【 いまココ見とけ!ビジネスコラム特別号セミナー・研修の提供側から考えた「反転学習」の効果と可能性 その2 】

「反転学習は、講師の力量が試される!」

今回は、このテーマを考えていきたいと思います。

従来の研修は、短期間に知識の提供と活用の両方一度に詰め込むと方法であり、受講者が消化できず、また継続した学習も提供することが難しいため、その効果に疑問符がついているのは周知の事実となっています。

そして、その解決手法の一つとして、基本知識はデジタル教材等により、受講する方の好きな時間と場所、スタイルで学び、その後に集合型学習にて、講師や他の受講者とコミュニケーションをとりながら、「知識」を「知恵」にかえていくという「反転学習」を取り入れる企業が増えているとご紹介しました。

これは、導入企業にとって大きなメリットとなるとともに、講師にとっても、最も時間を要する「基礎知識」をデジタル教材として提供するため、効率が良くなり、さら集合研修によって、理解が深まり、学んだことがビジネスの現場で実践され、成果が生み出されやすくなることで、導入企業からの評価が高まるわけです。

以上のように「反転学習」は、両者にとって、メリットの高い学習方式といえます。

ところが、講師にとっては、「力量を試される」学習方法でもあります。

従来の研修は、知識を一気に詰め込みますので、講師と受講する方の間には、その知識について、その理解度・情報量に大きな格差がありました。
そのため、受講側から質問や疑問は起こりにくく、あったとしても、研修カリキュラムを作成した講師にとって、その多くは想定内の範囲のため、回答することができました。

しかし、「反転学習」では、基本知識は事前に受講者が学び、集合研修に臨みます。

研修は、学んだことを実践することが目的ですので、当然ですが、質問は、受講者自身のおかれている現状のビジネス現場で発生している色々な問題が組み合わされているため、講師の想定を遙かに超える複雑なものとなります。

従来の集合研修は、講師が受講者よりも多くの情報を持っていましたが、反転学習におけるそれは、逆転します。ビジネス現場を知っているのは、受講する側です。ここでは、講師のほうが明らかに知識・情報量が少なく、さらに受講者が夫々違った職場で働き、経験も違うのです。
この状況の中で、講師は、受講者の理解を更に一歩進め、より実践の場で活用できる「知恵」に変えることが要求され、それを達成しない限り、受講者の満足度も高まらないわけです。

ここで結果を残すためには、講師は高い専門知識の他に、ビジネスでの経験値、問題の発見力、解決力だけでなく、受講者を巻き込み、能力を引き出すコミュニケーション力、ファシリテーターとしての力も必要となります。

如何でしょうか?
「反転学習」は、講師の力量が試されることがお分かりいただけたと思います。

そして、もう一つ重要な点があります。
反転学習の導入が進むことで、研修の依頼が力量を認められた講師に、更に一極集中することです。

従来は、如何に優秀な講師と雖も、集合研修でとられる時間は一緒ですので、研修を受けられる件数には限界があったわけです。
ところが「反転学習」は、講師のメリットとして、時間のかかる基本知識を講義する短縮されるとご紹介しました。つまり、前述の力量の高い講師は、さらに研修の依頼を数多く受けることが出来るわけです。当然、マニュアル便りで研修していた講師には、依頼は回ってくる可能性が低くなります。

これから講師は、専門知識だけでなく、ビジネス経験値、人間力など、その真価が問われる、生き残りをかけた厳しい時代がいよいよ来るのです。

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