<自動車業界を大きく変える「CASE」に迫る!【1】> CASEとは?いま、CASEが注目される理由について

いま、世界中の自動車メーカーが注目し、取組みを進めている「CASE(ケース)」を、ご存知でしょうか?「CASE」は、自動車メーカーのみならず、国や他業種も巻きこみ、自動車業界に100年に一度の大変革をもたらそうとしています。自動車の技術はもちろん、それを利用する環境、社会の在り様まで変わるインパクトと可能性を秘めている「CASE」について、迫ります。

 

CASEとは?

CASE(ケース)とは、「Connected(コネクテッド:つながり)」「Autonomous(自動運転・自動運転車)」「Shared&Service(カーシェアリング・ライドシェア)」「Electric(電気自動車)」の頭文字を取った言葉です。テレビなどでも取り上げられ、よく耳にする自動車の話題として「自動運転車」がありますが、これはCASEの中の「A:Autonomous」の一環です。

それ以外でも、街中に増えたカーシェアリングや便利な配車アプリなどは、CASEの「S:Shared&Service」の取組みであり、シェアが拡大している電気自動車(EV車)もCASEの「E:Electric」に含まれます。そして、自動運転車やカーシェアリング、EV車に欠かせないのがICT端末機能や、通信機器、更新して使用できる3D地図などを搭載した「つながるクルマ」を意味するCASEの「C:Connected(コネクテッド)」です。

現段階では、CASEのそれぞれの部分が別働で動いているように見えますが、CASEをひとことで表現すると、「コネクテッド機能を搭載した完全自動運転のEVの無人タクシー」のような、分かりやすい例となります。現在、自動車会社以外でも大手通信会社や、異業種企業のCASEの参入が増えてきているため、未来のモビリティサービスへ、さらなる旋風を巻き起こすと期待が高まっています。

 

CASE4つのワード

CASEを構成する4つワードについて、もう少し見てみましょう。

・「Connected(つながるクルマ)」
Connectedとは、シンプルに説明すると「インターネットにつながっているクルマ」です。クルマをIT化し、センサーと内部のネットワークによって実現される快適性や安全性の向上だけでなく、外部のクラウドに接続することで、様々な情報サービスを受けることが可能となります。ロシアをはじめ、ヨーロッパの一部では、すでに通信機能を備えた、自動緊急通信システムの搭載が義務化されています。日本では、まだ実用化をしていないものの、トヨタ自動車や大手自動車メーカーなどで、コネクテッドカーの開発を進めているとのことです。

・「Autonomous(自動運転・自動運転車)」
「Autonomous」は、CASEの中でも最も知られている取組みと言えましょう。自動運転車は、その名の通り、ヒトの手で操作することなく、自動で運転してくれる車です。ひと昔では、映画やSFの中で登場する夢のような話でしたが、それを実現するべく、世界中の自動車メーカーが、自動運転車の開発を進めています。自動運転車が普及することで、安全性向上による事故の軽減や、ドライバーの負担軽減、渋滞の解消などが、期待されています。自動運転のレベルは、SAEの定義で、レベル0からレベル5まで、段階的に設けられています。

レベル0:自動運転なし
レベル1:運転支援:加速・操舵・制動のいずれかをシステムが行う
レベル2:部分運転自動化:加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行う
レベル3:条件付自動運転化:限定的な環境下若しくは交通状況のみシステムが加速・操舵・制動を行う
レベル4:高度自動運転化:特定の状況下のみでシステムが加速・操舵・制動を行う
レベル5:完全自動運転化:考える全ての状況下及び極限環境での運転を全てシステムに任せる

日本では、国内メーカーが、レベル3の実現時期を2020年と設定していますが、自動運転レベル5については、2030年代に入ってからとの見方が強まっています。

・「Shared&Service(カーシェアリング・ライドシェアリング)」
カーシェアリング・ライドシェアリングは、ひとつの自動車を、複数名で、違う時間に、必要な時にシェアしあうシステムのことです。ひとり一台車を持つことにこだわらなくなった今の若年層にマッチし、日本でも、カーシェアリングの会員数が、増加しています。レンタカーと違い、短時間で利用でき、費用が安く、24時間いつでも利用できるというメリットがあります。日本では、これから道交法の法整備が必要となりますが、Shared&Serviceによって、「自家用車」と「シェア用車」との棲み分けが生まれ、従来の自動車のマーケティングとは違った戦略が必要となります。そのため、自動車業界にとっては、販売先や販売形態が代わる節目を迎えており、この点が、CASEが自動車業界の大改革と言われる所以でもあります。

・「Electric(電気自動車)」
電気自動車は、地球温暖化やCO2などの環境問題と連動し、ヨーロッパを筆頭にアメリカ、中国など世界中で開発が進められています。環境先進国のノルウェーでは、2025年以降には、電気自動車とハイブリッド車のみ販売を許可することとしており、フランスでは、2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出しています。日本でも、EV車やハイブリッド車は人気があり、エコカー減税や補助金などの優遇税制がとられるなど、国レベルでEV車を推奨しており、充電を行うためのスタンドも増えてきているので、ユーザーがEV車を選択しやすい状況にあります。

 

CASEはなぜ注目されているのか?

CASEの取組みにより、自動車業界はこれまでにない変革を求められてきていますが、実はその影響は、自動車業界ばかりではありません。様々な産業にも、変革を促す事となります。その一例を記してみました。

  • EV車の普及によりガソリンスタンドが姿を消す
  • 全自動運転化によってドライバーの責任が自動車製造会社となり、損害賠償保険の仕組みが変わる
  • 全自動運転化により道路交通法の法改正が必要となる
  • カーシェアリング・ライドシェアリングの普及で個人所有の駐車場が減る
  • 車の走り方が変わるので、将来的には信号機や標識にも影響が出る

このようにCASEは自動車だけでなく、これまで当たり前に暮らしていた街の姿も変えてしまうくらいの影響力があります。MaaSやSDGsなど共に、今後も注目される取組みであることは、間違いありません。

 

「CASE」をもっと知るならセミナーへ!

CASEの影響は、どのようなタイミングで発生するか分かりません。自動車業界から遠い位置にいても、思いがけないことで、その影響がでる可能性も否めない分野でもあります。ぜひともセミナーでCASEを学び、最新の自動車業界について見聞きしておきましょう!

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【参照情報】
自動運転LAB
>>>CASEとは? 何の略? 意味は? 自動運転、コネクテッド、シェアサービス、電動化

ITソリューション塾
>>>自動車産業に押し寄せるCASE、自動車産業を越えて変革を促す

砥石と研削研磨の情報サイト
>>>自動車業界でのCASEとは?CASEの意味とその影響について