<改正個人情報保護法2020【1】> 改正前に基本から学ぶ「個人情報保護法」について

ひと昔前の「個人情報」といえば、住所や氏名、電話番号、本人の履歴などが記された紙ベースが主体でした。しかし、インターネットで世界が繋がり、パソコンやスマートフォンなどのモバイル端末の普及により、住所氏名はもちろん、商品の購入履歴、金銭の出し入れ、ネット上の取引など本人すら把握しきれない「個人情報」がWeb上にあふれています。このような、個人情報が第三者の手に渡り悪用されないように制定された法律が「個人情報保護法」です。2005年に施行され、2017年に大改正をした個人情報保護法は、3年ごとの改正により2020年に改正が実施されます。ここではまず、個人情報保護法の概要と成り立ち、罰則規定などについてまとめました。

 

個人情報保護法とは?

個人情報保護法は、「個人情報の保護に関する法律」を正式名称としています。インターネットの普及は、いつでもどこでも世界と通信ができるという利便性の他、ネットショッピングやネットバンキング、ビジネスの取引、SNSでの投稿など、あらゆることをWeb上で済ませることができる便利な社会をもたらしました。しかし便利な反面、Web上にあふれた膨大な個人情報は、個人のプロフィールだけでなく、ネットショッピングの購入履歴、銀行の口座番号、カード番号、会社の機密情報、プライベートなメッセージのやりとりなど、慎重な取扱いを要する情報ばかりとなりました。個人情報保護法はその名の通り、個人情報が第三者の手に渡り、犯罪目的で悪用される危険から保護するために制定された法律となります。

▼電子政府の総合窓口
>>>e-Gov 個人情報の保護に関する法律

 

個人情報保護法制定の背景と2017年の大改正について

個人情報保護法は、どのような背景で制定され、どのような流れで改正が行われたのでしょうか?その流れを見てみましょう。

●個人情報制定の背景
個人情報保護法は2003年5月に成立し、2005年4月より施行されました。この時点では、これまで明確化されていなかった「個人情報」について「生きている人間の」を前提とし、「個人の氏名」「住所」「クレジットカードの番号」などの情報を「個人方法」として明確に定義し、第三者による不正取得や、外部への流出などの防止を目的として「個人情報の管理を厳重にする」法律としました。個人情報の定義については、個人情報保護法第1章第2条1項に記されています。

●2017年の大改正
インターネットの一般家庭への普及率が高まると共に、大企業による広範囲な個人情報流出事件や、個人情報漏洩事件、個人情報を悪用した詐欺事件などが相次ぎ、時代に合わせた個人情報保護法が必要であると判断され。2017年に大改正が実施されました。2005年の施行時は、個人情報保護法が適用される業者に関して、件数制限が設けられていましたが「個人情報を取扱う全ての事業者」を対象とし、違反した業者に対し罰則規定を設けました。(罰則規定については後述します)。その他の改正ポイントは以下の通りです。

・個人情報の提供についての記録義務の強化
・「個人データーベース等不正提供罪」の設置
・健康診断書を会社が預かる場合は本人同意が必要
・オプトアウトの届け出が厳格化された
・ビックデータ対策としての「個人識別符号」が定義された
・3年ごとに見直すことが定められた

2017年の大改正では、「3年ごとに見直しをする」という項目も追加されたため、2020年に見直し、改正の流れとなっています。

 

個人情報に該当するもの

具体的に「個人情報に該当するもの」とは、どのような情報でしょうか?下記にてまとめました。

【対象となる個人情報】(個人情報保護法第2条4項5項)
・生存する個人に関する情報
・支社の情報であっても遺族など生存する個人に関する情報が含まれるもの
(住所・氏名・生年月日やクレジットカードなどの情報に加え、虹彩・指紋・手のひらの静脈など個人に帰属する全ての情報含む)

【対象となる組織】(個人情報保護法第2条3項)
・国・地方教協団体・独立行政法人等及び地方独立行政法人、民間事業者など、個人情報を取扱う全ての組織

 

■個人情報保護法の罰則規定について

個人情報保護法では、個人情報を扱う事業者に対して、守るべき義務を課していますが、違反をするとまず、個人情報保護委員会より改善命令を受けます。それに従わないと、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が課せられます。(個人情報保護法第82条ー第88条)さらに、流出や漏洩などの場合、被害者から損害賠償を請求される訴訟問題に発展する恐れもあります。

 

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【参照情報】
All About ビジネス・学習
>>>個人情報保護法改正のポイント6つ!施行後の内容とは

ネット誹謗中傷弁護士相談
>>>法律の概要と事例をわかりやすく解説

サイバーセキュリティ.com
>>>個人情報保護法とは?対象と罰則など、そもそも個人情報って何?