングによってどういう結果が得られるの?

具体的な例を挙げて説明します。
かなり極端ですが、南アフリカの新体制樹立までの過程で使用されたシナリオプランニングが有名です。

アパルトヘイトが廃止された1990年代以降の南アフリカは非常に政情不安な国でした。
いくつかの政治団体(勢力)が睨み合っている中で、いかに民主主義の新体制を作り上げていくかが課題とされていました。
そんな中、対立する勢力同士で歩み寄り、会合する場が持たれました。
そのときに南アフリカの未来として考えられたのが、以下の4つのシナリオでした。

1.「勢力同士の話し合いが決裂し現行の独裁的な体制が続くシナリオ」

2.「話し合いがまとまり新たな体制が生まれるが、抜本的な改革を遂行できずに終わるシナリオ」

3.「強力な中央集権体制を敷くことに成功するが、低所得層へのばらまきによって国が破綻するシナリオ」

4.「民主主義が実現し、それが持続するシナリオ」

南アフリカでは、この4つのシナリオを政治関係者や国民に提示するとともに、
実現すべき4つ目のシナリオに至るプロセスを広く共感・理解してもらえるように尽力したと言われています。
その結果、国民同士の多くの対立を乗り越えて新体制の樹立を成し遂げたのです。

極端な例でしたが、以上がシナリオプランニングの最も成功した事例のひとつです。
会社のように規模が小さくなっても基本は同じです。
例えば中長期的な成長を持続するためのシナリオを立て、そのプランを社員間で共有することで、仕事の効率を上げるなどの効果が見込めます。

シナリオプランニングの進め方は?

では、シナリオプランニングはどう進めていくのでしょうか?
主に以下の進め方があります。

1.ストーリーを具体的に描く

シナリオ作りをするとき、やってしまいがちなミスが「箇条書き」です。
確かに単純明快で一見わかりやすく思えますが、そのプランがいかに実行され、
いかなる価値を発揮するかがイメージしづらいものになる落とし穴があります。

逆に、達成までのシナリオをストーリーで描写することで、
「聴き手側がイメージをつかみやすくなる」、「自身の役割をつかみやすくなる」などの効果が期待できます。

2.ストーリーは複数用意する

南アフリカの例でもありましたが、シナリオは複数用意することが前提です。
あらゆる分岐点を想定し、複数の未来像を描くことで、集団の可能性を幅広く検討することができます。
またその過程で、成功するために必要な要素を洗い出すことが可能となります。
さらには、未来の形がひとつではないということをあらかじめ提示することで、個人の主体性も増します。

3.組織外の人も交えて話し合う

組織の未来を客観的に描くために、組織外の人を交えることも大切です。
特に現代は未来の不確実さも大きいので、幅広く情報を得ることや視野を大きく持つことが重要です。
こうすることによって、社会や経済動向における集団の立ち位置もわかりやすくなり、見通しを立てやすくなります。

いかがでしたでしょうか。
シナリオプランニングの進め方について簡単な説明をしましたが、
実はシナリオプランニングには「こうあるべきだ」という正解は存在しません。
あくまで複数の選択肢を提示し、未来をよくするために動いていこうというものなのです。

最近ではシナリオプランニングに関するセミナーも多数開催されています。
こういったものを受けて視野を広げてみるのもいいかもしれませんね。

>>>最新の技術・研究セミナー情報はこちらから